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8章 5000年前からの贈り物
17話 そして猫は海に向かった。
しおりを挟む自分の名前は忘れてしまったが、機械ネズミの情報網は素晴らしかった。
政府の動きは、ほぼ把握していた。
サイン。
コサイン。
タンジェント。
秘密の組織は3っつに分かれていた。
お互いその存在すら知らされてはいなかったのに、この自分の名前も忘れた機械のネズミは知っているのだ。
見た目や経歴など、なんの役にも立たない事を、思い知らされる。
「そんな極秘事項を、俺らに話しても大丈夫なのか?」
あゆみは聞いた。機械ネズミは、
「お前らみたいな、いい加減なペットの機械猫の言う事なんて誰も信じない」
『とんだ言われ様だぜ』
バイカルはお怒りだ。
『お怒りならもっと大きな声で言えよ』
『無理、俺、生まれも育ちも動物園で育ちが良いんだ』
それを育ちが良いと言うのか不明だが、バイカルは育ちが良さそうな性格ではある。
機械ネズミが手に入れた目撃情報により、人類の宇宙船から逃げ出した2匹の猫は、海に向かったらしい。
海=塩害。
機械であるアンドロイドに取って、あまり行きたくはない場所だ。
あゆみとバイカルは、地上に上がり、砂糖さんと共にレンタカーを借りて、海に向かった。
☆彡
地上の生命が絶滅したが、海の中は絶滅を避けらえれた。
当時はなんらかの影響は受けたらしいが、今は持ち直した。
その海岸線はアンドロイド社会から遠く離れた場所にあった。
この惑星でもっとも生命を感じることが出来る趣味は、釣りだと、そのアンドロイドは考えていた。
そのアンドロイドの機種名はシュガーコート001。
シュガーコートシリーズの中では、もっともレアな機種だ。
レアだからと言って価値がある訳ではないのだが、彼女にとってはそれが誇りである事には変わりはなかった。
今アンドロイド社会では、宇宙船から逃げ出した猫が話題を独占していた。
だからと言って、こんな社会から外れた海岸線まで来る者はいなかった。
アンドロイドのインフラと繋がっていたい欲求は、人類との比ではないのだ。
「にゃあ」
歩き疲れたであろう2匹の猫が、近寄ってきた。
シュガーコート001は、まさか本当に来るとは思わなかった。
「生存本能の一種かな、生きてるって素晴らしいね」
シュガーコート001は、今さっき釣れた鰯を猫に差し出した。
つづく
読んで頂き、ありがとうございます。
毎週、土曜日更新です(σ⁎˃ᴗ˂⁎)σண♡*(ღ*ˇᴗˇ*)。o♡ウットリ♡
機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。
機械のネズミ
【アルバム】機械猫より賢そうだが、本体の記憶容量は少な目。
【シュガーコート001】もっともお手頃なお値段のアンドロイド。
【猫】黒猫と白猫
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