『数億光年離れた遠い星の話』

健野屋文乃(たけのやふみの)

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9章 不確実な記憶の世界で

10話 ハモる石像たち

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大理石の廊下を進むと、行き止りに、2匹の羽根のある獅子の石像があった。
見ようによっては、犬にも見えるが。
それはそれは、幸せそうに安らかに眠っている石像だ。

「にゃにゃ」
『同時に2匹石像の口に手を入れて、だとさ』
黒猫の言葉を、バイカルが翻訳して説明した。

「ふふ~ん、入れたらこの入口が開くんだろう。なんかありがちじゃない?」
『まあな、とりあえず同時に手を入れて見ようぜ』

あゆみとバイカルは、ありがちとは言え、
「せーの」
と同時に手を入れて見た。

「ゴホ!」
獅子だか犬だかの石像が、2匹同時に動きだし叫んだ。
「何するんだ!お前らいきなり口に手を入れて起こすってアホなのか!
お前らはなにか、誰かを起こすとき口に手を入れる星人か!」

叫びながらも、なぜか2匹の石像は、めっちゃハモっていた。


『石像が動いた!』
石で出来たロボットの類か?
もしくはどこかの知的生命体が作った人工の生命体?
もしくは天然の石で出来た生命体?

その石像が何者なのかは解らないが、言ってることはもっともだった。

「寝起きとしては最悪だぞ!1000年寝てたんだぞ!1000年!
こんな起こし方はないだろう?」
もちろん石像は2匹同時に、ハモりながら言った。

もっともな意見なので、 
「すまない」
あゆみは取りあえず謝った。

バイカルは突然ハモりたくなったのか、あゆみの「すまない」に合わせて、
『悪かった』
と言ってしまった。言葉選びの段階で失敗だ。

相方として(泣)

あゆみがチラッとバイカルと見ると、バイカルはサッと目を逸らした。

ただバイカルのハモりたいと言う意思に気づいたのは、あゆみだけだったので、多分恥をかかずに済んだはずだ。


羽根のある石像は、機械猫2匹と生きてる猫2匹を不思議そうに見て、

「と言う事は・・人型アンドロイドは、滅んだのか?」

2匹の石像がハモリながら言うもんだから、それは高価なスピーカーの様に聴き心地が良い。

「人型も健在だ」
「しぶといな」
羽根のある石像は、同時に笑った。
そして、黒猫と白猫を見ると、
「で、猫ちゃんたちは、苔玉《こけだま》さまに会いに来たと言う事か?」
「にゃにゃ」
猫たちは鳴いた。

「苔玉さま?なんじゃそれ!」

「苔玉さま、それは人類より遥かに高度な知的生命体だ!」
石像たちは自慢げにハモった。

人類より遥かに高度な知的生命体。
宇宙にはそんな存在が多々存在している。
あの竜族もその一つだし、銀河連邦には理解すら不可能な存在も記録されている。

「でも・・高度な知的生命体の名前が【苔玉さま】って(笑)」
『あゆみの言いたいことは解る・・が、それ以上言うな!』



つづく




☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆…━━━━━・:*☆






機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。

【黒猫と白猫】人類と一緒にやってきた猫
【獅子の様な石像】石で出来た生命体?


【ソフィー】後の世の英雄のアンドロイド
【デューカ】ソフィーの相方
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