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第20話「今でも好きなあなた……なのに」
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「真弥ちゃん?」
放心状態になっていた私の顔を村川くんが覗きこんで、私は、はっと我に返った。
「あ、ごめんなさい」
「どうしたの? 大丈夫?」
「う、うん…」
「もしかして、さっきの人、真弥ちゃんが忘れられない人?」
「えっ?」
「僕のこと凄い見てたからさ」
「あ……」
「そうなんだね?」
私はコクンと頷いた。
「行ってきなよ」
「え!?」
「まだ好きなんだろ? 追いかけてきなよ」
「村川くん」
「ね? ふられたら、また僕のところに来てくれたらいいから。僕達、まだ友達だしね」
「……村川くん、ありがとう。ごめんね」
そして、私は村川くんの言葉に甘えて克己が去って行った方向へと向かった。
だいぶ走って探し回ったところで克己を見つけた。
克己は大学の近くにあるわりと大きな公園にいた。
その公園にあるベンチに座っていた。
「克己!」
「真弥……」
克己はベンチから立ちあがった。
「克己、どうして、私の通ってる大学に来たの?」
「もう真弥に心配かけない状況が整ったから、真弥を迎えに来たんだ」
「克己……」
「真弥はあの時、俺のためを想って、別れた、そうだと思ってたから」
「……私は私のために大変な想いを克己にしてほしくなかったの。だから、大好きだったけど、愛していたけど別れたの」
「うん、俺もさっき言ったように真弥はそれで俺と別れたんだって、ずっと思ってた。でも、あれから、時間が経って、まだ一緒にいたいと思っていたのは俺だけだったみたいだな」
「克己?」
「さっき一緒にいた人、真弥のいい人なんだろ?」
「違う……村川くんは…」
「でも、真弥のこと好きなんだろ?」
「…………」
「そして、真弥も今は好きじゃなくても、いずれは好きになろうと思ってたんだろ?」
「克己……」
「そうだよな。もう別れてだいぶ経ったんだ。まだ俺のことを想ってくれてるなんて、虫がよすぎるよな」
「克己、私は今でもあなたが好きだよ!」
「……でも、もう真弥は別の奴を好きになろうとしてたんだろ?」
「!」
「ごめん。変なこと言って。そして、色々、嫌な想いもさせてごめんな。でも、俺達、もうこれで本当に他人に戻ろう。いや、もう他人だったのに、俺が来てしまったばかりに気持ちを乱したのかも。ごめんな」
「克己!」
「さっきの人でも、他の人でもいい人みつけて、幸せになれよ」
そう言い克己は私に背中を向ける。
私は思わず克己に後ろから抱きついた。
「……克己、私、本当にあなたが好きなの。だから、こうして、追いかけてきたの」
「……ごめん。真弥。やっぱり、俺達は離れた方がいいって今日、会って思ったんだ」
克己はそう言い、私の腕を振り解き、私の目の前から去って行った。
放心状態になっていた私の顔を村川くんが覗きこんで、私は、はっと我に返った。
「あ、ごめんなさい」
「どうしたの? 大丈夫?」
「う、うん…」
「もしかして、さっきの人、真弥ちゃんが忘れられない人?」
「えっ?」
「僕のこと凄い見てたからさ」
「あ……」
「そうなんだね?」
私はコクンと頷いた。
「行ってきなよ」
「え!?」
「まだ好きなんだろ? 追いかけてきなよ」
「村川くん」
「ね? ふられたら、また僕のところに来てくれたらいいから。僕達、まだ友達だしね」
「……村川くん、ありがとう。ごめんね」
そして、私は村川くんの言葉に甘えて克己が去って行った方向へと向かった。
だいぶ走って探し回ったところで克己を見つけた。
克己は大学の近くにあるわりと大きな公園にいた。
その公園にあるベンチに座っていた。
「克己!」
「真弥……」
克己はベンチから立ちあがった。
「克己、どうして、私の通ってる大学に来たの?」
「もう真弥に心配かけない状況が整ったから、真弥を迎えに来たんだ」
「克己……」
「真弥はあの時、俺のためを想って、別れた、そうだと思ってたから」
「……私は私のために大変な想いを克己にしてほしくなかったの。だから、大好きだったけど、愛していたけど別れたの」
「うん、俺もさっき言ったように真弥はそれで俺と別れたんだって、ずっと思ってた。でも、あれから、時間が経って、まだ一緒にいたいと思っていたのは俺だけだったみたいだな」
「克己?」
「さっき一緒にいた人、真弥のいい人なんだろ?」
「違う……村川くんは…」
「でも、真弥のこと好きなんだろ?」
「…………」
「そして、真弥も今は好きじゃなくても、いずれは好きになろうと思ってたんだろ?」
「克己……」
「そうだよな。もう別れてだいぶ経ったんだ。まだ俺のことを想ってくれてるなんて、虫がよすぎるよな」
「克己、私は今でもあなたが好きだよ!」
「……でも、もう真弥は別の奴を好きになろうとしてたんだろ?」
「!」
「ごめん。変なこと言って。そして、色々、嫌な想いもさせてごめんな。でも、俺達、もうこれで本当に他人に戻ろう。いや、もう他人だったのに、俺が来てしまったばかりに気持ちを乱したのかも。ごめんな」
「克己!」
「さっきの人でも、他の人でもいい人みつけて、幸せになれよ」
そう言い克己は私に背中を向ける。
私は思わず克己に後ろから抱きついた。
「……克己、私、本当にあなたが好きなの。だから、こうして、追いかけてきたの」
「……ごめん。真弥。やっぱり、俺達は離れた方がいいって今日、会って思ったんだ」
克己はそう言い、私の腕を振り解き、私の目の前から去って行った。
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