「行方知れずの恋」

愛理

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第26話「克己の彼女」

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    それから暫くして亜美が言いにくそうに克己くんに彼女ができたみたいだよと言った。
 大学から2人で帰っている時に。
 だけど私は亜美のその言葉に驚きはしなかった。
 克己にもうお互いに違う恋をしようと言われた時から、いつか克己には、私以外の彼女ができると思っていたから。
 でも、驚きはしないけれど、やはり悲しみはあった。
 克己にあんなにはっきりともう私とつきあうのは無理だと言われたんだから、私も違う恋へ向かおうとすればいいのに私の心やっぱりまだ克己への想いが沢山のままで。
 そして、亜美にそう聞いた少し後に私達は克己を目撃した。
 正確には克己と女性2人を。
 2人は駅へと続く階段を昇っていく所だった。
 克己と一緒にいるのは凄く可愛い女性だった。
 そして、にこにこしながら克己と話していた。
「最悪なタイミングだね。ごめんね」
 亜美が2人を見ながら言った。
 だから私は亜美に首を左右に振った。
「ううん、大丈夫だし教えてくれた方が良かったから。でも、今一緒にいる人が彼女なのかな。前は綺麗な感じの女性と2人で一緒にいるところを目撃したことがあるから。今いるのは凄く可愛い感じの人だから」
 私がそう言うと亜美は、
「うん、多分、今一緒にいる人が彼女だと思うよ。真弥、ごめんね。実は隠そうと思ってたことがあるんだけどやっぱり言うね」
「え?」
「……私ね昨日、見ちゃったんだ。克己くんが今一緒にいる人とキスしてるとこ。前も何人かでいる時にしてたけど、ああいう感じのとは違って、本当に恋人同士でするようなキスだったの」
 私は亜美のその言葉で頭を何かにぶつけたような衝撃を受けた感じがした。
 だけど私は、
「そっか。なら、もうやっぱり私は克己を忘れなきゃいけないよね」
 亜美に静かにそう言った。
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