「忘れられない人」

愛理

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第4話「信じられない出来事」

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  陸人が私を道で抱きしめて、去った日から、1週間後にまた私にとっては信じられない出来事が起こった。
  その出来事とは、陸人が出演するCMのイベントが5ヶ所で行われることになり、その全てのイベントで私が陸人の雑用係をすることになったからだ。
  君山課長からそのことを聞かされたて、すぐには驚きすぎて何も言葉が出なかった。
   だけど、少しして、やっとの想いで、
「な、何で私が佐山陸人さんの雑用係なんですか? 普通は佐山陸人さんの事務所の人がやるんじゃ……この間はその人がどうしても来れないから、私が代わりにそうなったんじゃないんですか?」
  そう言った。私のこの言葉に君山課長は、
「ああ、そうなんだけど、何か佐山陸人くんが森野さんにイベントの時に自分の身の回りの世話をやってもらいたいって、こっちに言ってきたそうだから」
  そう言った。
  私は君山課長が今、言ったことにさっき以上に驚いた。
  え? どういうこと?
  陸人が私を自分の雑用係に指名してきたってこと?
  でも、この間のCM撮影の時には少しだけ会話をしたものの、私に何も用事は言いつけなかったじゃない。
  それにCMが終わると私の方を見向きもしないでスタジオから出て行ったじゃない。
  私はそう思ったけど……でも、その後に、
  だけど、この前、何故か突然、私の目の前に現れて、私を抱きしめもした。
  あれは何? 
  そんなことも思って、私の心の中はまた複雑になった。
  だけど、社会人で、今はこの会社のこの組織図の中で働いている以上、個人的な感情で自分に回ってきた仕事を断ることはできないので、私は色々と複雑な想いを抱えながらも、君山課長に解りました、頑張りますと最終的にはそう返事をした。
  だけど、陸人、あなた一体、何考えてるの?
  私は君山課長のところから席に戻った後、そう心の中で呟いた。
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