「伝説を超える時」

愛理

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番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)

第6話「アンナの助言」

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  クラウスとラウルは次の日の朝、クラウスが呼んだリルラの背中に2人で乗り、エデック国を出発して、占い師、アンナのいる場所へと向かった。
「何だかクラウスとこんな風に鳥の背中に乗ったりしていると、4人でジェオスを倒す目的で一緒に冒険していた頃を思い出します」
  ラウルはクラウスの背中に掴まりながら、少し嬉しそうにそう言った。
  クラウスだけじゃなくて、ラウルも懐かしい仲間とまた会えて、そして、一緒に行動できるのは嬉しかったから。
「そうだな。何か懐かしいよな。もう随分、遠い日のことのように思うよ」
  クラウスが言った。
「ええ、そうですね」
  ラウルはそう言い、今度は少しだけ寂しそうな表情をした。
  そして、クラウスとラウルはアンナがいる場所へと到着した。
  アンナのいる館は相変わらず神秘的なオーラに包まれていて、また、アンナも前と一緒か、それ以上に神秘的なオーラを放っていた。
「あなた達がもう来られる頃だと思っておりました」
  アンナはクラウスとラウルを見た途端にそう言った。
  だから、クラウスとラウルは思わず顔を見合わせた。
「では、妻は……サリアの病の原因が何か解られるのですか?」
  ラウルは切羽詰まったようにアンナに言った。
「ラウル、あなたの妻、サリアは以前、ハート村に住んでいましたね。サリアは芯はしっかりしていて、凄く優しい人でもあります。そして、その優しさは人間以外にも向けられていました」
  アンナがラウルの方を真っ直ぐに見ながら言った。
「人間以外?」
  ラウルは不思議そうにそう言った。
「そうです。ハート村の近くには恐らく、動物が暮らす森があるはずです。そして、今、その森で何か非常事態が起こっているように思います。サリアの病の原因はその森にあると思われます」
「つまり、その森で暮らす動物達に何かあって、その動物達の想いがサリアに伝わって、サリアが病に侵されてるっていうわけか?」
  クラウスが言った。
「そうです。その森に行き、動物達や森の状態を見てきてください。後、以前、あなた達と行動を共にしていたリンナもその森に連れていってください。彼女は恐らく、動物達や森の想いを読み取れるはずです。そして、そうすることでサリアの病の原因やサリアの病がどうすれば治るのかも解るでしょう」
  今度はクラウスの方を真っ直ぐに見て、アンナが言った。  
「リンナを?」
  クラウスが言った。
「ええ、そうです。恐らく、彼女を連れていかないといつまで経っても、サリアの病の問題は解決しないでしょう」
  アンナがさっきよりも少し強い口調で言った。
「解った。アンナ、あんたのところに来て、良かったよ。ありがとう。じゃあ、ラウル、今度はリンナのところへ行こう。リンナは俺がスカイ国を出て来る時はスカイ国にはいなかったし、近いうちに帰ってくるという話も聞かなかったから、きっと今はカーゴ村にいるはずだ。だから、カーゴ村に急いで向かおう」
  クラウスがそう言った後、ラウルは大きく頷き、そして、2人はアンナの館を出た後、再びリルラの背中に乗って、今度はカーゴ村へと向かった。    
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