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番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)
第9話「森の中へ」
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次の日、クラウスとラウルとリンナは朝食を食べてすぐに出かける用意をして、マーシャに行ってきますと挨拶をして、またリルラを呼び、目的地の森へと出かけた。
目的地の森の出入口前でリルラは3人を降ろし、また空高く飛んでいった。
「何かこの森から異様な雰囲気がするよな」
森の出入口の前でクラウスが言った。
「ええ、そうですね。何だかどろどろした感じです。世界が平和になってから、こんな風に感じる場所は初めてです」
ラウルが言った。
「きっと森の中で良くない何かがあるのだと思います」
リンナが言った。
「とにかく森の中に入ってみよう。ここで何だかんだと話してても仕方ないからな」
クラウスの言葉にラウルとリンナは頷いた。
そして、クラウスとラウルとリンナは森の中に入っていった。
森の中に入るとより一層、異様な雰囲気が漂ってきた。
すると少し進んだところで、身体全身が汚れた兎が倒れていた。
その兎を見てリンナは急いで兎の所へ行き、兎を抱きあげた。
そして、リンナは自分が持っていたハンカチで兎を優しく拭いてやった。
すると兎はだいぶ白くなってきたので、この兎は白い兎だということが解った。
兎は息はしているものの、ぐったりしていて目も綴じてしまっていた。
だけど、リンナが兎に自分の手をそっと当てて暫くすると兎はぱっと目を開けた。
そして、まんまるい目でリンナを見つめる。
クラウスとラウルはリンナがヒーラーであることが解っているので兎が元気になっても驚きはしなかった。
勿論、ファル同様、リンナが持っているヒーラーの力は世界平和になった今は使うことに制限があるのだけれど。
リンナは兎に優しく微笑みかけた。
すると兎はリンナの腕の中から飛び出し、兎にしてはあまり速くないと思われるスピードで走りだした。
だけど、そんな兎を見ていた3人の方を振り返って立ち止まった。
「多分、あの兎さんは私達に一緒に来てほしいと思っています」
リンナが言った。
「え? そうなのか」
クラウスが言った。
「ええ。恐らく、この森の異様な雰囲気の原因を知っているのだと思います」
リンナが言った。
「そうか。じゃあ、あの兎についていこうぜ」
クラウスが言った。
「ええ、そうしましょう。ラウル、あの兎さんについていけば、もしかするとサリアさんの病気の原因も解るかもしれません」
リンナが言った。
「ありがとうございます。だとしたら凄く嬉しいです。だけど、まずはこの森全体を救わなければいけません。きっと今一緒にいる兎のように他にも傷ついた動物、あるいは植物などがまだきっと沢山いるはずですから」
ラウルの言葉にクラウスとリンナは頷き、
「とにかく先を急ごうぜ」
クラウスがそう言って足早に兎のところまで行ったので、ラウルとリンナも急いでクラウスと兎のところへと行った。
すると兎はぴょんぴょんと2回、何処となく嬉しそうに飛び跳ねてから、3人を誘導しながら森の奥深くへとあまり速くないスピードで走っていった。
そして、クラウス、ラウル、リンナは兎に案内された森の一番奥深くへと辿り着いた。
目的地の森の出入口前でリルラは3人を降ろし、また空高く飛んでいった。
「何かこの森から異様な雰囲気がするよな」
森の出入口の前でクラウスが言った。
「ええ、そうですね。何だかどろどろした感じです。世界が平和になってから、こんな風に感じる場所は初めてです」
ラウルが言った。
「きっと森の中で良くない何かがあるのだと思います」
リンナが言った。
「とにかく森の中に入ってみよう。ここで何だかんだと話してても仕方ないからな」
クラウスの言葉にラウルとリンナは頷いた。
そして、クラウスとラウルとリンナは森の中に入っていった。
森の中に入るとより一層、異様な雰囲気が漂ってきた。
すると少し進んだところで、身体全身が汚れた兎が倒れていた。
その兎を見てリンナは急いで兎の所へ行き、兎を抱きあげた。
そして、リンナは自分が持っていたハンカチで兎を優しく拭いてやった。
すると兎はだいぶ白くなってきたので、この兎は白い兎だということが解った。
兎は息はしているものの、ぐったりしていて目も綴じてしまっていた。
だけど、リンナが兎に自分の手をそっと当てて暫くすると兎はぱっと目を開けた。
そして、まんまるい目でリンナを見つめる。
クラウスとラウルはリンナがヒーラーであることが解っているので兎が元気になっても驚きはしなかった。
勿論、ファル同様、リンナが持っているヒーラーの力は世界平和になった今は使うことに制限があるのだけれど。
リンナは兎に優しく微笑みかけた。
すると兎はリンナの腕の中から飛び出し、兎にしてはあまり速くないと思われるスピードで走りだした。
だけど、そんな兎を見ていた3人の方を振り返って立ち止まった。
「多分、あの兎さんは私達に一緒に来てほしいと思っています」
リンナが言った。
「え? そうなのか」
クラウスが言った。
「ええ。恐らく、この森の異様な雰囲気の原因を知っているのだと思います」
リンナが言った。
「そうか。じゃあ、あの兎についていこうぜ」
クラウスが言った。
「ええ、そうしましょう。ラウル、あの兎さんについていけば、もしかするとサリアさんの病気の原因も解るかもしれません」
リンナが言った。
「ありがとうございます。だとしたら凄く嬉しいです。だけど、まずはこの森全体を救わなければいけません。きっと今一緒にいる兎のように他にも傷ついた動物、あるいは植物などがまだきっと沢山いるはずですから」
ラウルの言葉にクラウスとリンナは頷き、
「とにかく先を急ごうぜ」
クラウスがそう言って足早に兎のところまで行ったので、ラウルとリンナも急いでクラウスと兎のところへと行った。
すると兎はぴょんぴょんと2回、何処となく嬉しそうに飛び跳ねてから、3人を誘導しながら森の奥深くへとあまり速くないスピードで走っていった。
そして、クラウス、ラウル、リンナは兎に案内された森の一番奥深くへと辿り着いた。
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