「伝説を超える時」

第２部「最高の力を手に入れる為に」

第５話「再会」

    ファルとリリカは早朝にアール村へと向かった。
　そして、ここはアール村。
　アール村はとても立派な村だった。
「でかい村だな」
　ファルが言う。
「ええ。この辺りじゃ一番大きな村なの」
　リリカが言う。
「そうか。港もあるんだな」
「ええ」
「まあ、とにかくリンナを探さないと」
「じゃあ宿屋に行きましょう。リンナさんがいるかもしれないし」
「そうだな」
　そして、ファルとリンナは宿屋に行った。
「宿屋も立派だな」
　ファルが感心したように言った。
「ええ、凄く立派でしょ。でも、意外と安い値段で泊まらせてくれるのよ。さあ、そんなことより中へ入りましょう」
　そして、２人は宿屋の中へ入った。
「すいません、ここにリンナという女性が来ませんでしたか？」
　リリカが宿屋の女主人に尋ねる。
「ああ、来ましたよ。今、２階に泊ってるよ」
「ありがとうございます。少し尋ねさせて頂いてもいいですか？」
「ああ、ご自由に」
　そして、ファルとリンナは２階へと昇った。
　部屋は沢山あったけれど。先程、女主人にどの部屋かリリカがしっかり聞いておいたので、問題はなかった。
「ここだわ」
　リリカが言った。
　コンコンとリリカがノックする。
「はい」
　それはファルが凄く聞き慣れた声だった。
「リンナ？　俺だよ。ファル」
「ファル？」
　弾んだような声が聞こえたと同時にドアが開いた。
　そこにはまさにリンナがいた。
「リンナ！」
「ファル！」
「良かった。無事で」
「ファルも。でも、話があります。入ってください」
　リンナは嬉しそうな顔から一転して深刻な顔になった。
　ファルはそんなリンナを見て、ただごとではないなと思った。
　そして、ファルとリリカは部屋に入った。
「そちらの方は？」
　リンナが言う。
「リリカっていうんだ。俺を助けてくれたんだ」
「そうですか。ありがとうございます。おかげでファルと無事再会することができました」
「いいえ。私は何も」
「それより、リンナ、話って？」
　ファルがそう言った後、ファルはあることに気付いた。
　そこにはラウルがいたのだ。
　ベッドの上で苦しそうにしている。
「ラウル！」
「……この症状はもしかして」
　リリカが言った。
「えっ？」
　ファルはリリカの方を向く。
「私のお父さんと同じ病気の症状だわ」
　リリカが言う。
「本当か！」
「ええ」
「……そうなんですか。じゃあ、どうすれば」
　リンナが言う。
「その病気に効く薬草があるらしい。クラウスを探して３人で山に採りにいこう」
「そうね。でも、クラウスが何処にいるのか、手がかりが全然つかめないの」
「……そうか。じゃあ、仕方ない。いちかばちか俺とリンナの２人で採りに行こう。クラウス探しはラウルが回復してからだ」
「じゃあ、とりあえず、２人とも私の家に泊って下さい。栄養のあるものをたっぷりと作りますから」
　そして、ファル、リンナ、リリカの３人はリリカの家へと向かった。