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第39話「完全に別々の道へ」
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俺は大学2年生になる前の春休みに1人暮らしをするための1LDKのマンションに引っ越した。
実家の最寄りの駅から昇りの電車で3つ目の駅から歩いて約7分くらいの場所にそのマンションはあった。
勿論、実家には帰るつもりだけど、なるべく長い休みは美香への想いが完全にふっきれるまであまり帰らないでおこうと思っていた。
美香とはあれからもう1度だけ美香が正月に実家に帰ってきた時に会った。
そして、少しだけ話をする中で美香はもう完全に俺から気持ちが離れたことを悟った。
だから、早く1人暮らしをしたかったんだけど、思ったよりも自分が住みたいと思う物件探しが難航して今になった。
でも、大学2年生になる前には1人暮らしをしたかったから、良かったといえばよかったんだけど。
これで俺もやっと本当に新しい気持ちで美香とは違う道へ進める。
俺はさっき綺麗に片付いたばかりの1人暮らしの部屋を眺めながらそう思った。
当分、俺は恋なんていいけど、でも、美香は今、一緒にいる奴でも他の奴でもいいから、美香のことを本当に大切にしてくれる人と幸せになって。
俺はそう思いながら、そろそろこれからの自分のことも本当に考えていかないといけないなと思っていた。
1人暮らしを始めてから、俺はこれから自分がどう生きたいかを考えて、やっぱり、パソコンにがっつり関係する会社に就職しようと決め、前よりも、もっとパソコンの勉強をし始めた。
すると月日が経つのがもの凄く早く感じて、気がつけばもう6月になっていた。
「本田は夏休みどうすんの? どっか行くの?」
瀬戸が言った。
今、俺と瀬戸はまた一緒に食堂で昼飯を食べていた。
「いや、多分、今年はバイト三昧かな。瀬戸は勿論、彼女に会いにいくんだろ」
俺と違って瀬戸は遠距離恋愛を今もちゃんと続けている。
ちなみに瀬戸の彼女も大学生で京都にいる。
高校生からの同級生で2年生の頃からつきあっていて、彼女がどうしても京都の大学へ進みたいと言って、遠距離恋愛をすることになったらしい。
だから、美香とつきあっていた時は同じ近畿圏内にお互いに彼女がいるということでも盛りあがったこともあった。
「ああ、まあな。夏は京都では色々なイベントがあって、花火大会に行きたいって由梨が言うから、それに合わせて京都に行くことにした」
「そっか。いいな」
俺はそう言った後、そういえば去年は自分も大阪に美香に会いにいって、USJの帰りに花火を美香と一緒に見たなということを思い出した。
あの時、花火の儚さを感じながら、だけど、美香と一緒にいたからとても幸せで。
そして、この花火を美香と一緒に見たことをずっと忘れないとも思っていて。
でも、それはあの時は美香とずっと一緒にいれる未来を信じていたからで。
俺はそう思うと切なくなった。
もうきっとあんな風に一緒に美香と花火を見たりすることもないだろうから。
ああ、駄目だな。
せっかく忙しいのをいいことに少しずつ美香への想いを忘れかけていたのに。
不意にこうして鮮明に美香とのことを思い出してしまう。
もう俺と美香は完全に別々の道を歩いているというのに。
美香はもう俺のものには絶対にならないというのに。
俺はそう思うと堪らなくなってきたけど、瀬戸の手前何でもないように振る舞って、今は瀬戸から瀬戸の彼女の話を聞くことに集中した。
実家の最寄りの駅から昇りの電車で3つ目の駅から歩いて約7分くらいの場所にそのマンションはあった。
勿論、実家には帰るつもりだけど、なるべく長い休みは美香への想いが完全にふっきれるまであまり帰らないでおこうと思っていた。
美香とはあれからもう1度だけ美香が正月に実家に帰ってきた時に会った。
そして、少しだけ話をする中で美香はもう完全に俺から気持ちが離れたことを悟った。
だから、早く1人暮らしをしたかったんだけど、思ったよりも自分が住みたいと思う物件探しが難航して今になった。
でも、大学2年生になる前には1人暮らしをしたかったから、良かったといえばよかったんだけど。
これで俺もやっと本当に新しい気持ちで美香とは違う道へ進める。
俺はさっき綺麗に片付いたばかりの1人暮らしの部屋を眺めながらそう思った。
当分、俺は恋なんていいけど、でも、美香は今、一緒にいる奴でも他の奴でもいいから、美香のことを本当に大切にしてくれる人と幸せになって。
俺はそう思いながら、そろそろこれからの自分のことも本当に考えていかないといけないなと思っていた。
1人暮らしを始めてから、俺はこれから自分がどう生きたいかを考えて、やっぱり、パソコンにがっつり関係する会社に就職しようと決め、前よりも、もっとパソコンの勉強をし始めた。
すると月日が経つのがもの凄く早く感じて、気がつけばもう6月になっていた。
「本田は夏休みどうすんの? どっか行くの?」
瀬戸が言った。
今、俺と瀬戸はまた一緒に食堂で昼飯を食べていた。
「いや、多分、今年はバイト三昧かな。瀬戸は勿論、彼女に会いにいくんだろ」
俺と違って瀬戸は遠距離恋愛を今もちゃんと続けている。
ちなみに瀬戸の彼女も大学生で京都にいる。
高校生からの同級生で2年生の頃からつきあっていて、彼女がどうしても京都の大学へ進みたいと言って、遠距離恋愛をすることになったらしい。
だから、美香とつきあっていた時は同じ近畿圏内にお互いに彼女がいるということでも盛りあがったこともあった。
「ああ、まあな。夏は京都では色々なイベントがあって、花火大会に行きたいって由梨が言うから、それに合わせて京都に行くことにした」
「そっか。いいな」
俺はそう言った後、そういえば去年は自分も大阪に美香に会いにいって、USJの帰りに花火を美香と一緒に見たなということを思い出した。
あの時、花火の儚さを感じながら、だけど、美香と一緒にいたからとても幸せで。
そして、この花火を美香と一緒に見たことをずっと忘れないとも思っていて。
でも、それはあの時は美香とずっと一緒にいれる未来を信じていたからで。
俺はそう思うと切なくなった。
もうきっとあんな風に一緒に美香と花火を見たりすることもないだろうから。
ああ、駄目だな。
せっかく忙しいのをいいことに少しずつ美香への想いを忘れかけていたのに。
不意にこうして鮮明に美香とのことを思い出してしまう。
もう俺と美香は完全に別々の道を歩いているというのに。
美香はもう俺のものには絶対にならないというのに。
俺はそう思うと堪らなくなってきたけど、瀬戸の手前何でもないように振る舞って、今は瀬戸から瀬戸の彼女の話を聞くことに集中した。
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