愛してると伝えるから

さいこ

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DV彼氏

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   瀧が妹を疑われて気分が良くないのは分かる

   
   あの時、黙って瀧の言うことを聞いてやることも出来たはずだから
   そうしてやらなかった俺の性格が悪かったってことだ

   
   藤原を完全に信用しているわけじゃないが
   あいつは大人の女にしか手を出さない

   俺も含め店を構えて商売をしているような人間が、無理な遊び方をするだろうか

   明らかに女を騙してセックスをするような…

   
   「今夜だけ」「今日だけは」…まぁ藤原がなんて言って口説いたかなんて考えたくもないが、そういう意味合いの断りを交えつつのお誘いをしたんじゃないかと思うし

   妹だってそういう大人の男女の駆け引きを理解できない年齢ではないだろう
   
   きっとセックスの後、藤原が降りたから妹はゴネたんだろうが降りた者は戻ってこない
   男と女なんてそんなもんだ…

   そもそも大人同士の色恋なんて他人が噛む必要はないだろ
   
   俺は妹も居ないし性格もドライなのかもね
   瀧にも嫌われちゃったかな…




   「なぁ、お前セックスしてる?」

   波多野に聞いてみる

   「溜まってるんですか?」

   最近返しがどぎついなぁお前は…
   最初は緊張してさぁ、もっとこう可愛かったんだけどなぁ


   「そうじゃねぇよ、お前の性事情を聞いてるんだよ俺は」

   「2人ほどセフレが居ますけど」

   えっ!波多野くんやだ…
   彼女じゃなくてセフレって!!

   「彼女は要らないんだ?」

   「要らないですね、自分のことやりたいんで」

   はぁ…そうだった、こいつはそういう賢い考えの人間だよな最初から


   「マスター最後にセックスしたのいつですか?」

   「…5日前?」

   「ちなみに俺は今日の朝です」


   ………!!!!!

   朝からその…セッ、セックスしちゃうの?
   波多野くん、そんな顔して結構ワイルドじゃん!


   「…可愛い顔して、オスなんだなぁ~」

   「なんなんですか?性の悩みですか?」

   40にもなるおじさんに向かって性の悩みって言うかねぇ普通…
   まぁでもセックスの相手を無くしたんだからある意味性の悩みか


   
   そうしてこの日も営業を終えた

   部屋に戻って風呂に入る
   波多野は今日の朝かぁ…

   俺も少し気合いを入れようと、シャワーを頭から浴びながらナニを握って目を閉じた


   洋子さんはいつもえっちな下着をつけていた
   俺に見せるために用意してたのかもしれない…

   キスをして、耳元で甘い言葉を囁いて、それだけで洋子さんは体に力が入らなくなる

   …んん、あぁ…キタキタ…

   
   ブラの中に指を滑らせると、俺の指がその先端に触れるたびに気持ちよさそうな声を漏らす

   「はぁ…あ~、気持ちいい…洋子さん…」


   …それからスカートの中にも指を忍ばせて下着の上からそこを撫でると、もう濡れて…

   「んっ、はぁっ…あ…」

   俺は自分のモノを濡れたソコに…ねじ込む

   「…んんっ…洋子、さん…」



   …は?!どういう意味で言ってんの…!


   「あぁっ、瀧っ…んっ?!!」



   …え?


   …お前…かよ…



  「…はぁ、はぁっ…あ~~…」


   自分でぶちまけた体液をシャワーで流す
   瀧でフィニッシュ…って…

   なんでだよ…(怒)

   
  
   酒を飲みながらベランダに出た
   煙草に火をつける

   俺、瀧と喧嘩したのがそんなにショックだったのかなぁ…

   それとも、あの気持ちいい夢が脳のどっかで尾を引いてるのか

   「ははっ…瀧が聞いたら面白がるだろうな」


   ほんと俺もなんなんだろうな
   
   瀧もこうして俺の事考えたりしてるかな…



   ーーー



   ピンポーン…ピンポーン…

   
   ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…


   …ん、うちのインターホン…?鳴ってんの…

   すいません寝てます…



   ピンポーン…ピンポーン…

   
   おい…もう鳴らすなって…寝てるから…


   ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…


   「…クソがぁ!」

   俺は怒りで起きた
   その勢いでインターホンに出る

   「…はい」



   「一条さん…俺」

   は…瀧…?

   
   「…なんだよ、寝てんだよ俺は」

   「ごめん、ちょっとだけ話出来ない?」

   お前が怒って飛び出して行ったのに
   またお前の都合で話せるかって?

   「やだね、俺は寝るからじゃあな」

  そう言って切ってやった…


   そうやって、なんでもお前のタイミングで事が運ぶと思うなよ

   時計を見れば11:00…
   こんな時間にお前の勝手で起こされて

   せっかくの休みが台無しだよ


   俺は寝室からスマホを持ってきてベランダに出た

   煙草に火をつけてスマホを開く
   瀧からのメッセージがあった

ーーー

   こないだは怒鳴ったりしてごめん
   一条さんと喧嘩なんてしたくないから謝る機会をください

   起きたら連絡ください、待ってます

ーーー

   DV彼氏からのメッセージかよ…

   しかも俺が起きるのは13:00~15:00だよ
   全然待ててねぇから

   人を叩き起しやがって…



   べつに俺は怒ってるとか、そういうのはない
 
 多少前回は瀧に余計なことを言ったってゆーか、そういう気まずさがちょっとあるだけだ

   でも正直、なんでもあいつのペースでゴリ押しだけはされたくないと思ってる


   けど、謝りたいって…

   俺もどうかしてるよ…



   「…まだ居座ってる?」

   俺はインターホンをエントランスに繋いだ


   「…一条さん?!いるいるいる…!」

   「静かにしろ!」

  オートロックを解除して通話を切った


    
   少し待つとドア前のベルが鳴った
   俺は玄関を開けて何日ぶりかで瀧の顔を見た
   
   「一条さん、あの…」
 
   「今珈琲入れるから待ってろ」

   瀧はすぐにでも話をしたそうだったが黙らせた…
 俺は結構大人げ無いんだろうな


 
 「とりあえず飲んで…それから話せ」

 「…はい」

 瀧はミルクを入れた珈琲をしばらく黙って飲んでいた
 こうして瀧の生意気そうなツラを直接見れば、べつに話なんて要らない気もした

 
   「…もう話してもいい?」
      
 俺の視線が痛かったのか、そう確認をする瀧

 「どうぞ」



 「あの、こないだは怒ったりして…すいません」

 「…深夜にデカい声出すからクレームが来ないかヒヤヒヤしただろうが」

 「で、許してほしいので…直接謝りたくて…」

 こいつはなんだ?
 嫌気がさしてたら今日なんてまず部屋に入れてないだろ

 それをいちいち言葉で「許した」とか「許さない」とか確認しないとお分かりにならない感じか?


 「…じゃあその許して欲しいってのが話か?」

 「一番は…そう、それを謝りたかった」

 「なに?一番って…」 

 「まだ話したいことあるけど、いいの?」

 
 続いて瀧は妹の話を始めた


 「あの時一条さんにやめとけって言われて…」

 あの時、妹を泣かせた男を探してカチコミに行く勢いだった瀧

 でも俺はそれを「やめとけ」と言った
 

   なぜなら、妹さんは遊びの駆け引きを知っている年齢だったから

 その男を自分の思うようにできなかったから、きっとお兄ちゃんには適当に盛って愚痴を聞かせたんだろう

 妹の話を鵜呑みにして激高したピュアな瀧…
   可愛いじゃないか


 瀧がカチコミに行って藤原を詰めたところで、彼に嫌な顔をされて終わりだろう 

 なんなら営業中の店内で騒げば、威力業務妨害で瀧のほうが訴えられて前科者になるところだ

 そういうことを総括しての「やめとけ」だったってわけだ

  

 まぁ今思えば、せめて「やめとけ」の理由は伝えとくべきだったよな

   

   


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