神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

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レッタさんからの聞き取り開始

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「あぁ、今リク様のお飲み物の用意をいたしますねぇ」
「駄目、このままこうしているのー」

 俺が座ると共に、飲み物を用意するため立ち上がろうとするリネルトさんと、それを引き留めユノ。
 完全に見た目通りの所作になっているけど、創造神様がそれでいいのだろうか?
 まぁ、ユノも甘えたい時くらいはあるのかもしれないし、ロジーナはそうでもないけどユノは見た目の年齢に性格が引きずられているところがあるみたいだからな。

「……ユノが本気で甘えていますね。あぁリネルトさん、飲み物は大丈夫ですからこのままで」
「わかりましたぁ。――ユノちゃんは甘えんぼさんですねぇ、よしよし……」
「ふにゃぁ……」

 喉が渇いているわけでもないため、リネルトさんの申し出は断ってそのままユノの相手をしてもらう事にする。
 再びユノの頭を撫でるリネルトさんだけど……ユノがとろけそうな声と表情を。
 見た目の年齢とか、甘えたい時もなんて考えたけど、子ども扱いされる事に対してユノは激しく抵抗するのに、ルジナウムのギルドマスターのノイッシュさん相手の時とか。
 それなのに、リネルトさんには素直に甘えるなんてなぁ。

 リネルトさんの和み時空、恐るべし。
 この和み時空を広めたら、世の中争いが全てk言えるんじゃないか? なんて余計な事を考える。

「これが私と表裏一体の存在なんてね……本当に子供じゃない。はぁ」

 ユノの様子を見て溜め息を吐くロジーナ。
 横から、指をちょっと持ち悪くうにょうにょさせているレッタさんが手を伸ばすが、それをパシッと叩き落すのは忘れない。
 レッタさん、入ってきた俺の事よりもロジーナに執心のようだけど、これで本当に落ち着いていると言えるのだろうか?
 まぁ魔物達が囲む中で会った時のように、ロリコン扱いされるよりはマシか。

「とにかく、リクが来たって事はレッタと話しに来たんでしょ? さっさと話しなさい。――レッタも、私に構っていないで話せる事は話すのよ」
「うぅ、ロジーナ様を抱き締めていた方が、私が落ち着くのですが……わかりました、諦めます。――それで、リクだったわね。変な誤解をしていて悪かったわ」
「あぁ、えっと……はい」

 ロジーナに言われて渋々ながらも、俺に顔を向けたレッタさん。
 すぐに座ったままではあるけど頭を下げて、俺に謝罪の意を示した。
 おや? 想像では何か言われると思っていたんだけど、やけにおとなしい。

「……リクが不思議がるのも無理はないけど、害意のない相手や帝国のボンクラ以外にはこんなものよ。初めて会った時も、そうだったでしょ?」

 俺が表情に出してしまっていたのか、ロジーナがフォローするように言う。
 そしてついに、帝国の現皇帝になったらしいあれがボンクラ呼ばわりになった。
 特にこの場でそれを咎める人はいないけど。

「まぁ、言われてみれば」

 乗合馬車で会った時は、まぁロジーナの画策ではあったみたいだけど、レッタさんは落ち着いた雰囲気の女性だった。
 あれが素に近いのなら、今の様子も頷けるか。

「リクが来る前に言い含めていたのもあるし、今の状況は元を辿ればレッタが原因でもあるんだけどね」

 ボソッと呟くロジーナだけど、聞こえているから。
 向かいに座る俺に聞こえるって事は、隣にいるレッタさんだけでなくリネルトさんやユノにも聞こえているわけで、あまり小さく言った意味はなさそうだ。
 レッタさん、責められている気がしたのか体を震わせていたし。

 とはいえ確かに、言い含めたのはいいとしてもセンテの現状は、レッタさんが暴走した結果とも言えるからね。
 ともあれ、起きてしまった事を今とやかくいう場面ではないし、レッタさんに責任を問うのは俺の役目じゃないからね。

「私が今こうなっているのは、リクのせいだけど……」
「ははは……まぁそれは置いておいて」
「……結構重要な事なんだけどね」

 ロジーナが今人間の体を持ってここにいるのは、俺と戦った時の影響らしいけど……意識的にやった事じゃないので、追及されても困るからね。
 ジト目で俺を見るロジーナをスルーして、レッタさんとの話に戻る。

「えっと、レッタさんの事は大体ロジーナから聞きました」
「そう。ロジーナ様から窺ったのであれば、私が言う事は何もないわ。でも、それなら私は何を話せばいいの?」
「ロジーナから聞いたのは、ほとんどがどうしてレッタさんが帝国に協力しているか、魔物を使っているのかなどに関してです。俺達が知りたいのは、その帝国内部の情報とかですね」

 レッタさんの過去に関しては、もうロジーナから聞いたし蒸し返して何度も聞きたい話でもないので、本人から聞く必要はない。
 思い出すだけで、色々な感情が沸き上がって来るような話だし。

「帝国内部の情報ねぇ。軍部に関しては私は関与していないから、あまり話せないわよ? どうせ、帝国との戦争に備えて情報を引き出したいんでしょうけど」

 確かに戦争に有利になるような情報を、という期待もないわけじゃなかった。
 ロジーナはレッタさんとしか直接関りを持っていなかったみたいだし、帝国に関して詳細な情報を持っているのは今のところ、近くにはレッタさんしかいないからね。
 だけど、俺が知りたいのはそういう事じゃない……いや、軍部の情報とやらも重要ではあるし、また後でシュットラウルさんとかから同じように質問されるかもしれないけど。

「興味……とは違うんですけど、そもそもにどうして帝国は今のように魔物をけしかけるようになったか……」

 これも一応、ロジーナからの話で戦力差を覆すため、という予想で大体あっていると思うけど。
 とりあえずの確認だね。

「他に、レッタさんが所属している組織に関してとか、とにかく帝国の情勢などについて知っている事を教えて欲しいんです。俺達は、現在の帝国がどうなっているのか、知りませんから」

 俺は過去の帝国も知らないけど、それはともかくだ。
 あと、ハーロルトさんが帝国の情報収集をしているから、レッタさんから得られる情報と重複するかもだし、姉さんは俺達以上に情報を得ているかもしれないけどね。
 一応、レッタさんから情報を得る事も、情報の正しさを裏付けるためとかで必要なはずだ。

「……ロジーナ様からは、知っている事があれば全部話せと言われているし、それが私ではなくロジーナ様のためであるのならば、話す事に躊躇いはないわ」
「ありがとうございます」

 ロジーナが言ってくれたからだろう、レッタさんが協力的になってくれているのはありがたい。
 意識を乗っ取られる直前の様子からは、頑として口を閉ざす姿を想像していたけど……ロジーナへの信仰心? は考えているよりも強いのかもしれない。
 まぁ、想いが強いからこそ、切り札らしかったヒュドラーやレムレースを、センテにけしかけたのかもしれないけど。

「それじゃあまず……」

 リネルトさんと目配せをして、レッタさんに質問する形で話を進める。
 事前に、リネルトさんがレッタさんから引き出せれば、という情報をまとめてくれていたので、それに従ってだ。
 俺に重要人物と対面して、情報を引き出す能力とか、重要な情報を選別して聞き出すような事はできないし、慣れていないからね。
 こうして帝国の関係者を捕まえて面と向かって話すのは、ツヴァイとかクラウリアさんで少しだけ慣れてきたけど――。


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