1ページのない青春

罪と罰

ああ…！私は酷い人間だ！
醜い醜い…！私の心は醜い怪物が巣食っている…！


笑顔の裏に隠れた彼女の罪悪感。
ギャルに近い格好から、この想いに気付く人は居ない。
彼女は歩きながらスマホを弄っていると、ある情報を見つけた。

「罪と罰疑似体験？なぁにそれぇ？」


罪に見合う罰を与えられ、その人は罪を赦されるらしい。


「簡単な罪でも大丈夫？罪悪感を感じている人は是非？」


はっきり言ってそんな所に行く人は居ないと思うがそれでも、この女子高校生は後日その場所に向かった。
優しそうな女の人に連れられカプセルに入れられた。
真っ暗な世界に連れて行かれた。最新のVRだろう。
しかし、女子高校生は動く事が出来ない。
十字架に縛られている。女子高校生は抗う事はしなかった。
そこには、知っている人がいる。剣を持っている。
無言で突き刺してきた。


「ガアアァァァ！」


あまりの痛さに悶絶する。2本目も躊躇無く身体に刺さる。


「ウグゥゥゥゥ…！ハァ…ハァ！」


罪悪感が邪魔をして抗えない。これが自身の罰だと女子高校生は思った。


「アアアアアアア！」


既に5本は刺さっている。全く死ぬ気配が無い。



こんなにも痛いのに。何で死ねないの…！
助けて！ごめんなさい！私のせいなのに！そんな事言えない…！



「私が悪いの…ごめんなさい…イヤァァァァァ！」


精神が壊れそうだ。10本を超えてから痛覚が鈍った。


「グゥゥゥ…ごめ…んなさい…誰に言って……ごめ…ガァ…！」


誰に言っているか分からない。それでも謝らなければいけなかった。


「フゥ…フゥ…！貴方じゃない………謝るのは貴方じゃ…行かなきゃ…謝りに行かなきゃ…！早くどかしてよ！」


女子高校生は叫んだ。今から大事にしていたプライドを捨てに行かなければならない。
本当の罰が待っている。
女子高校生は叫び続けた。解放されるまで。