50 / 104
弐章・選ばれし勇者編
2-16 48 大地の涙・その他視点 魂への復讐
しおりを挟む
緋色視点
「はっきり言っていい?」
「どうぞ。」
「泣いていい?」
「駄目です。」
緋色と春斗が会話している。
既に緋色は後悔している。
「というかそもそも、樫妻先輩が悪いんですからね!朱の流星に聞きゃあ良かったんです!」
「いやぁ…………世界をやり直す事を知っていそうな人は大地の涙だったから……だって外の世界に行く前にあの人、私に魂に関する忠告したんだよね。」
「そんな事が…」
「私も知らなかった。…というか、3人とも戦ってるよ。」
「ほんとだー」
「おお………勝った…………」
「はや!」
「というか、そっちが駄弁ってたからでしょ。」
「まぁ…勝てるかなって。」
「それはそうだけどね?でも、見て?」
「ああ、あれが暗殺者トリオ。」
緋色はアナライズをして分かった。それにこの3人は強い。
個々でも強いのに、団体で来られたらたまったものではない。
「え…?ああ…まぁ、そうそう。暗殺者トリオなんだけど…このままアレが勝ち進むと……」
「………4回戦位に当たりますね………光達と。不安だ…………」
「実力としては多分大丈夫じゃない…?知らんけど。」
「…緋色先輩の言う通りなんですけど………光が…暗所恐怖症で…黒煙使われたら…………」
「あー…………そりゃあ光ちゃんが可愛そうねー…」
「でも、あの人達は、今のところ無能力者と同じ様に、基礎能力しか使ってませんよ?」
「春斗が暗殺者だったら途中死にかけても、それでも基礎能力しか使わない?」
「……使いますね。阿呆ほど使いますね。僕だったら。」
「私暗所恐怖症じゃないから分かんないけど…大変だろうね~…」
それに、簡単に2回戦も突破していった。
香露音視点
割と簡単に進んでいったが、3回戦は少々不安が残る。
しかし、ゆっくりと過ごす事は無理そうだ。
「……何か…可笑しくない…?」
「そうですね…」
緋色と春斗が異変に気付いた。
香露音も気配察知を使わずともその異変に気付く。
観戦席の警備員が物凄く慌てている。
耳を傾けると声が聞こえる。このときばかりは自分の耳の良さを褒めたい。
「此処は中の世界だぞ…?何で、モンスターが…!」
「分からんが、誰かが持ち込んだ可能性がある……!」
香露音は3人に聞いた内容を話す。
「仕方無いなぁ…モンスター討伐に行こ行こ…」
緋色は外の世界で見る目と変わる。
「どうせ、あの人達は仕事が早くて、外には簡単に出られないだろうし…」
緋色は言う。嫌な予感がする。しかし、香露音は一応聞く。
「…最上階から飛び降りるとか無いよね…?」
緋色は笑顔で言う。
「そうだけど?」
本当にこういうとびっきりの笑顔の時は何でこんなに頭のネジが外れた事を言うのだろう…?
しかし、これしかない。多分。最後の希望だ。鶴ちゃんに聞こう。
「…何か塞がれてない所ないの…?」
「…………」
黙って首を横に振る。仕方無い、飛ぼう。
という事で、屋上に来た。
「緋色が早いの…何で………」
「あそこの壊れかけの時計台あるじゃん…?あそこのでっかい時計のところで座ってたんだよ。そこに行くまでの道がアスレチックだった。」
「えぇ…」
見ると、モンスターがいる。
しかし、試験会場の外はもう既に避難が終わっている。
試験会場自体が避難場所でもあるので、出口が塞がれている理由だ。
「はい、いっくよー…」
緋色は棚見君と香露音の腕を掴む。
「嘘でしょ!?心の準備はさせてくれないんですね!?」
香露音は鶴ちゃんの腕を掴む。
「頑張ります…!」
「さんはーい!」
緋色は一気に飛び降りる。何で直ぐに出来るのか。
「死線誘導・蜘蛛の巣(大)!」
死線がネットの代わりになり、全員の衝撃を消した。
「僕、紐無しバンジー嫌すぎるんですけど…………」
もう遅い。
「文句は後に聞いてあげるから!いくよ!」
「…了解ですー」
渋々と剣を構える。
初めて見るモンスターだ。
うじゃうじゃいる訳でもないが、見るからに強そうなのが分かる。
「鶴ちゃん、いける?」
「勿論……です…!」
4人は、武器を構え戦い始めた。
大地の涙視点
1週間後の約束の日が来た。
かつて、謎の建物と中の世界とを繋がった扉。
オンボロの壊れかけた時計台へと向かう。
「フフ…そこが全てだったわね。」
あの日からずっと似合わぬ服を着た。
得意でも無いメイクをし始めた。
鬱陶しくて結っていた髪を降ろしている。
気持ち悪い様な喋り方もし始めた。
「……此処に来るのは久し振りね。」
いちいち降りるのが面倒臭い。
それにいつ崩れるかわからないが、それでもこっそりと登ろうとする人達が居るのはこの景色に魅入られているからだろう。
「…………別に、無償で死神について教えても良いのよ、緋色さん?」
しかし、それをしなかったのには理由がある。
「どうせ………また繰り返すわ。その時の敵は…モンスターじゃない。………私よ。大地の涙よ…!」
すると、その時計台からもう一人の自分が出てきた。
後ろには扉がある。この私は、あの建物の中に入った自分だ。
「やっぱり……私はあの建物をある程度扱えるのね。」
「………私を利用するなんて…さすが私ね。」
「良いじゃない。どうせ私も外の世界行くわ。」
「フン。だから何よ。」
もう一人の大地の涙の後ろからモンスターが溢れていく。
「沢山拾ったわね…」
「洗脳しまくったわ。あとは貴方の使いようよ。」
モンスターを街に解き放つ。
もう既に通報している。試験会場も今は封鎖状態だ。
あの4人はどうにかしてモンスターを討伐に来る。
そこを狙う。
もう一人の大地の涙は既に帰ったようだ。扉はもう無い。
「緋色さん…?この理不尽から戦ってみなさい。決意を私に見せて?」
以前、息子の開眼させる為に必要かと思い必殺型を作った。
形にしたが、結局、上手い事にならず、息子さえも洗脳してしまった。
だから、息子が死なない世界線では初めてだろう。
必殺型のブーストを使うのは。
「貴方の周りの誰一人死なない世界線。……その時を待っているわ。……絶対に今回じゃ終わらない。………だって貴方達は…!弱いもの。」
それだけじゃあ足りない。
確かに強いのかもしれない。
それでも足りない。
これで、大地の涙である、私が勝てばそれまでの事。
その先は絶対に進まない。
「もう一度…狂ってやるわ!!何度でも!そして教えてあげる…!何度でも…!」
この先は地獄だと。
洗脳される恐怖を。
洗脳できない屈辱を。
その綻びにある破滅を。
「タイムリミットは1時間。私のブーストは耐久出来るように作ってる。それまでに!私の洗脳から勝ってみなさい!洗脳式・魂への復讐!!!」
世界の色が変わっていく。私の手からガスの様なものが噴射されていく。
「モンスター達?樫妻 緋色、羽柴士 香露音、五十嵐 鶴、棚見 春斗。この4人だけ攻撃しなさい。それ以外、一瞬でも触れたら自決しなさい。」
このブーストの発動対象は今のところこの4人だけ。
あとから、この人達の味方をするのであれば同じ事をする。
「一気に洗脳に畳み掛ければ、洗脳出来るかしら?緋色さん?」
かつての狂っている自分を取り戻す。
「フフ。ああ…貴方の洗脳された姿を見せて?」
もっと狂え。
精神世界で捨てられた私をもう一度繋がれ。
魂に干渉し続けた私だから出来る事よ。
精神世界の私と繋がれるのは、今まで干渉し続けたからよ。
(緋色さんが繋がれる理由は知らないけどね。)
前回の私も同じ事をするのだろうか。
あの時はきっと、やり直していないからまた別の方法をとるだろうが。
それでも、やり直す事をどこかで察してそうだ。
「例えば、…また洗脳しにいくわね~とかね。」
さあ、地獄の始まりよ。
「はっきり言っていい?」
「どうぞ。」
「泣いていい?」
「駄目です。」
緋色と春斗が会話している。
既に緋色は後悔している。
「というかそもそも、樫妻先輩が悪いんですからね!朱の流星に聞きゃあ良かったんです!」
「いやぁ…………世界をやり直す事を知っていそうな人は大地の涙だったから……だって外の世界に行く前にあの人、私に魂に関する忠告したんだよね。」
「そんな事が…」
「私も知らなかった。…というか、3人とも戦ってるよ。」
「ほんとだー」
「おお………勝った…………」
「はや!」
「というか、そっちが駄弁ってたからでしょ。」
「まぁ…勝てるかなって。」
「それはそうだけどね?でも、見て?」
「ああ、あれが暗殺者トリオ。」
緋色はアナライズをして分かった。それにこの3人は強い。
個々でも強いのに、団体で来られたらたまったものではない。
「え…?ああ…まぁ、そうそう。暗殺者トリオなんだけど…このままアレが勝ち進むと……」
「………4回戦位に当たりますね………光達と。不安だ…………」
「実力としては多分大丈夫じゃない…?知らんけど。」
「…緋色先輩の言う通りなんですけど………光が…暗所恐怖症で…黒煙使われたら…………」
「あー…………そりゃあ光ちゃんが可愛そうねー…」
「でも、あの人達は、今のところ無能力者と同じ様に、基礎能力しか使ってませんよ?」
「春斗が暗殺者だったら途中死にかけても、それでも基礎能力しか使わない?」
「……使いますね。阿呆ほど使いますね。僕だったら。」
「私暗所恐怖症じゃないから分かんないけど…大変だろうね~…」
それに、簡単に2回戦も突破していった。
香露音視点
割と簡単に進んでいったが、3回戦は少々不安が残る。
しかし、ゆっくりと過ごす事は無理そうだ。
「……何か…可笑しくない…?」
「そうですね…」
緋色と春斗が異変に気付いた。
香露音も気配察知を使わずともその異変に気付く。
観戦席の警備員が物凄く慌てている。
耳を傾けると声が聞こえる。このときばかりは自分の耳の良さを褒めたい。
「此処は中の世界だぞ…?何で、モンスターが…!」
「分からんが、誰かが持ち込んだ可能性がある……!」
香露音は3人に聞いた内容を話す。
「仕方無いなぁ…モンスター討伐に行こ行こ…」
緋色は外の世界で見る目と変わる。
「どうせ、あの人達は仕事が早くて、外には簡単に出られないだろうし…」
緋色は言う。嫌な予感がする。しかし、香露音は一応聞く。
「…最上階から飛び降りるとか無いよね…?」
緋色は笑顔で言う。
「そうだけど?」
本当にこういうとびっきりの笑顔の時は何でこんなに頭のネジが外れた事を言うのだろう…?
しかし、これしかない。多分。最後の希望だ。鶴ちゃんに聞こう。
「…何か塞がれてない所ないの…?」
「…………」
黙って首を横に振る。仕方無い、飛ぼう。
という事で、屋上に来た。
「緋色が早いの…何で………」
「あそこの壊れかけの時計台あるじゃん…?あそこのでっかい時計のところで座ってたんだよ。そこに行くまでの道がアスレチックだった。」
「えぇ…」
見ると、モンスターがいる。
しかし、試験会場の外はもう既に避難が終わっている。
試験会場自体が避難場所でもあるので、出口が塞がれている理由だ。
「はい、いっくよー…」
緋色は棚見君と香露音の腕を掴む。
「嘘でしょ!?心の準備はさせてくれないんですね!?」
香露音は鶴ちゃんの腕を掴む。
「頑張ります…!」
「さんはーい!」
緋色は一気に飛び降りる。何で直ぐに出来るのか。
「死線誘導・蜘蛛の巣(大)!」
死線がネットの代わりになり、全員の衝撃を消した。
「僕、紐無しバンジー嫌すぎるんですけど…………」
もう遅い。
「文句は後に聞いてあげるから!いくよ!」
「…了解ですー」
渋々と剣を構える。
初めて見るモンスターだ。
うじゃうじゃいる訳でもないが、見るからに強そうなのが分かる。
「鶴ちゃん、いける?」
「勿論……です…!」
4人は、武器を構え戦い始めた。
大地の涙視点
1週間後の約束の日が来た。
かつて、謎の建物と中の世界とを繋がった扉。
オンボロの壊れかけた時計台へと向かう。
「フフ…そこが全てだったわね。」
あの日からずっと似合わぬ服を着た。
得意でも無いメイクをし始めた。
鬱陶しくて結っていた髪を降ろしている。
気持ち悪い様な喋り方もし始めた。
「……此処に来るのは久し振りね。」
いちいち降りるのが面倒臭い。
それにいつ崩れるかわからないが、それでもこっそりと登ろうとする人達が居るのはこの景色に魅入られているからだろう。
「…………別に、無償で死神について教えても良いのよ、緋色さん?」
しかし、それをしなかったのには理由がある。
「どうせ………また繰り返すわ。その時の敵は…モンスターじゃない。………私よ。大地の涙よ…!」
すると、その時計台からもう一人の自分が出てきた。
後ろには扉がある。この私は、あの建物の中に入った自分だ。
「やっぱり……私はあの建物をある程度扱えるのね。」
「………私を利用するなんて…さすが私ね。」
「良いじゃない。どうせ私も外の世界行くわ。」
「フン。だから何よ。」
もう一人の大地の涙の後ろからモンスターが溢れていく。
「沢山拾ったわね…」
「洗脳しまくったわ。あとは貴方の使いようよ。」
モンスターを街に解き放つ。
もう既に通報している。試験会場も今は封鎖状態だ。
あの4人はどうにかしてモンスターを討伐に来る。
そこを狙う。
もう一人の大地の涙は既に帰ったようだ。扉はもう無い。
「緋色さん…?この理不尽から戦ってみなさい。決意を私に見せて?」
以前、息子の開眼させる為に必要かと思い必殺型を作った。
形にしたが、結局、上手い事にならず、息子さえも洗脳してしまった。
だから、息子が死なない世界線では初めてだろう。
必殺型のブーストを使うのは。
「貴方の周りの誰一人死なない世界線。……その時を待っているわ。……絶対に今回じゃ終わらない。………だって貴方達は…!弱いもの。」
それだけじゃあ足りない。
確かに強いのかもしれない。
それでも足りない。
これで、大地の涙である、私が勝てばそれまでの事。
その先は絶対に進まない。
「もう一度…狂ってやるわ!!何度でも!そして教えてあげる…!何度でも…!」
この先は地獄だと。
洗脳される恐怖を。
洗脳できない屈辱を。
その綻びにある破滅を。
「タイムリミットは1時間。私のブーストは耐久出来るように作ってる。それまでに!私の洗脳から勝ってみなさい!洗脳式・魂への復讐!!!」
世界の色が変わっていく。私の手からガスの様なものが噴射されていく。
「モンスター達?樫妻 緋色、羽柴士 香露音、五十嵐 鶴、棚見 春斗。この4人だけ攻撃しなさい。それ以外、一瞬でも触れたら自決しなさい。」
このブーストの発動対象は今のところこの4人だけ。
あとから、この人達の味方をするのであれば同じ事をする。
「一気に洗脳に畳み掛ければ、洗脳出来るかしら?緋色さん?」
かつての狂っている自分を取り戻す。
「フフ。ああ…貴方の洗脳された姿を見せて?」
もっと狂え。
精神世界で捨てられた私をもう一度繋がれ。
魂に干渉し続けた私だから出来る事よ。
精神世界の私と繋がれるのは、今まで干渉し続けたからよ。
(緋色さんが繋がれる理由は知らないけどね。)
前回の私も同じ事をするのだろうか。
あの時はきっと、やり直していないからまた別の方法をとるだろうが。
それでも、やり直す事をどこかで察してそうだ。
「例えば、…また洗脳しにいくわね~とかね。」
さあ、地獄の始まりよ。
0
あなたにおすすめの小説
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる