ブレインダイブ

ユア教 教祖ユア

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参章・昇りし太陽編

3-29 86 緋色視点 発見!都市伝説的建造物

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「大地の涙…行っちゃったねー」

「そうだね…」

「それに、橋本達が戦線離脱したねー…」

「そうだね……」

「…………私達って…何回戦闘した?」

「3回。…合計、5体。」

他の所は大分多いようだが、何故か此処はモンスターが一向に襲ってこない。

というか、吃驚する程気配察知でモンスターの姿を見つけれない。

「流石に…怖いね~…」

「うん…居すぎるのも嫌だけど…居ないのも…」

暇とかのレベルだったら問題無い。

しかし、死神とか死神とか死神とか…死神のせいでモンスターが居ない理由が特殊モンスターが居るのではないかと警戒してしまう。

「…いいかしら?」

葵里さんからの連絡が来た。

「はい。葵里さん。…どうしましたか?」

「橋本君達はちゃんと戻れた様よ。」

少しホッとした。

「そうですか。…報告ありがとうございます。」

「其方は、大丈夫かしら?」

「はい。葵里さんが此方を外れてから一度もモンスターが会敵してませんので。」

「そうね。…こっちはさっきから大量に来てるわ。…引き続き、私が此方に居続けても大丈夫かしら?」

「はい。大丈夫です。…ヤバくなったら連絡しますので。」

「ええ。そうして頂戴。」

精神感応が切れたので、引き続き会話を続ける。

「見つかるかなぁ…?」

「さあね。…今まで結構探したけど…全く見つからないし…それに今回は私達以外、大型モンスターに何回も遭遇してる。」

「いやぁねぇ全く。」

「急に主婦にならないでよ…」

歩いていると急に何か大きな固いものにぶつかった。

「痛っ…」

木にぶつかったと思ったが、どうやら違うようだ。

「いったぁ!?…何にぶつかっ………………て………………………」

「え……?」

「…見つけた…?…見つけた…!?」

「私達、普通に歩いて…見つけれなかったのに…目の前に…」

「…というか、私なんて…建物の壁にぶつかってるんだけど…」

はっきり言って自分がドジ過ぎて泣ける。

「あーーあーー…もしもし?」

「どうしたの?」

「見つけた。」

「え!?白い建物!?」

「うん。」

「直ぐ行くね!」

という事で10分くらいで直ぐに来た。

「ん?何処にあるの…ってあったー!?」

相変わらず騒がしいが、緋色に言えることではない。

「久し振り…ですね…」

「そうね~私も…何年ぶりよ~」

いつ消えてもおかしくない建物なので、急いで入る。

すると、やはり前回と違っていた。

(何かがあるんだ……きっと…)

緋色は妙に緊張が走った。

モンスターは居ない。その気配は少なくとも無い。

建物の中身は割と研究室に近い内装だった。

皆は建物が前回と違う事に驚いている様だったが、葵里さんは違っていた。

「………………」

物凄い苦い何かを噛み締めた様な顔をしていた。

何故なのかは分からない。ただ…聞いていいのか分からない。

「行きましょう。…何があってもおかしくないから、注意してね。」

「はい…!」

少し進むんで行くが怪しい程何も起きない。

「…こんなの…有り得ないわ…………」

葵里さんは小さい声で呟いた。何が有り得ないのだろうか。

すると、霧が噴射された。

「なっ…!?」

「吸っちゃ駄目よ!」

見るからに黒い。

(これは…まさか……!?)

視界が遮っていく。

香露音は緋色の腕をがっしりと掴んだ。

晴れると、香露音の行動が正しい事に気付いた。

「…ここ…何処ですか…」

「知らないわよ。…こっちが聞きたい。」

そこには、緋色と香露音しかいなかった。

「少なくとも、白い建物内であることには変わらない。…だから、うん…皆も探しゃあ居るんだろうけど…」

「本当、何処にいるのかしら。」

少々強い口調で言う。

それでも尚モンスターは居ない。

しかし暗い。

中の世界の10倍くらい大きい満月があるお陰で大分明るいが、ほぼ夜だ。

綺麗だなと緋色は思っていたが、香露音を見ると悲しみと怒りに満ちた顔になっていた。

少なくともそう見えた。

「…香露音。」

「…何?」

絶対に、香露音の様子がおかしい。

「………此処…知ってるの?」

確かに、周りを見ると公園だ。

もしかしたら、中の世界にもこんな場所があるのかもしれない。

「………私の…家の…近くの公園に…似てる。」

珍しくはっきりと言えてない。

「…ふ~ん……何でそれがこんな所に…」

少なくとも、香露音にはいい思い出の無い場所だろう。

だからあまり深入れしないようにしたい。

「……え…?」

香露音が拍子抜けた様な声を出す。

「……先生…?」

(先生…?先生って誰?)

香露音の視点を辿り、その方向を緋色は見た。

誰も居ない。

「……何で…ここに…?」

緋色は気付き、香露音に叫ぶ。

「駄目……!香露音!そっちに行かないで!香露音!!」

何処かに行こうとする香露音の手を掴む。

しかしその手は煙の様にすり抜けて行った。

「…え?…嘘でしょ?」

そこには、緋色の知っている場所だった。

そして、目の前に居るのは緋色の知っている人だった。

「…久し振りですね。…樫妻先輩。」

「………………………。」

驚き過ぎて声が出ない。

「…何で………」

自分を否定するかの様に強く心の中で叫ぶ。

(本物…?…いや違う…!こいつは違う!)

「…僕の名前を…呼んでくれないんですか?」

「………」

「もしかして、忘れちゃったんですか?…嫌だなぁ…半年も経たないうちに?…薄情ですねぇ…全く。」

「ち…ちが…」

何故か反応してしまう。

こいつは偽物なのに。

姿が同じだから、何処かで信じてしまっているとでも言うのか。

「…樫妻先輩は昔からそうですよね。人に興味が無い。それは僕にもそうなんでしょう?」

「…違う…!」

「いいえ、違わないですよ。…だって、貴方は僕にどれくらいの秘密を抱えているんですか?…貴方の個人の資格を取る為の試験の日。貴方は、僕をはぐらかしましたよね?何を隠してるんですか?」

「……それは…」

「言えないでしょう。…恰も他人よりも僕の事を信じている…そんな態度を取っときながら、対して他の信用してない人と変わってないじゃないですか。」

なんてこの野郎はこんなに痛い所を突いてくれるのだろう。

その性格の悪さは本人と変わらない。

「……でも…違う。」

「じゃあ何が違うって言うんです?」

「君は本物じゃない…!」

「今その話をしますか?ハハハ…さっきの言ったことは否定しないんですか?」

「安心しなよ。本物の彼は言わずとも分かってるよ。自分が…あんまり信用を置かれてないってさ。」

「…哀れですよね。」

「…ああ…そうだね。信用をちゃんとしてるつもりだけどね…それでも…恐怖が勝るから隠したくなる。…それはもう仕方無い。」

「努力をしないつもりですか?そんな事やってたら何時まで経っても変わりませんよ。」

「ああ、良いよ。それでも。…それでも私は生きてる。それが誰に裏切られようとも。それでも、私の願いに応え、助けようとしてくれてる。」

「僕は裏切りませんよ。…でも他の人はそうとは限らない。…それでも他人を信じるんですか!?」

「本物のお前は心配はするが否定はしない。…良いか?偽物め…!」

「…!」

「彼はどうしょうもない馬鹿なんだよ。誰にも真似出来ない程に。一瞬でバレるんだから…偽るなよ、気持ち悪い。」

「僕にそんな事を言える人だとは思いませんでしたよ!」

「言うよ。例え本物の彼だとしても…私の邪魔だけはさせない。私の邪魔をするんなら…」

「何ですか!戦うんですか!」

「分かってないなら…!お前は引っ込んでろ!」

緋色は彼に膝打ちを彼の鳩尾に食らわした。

「私は、私が生きたいように生きて、死にたくなったら勝手に死ぬさ。横入れは要らない。」

緋色は彼に背を向けて立ち去った。

「僕は…先輩に何が出来るって言うんですか…?貴方の傷心の心を…僕は助けられないんですか…?」

最後の彼の悲痛の言葉は緋色の心を突き刺した。

何故分からないんだ。生きてくれればそれで良い。ただそれだけなのに。
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