ブレインダイブ

ユア教 教祖ユア

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肆章・緋の休息地編 

4-4 96 夏希視点 香露音復活作戦

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「これで、全員思い出しましたね!」

「そうですね!」

「一部ヤバイ人居ましたけどね!」

「アハハハ…それは誰でしょうか?」

緋色は笑っている。

若干、殺意を感じる。

「さあ、誰でしょうねー」

「まぁ、香露音を復活する為にどうしようかってのを考える為に集まったけど…出来る事あるかな?」 

「しかも、復活出来る条件が分かんないからね。」

「それに…今回は大地の涙の力は借りられるかどうか…あの橋本、鬼塚、若木さんは無理として。」

「そうなの?」

「…多分だけど全員…見つからないと思うよ。…まぁ…橋本は奇跡でも起これば会えるかもだけど…少なくとも、私が再会するのは来年だから。」

要は起こり得る未来的に会えるのは有り得ないという事だ。

鬼塚君と若木さんは仮に会えても本人が出来ないと言っていたから無理だ。

…じゃあ、大地の涙はどういう事だろうか。

私の知らない所であの人は…?

………どうせ、聞いてもはぐらかせるから考えるのは止めよう。

「じゃあどうするの?」

「そうなんだよなぁ…」

「前回は簡単だったんですけどねー」

だけね。」

「それでもちゃーんと僕を呼んでくれたじゃないですかー」

イチャイチャし始めた。

非リアの方達は物凄い冷たい目で見ている。

一応、この人達はカップルじゃ無いんだけどなぁ。

その割にはイチャイチャするのはなんでだろうなぁ…

でも、恐らくイチャイチャしているように見えるのは基本棚見君のせいだと思う。

でも別に、緋色は嫌がってる様子は無いから…まぁ…お察しのとおりだよね。

「まあ?一応死神はもう出なそうだし…」

夏希達が以前戦った特殊モンスターフェンリル

そいつを如何するか…と言う話になる。

「…何でモンスターを洗脳して生かしてるんだろう?」

「それが一番分かんない。…でも、モンスターで何かをしようとしてるのだけは分かるんだけど…」

「………僕、一つだけ…心当たりがあります。」

棚見君が言い始める。

「…僕の知り合いに、大地の涙の息子の笛伴先輩が居るんですけど…」

「そうだったね。」

「はい。数年前の中の世界にモンスターが出現したっていう事件みたいなの覚えてますか?」

「うん。」

「そのモンスターを倒したのって、実は笛伴先輩なんですよね。」

「え!?そうなの!?」

「はい。その時に開眼したようで、何とか倒せたらしいですね。」

「……ねぇ……大地の涙は元々、世界をやり直す理由…それは、息子の自殺を止める事。彼が何故死のうとしたか…まぁよく分からんねぇ。聞いてないし。…でも…」

「そのモンスターは…フェンリルの様に洗脳されてたモンスターの可能性がありますね。…つまり…大地の涙が仕組んだ事だと。」

「そうだね。仮説ではあるけど…彼が、無能力者である事にものすっごーーーーーーーーい…コンプレックスを抱いていたら…?」

「まぁ、相当生き辛いと思いますよ。」

「それを大地の涙は気付き…」

自分の息子にモンスターを送り込み開眼させようとした…という事になる。

「そこまでする!?」

夏希は心の底から思う。

「普通に考えたら…考えたくないなあ。」

「狂人ですよね。普通に。」

「…本人曰く…大地の涙の世界をやり直す条件は、息子を殺す事。」

初めて知った。

棚見君も含め緋色しか知らなかったようだ。

「それは…息子を助ける為に…息子を殺すって事…?」

「そゆこと…仮にモンスターの調教が失敗しても、世界をやり直せるし……」

「うげー…まあ、それは確定じゃないですし…」

「そうだね…分からない事だらけ…」

「白い建物も未だによく分かりませんね…」

全員で考え込むと、ある人が夏希達に気付いた。

「…全員で考えて如何されましたか。」

(え!?いつの間にこんな距離まで来たの!?)

来たのはまさかの朱の流星だった。

「…………!」

「あ、朱の……………流星…………………?」

「はい。こんにちは。」

棚見君と緋色は物凄く驚いている。

「…いつの間に………曉さんが…………」

「?…どうやら、私の名前を知っているようですね。」

「は、はい…」

「フフ…貴方達が考えている理由は……どうやら世界をやり直さなくても良い方法を考えていたんですね。」

やはり…この人も世界をやり直した事のある人なのだろう。

「…全ては…白い建物が解決してくれます。…白い建物で全ての困難を乗り越えた先に…貴方達の望むものがあります。…白い建物は…願いを叶えてくれる場所なので。」

「…其方も…白い建物に…?」

「そうですね。…私もかつて…そうでした。ただ…白い建物は直接的には叶えてくれません。」

「入った瞬間から羽柴士さんが、復活したらヌルゲーにも程がありますしね。」

「おいおい。」

棚見君の言う言葉を緋色が呆れながら言う。

「…でも…間接的には叶えてくれるんです。…本当に間接的に。…でも行く価値はあると思いますよ。」

二つ名が言うのだからそうなのだろう。

その言葉もあり、行く事になった。

取り敢えず、全員装備はちゃんとしてきたのでそこに関しては大丈夫だ。

緋色は割と消耗が早いらしいけど。

「…うへー…」

「どうしたんですか?」

「ほら見てよ…」

「ああ…もう直ぐで切れますね。」

「やってみる?手刀で。」

「ははは…できるわけ無いじゃないですか。僕の美しい手をズッタズタにするつもりですか?」

「「あははははははははははは…………はぁ…」」

全く以て仲が良すぎるのも困りものだ。

次の日に、全員で特訓する。

ついでに、朱の流星も教えてくれるらしい。

そこには緋色が物凄く激しく練習していた。

「一撃が軽いですよ。最小限の力だとしても、もっと出せます。」

「くっ………………たぁ…!」

「貴方なら、私の作った剣を一撃で破壊出来ますよ。…さあ、頑張って下さい。」

こ、怖い。スパルタだ。

それに黙ってしがみついているのは流石緋色だろう。

「おお…」

とうとう、剣を破壊した。

「それじゃ、休憩しましょうか。」

「は、はい…………」

一番疲れてそうなのは間違いなく緋色だろう。

それよりも、聞かなきゃいけないことがある。

すると、棚見君と目が合う。

「……………。」

一瞬よく分からない殺意の目を向けられたあと直ぐに普通に戻る。

「………如月さんも…気になるんですか?」

少し笑いながら言う。

「……あの人は…隠してますよね。」

少し、怒りの声が混じっている気がする。

「…聞く?」

「ええ、勿論そのつもりですよ。」

怖い怖い。ここまで笑顔が怖く感じるのはあまり居ないと思う。

「……どうひはの?」

(アイスを…食べてる…)

「緋色、前回の世界で大地の涙はどうなったの?」

「………」

笑顔のまま顔が硬直している。

「………………絶対とかじゃないけど…良い?」

「うん。」

「…多分、死んだよ。」

「……………………」

「…その理由は?」

「…………私達が黒い霧に包まれて、よく分からない所に飛ばされた後…何とか香露音と戻って来た。…その場所は………」

少し詰まる。

「はぁ…。…その場所は…血塗れの葵里さんと…もう一人の大地の涙が居た。」

「…!」

「そんな事が…」

「…私達じゃ…大地の涙からは逃れられなかったし、勝てもできなかった。」

「……。」

「…その時に…葵里さんは、私達に『行きなさい』って。」

緋色の乾いた笑い声が聞こえる。

「…私は……あの人がどうなったか知らない。見てないから。」

「……多分、死んだと思うよ。私もそう思う。」

「…え?」

「私は…フェンリルと対峙したとき…フェンリルの精神世界に飛んだ。…その時に私は大地の涙が洗脳したって分かった。」

「…やっぱりそっちは…特殊モンスターなんだね。」

「まあね。…私は、大地の涙の洗脳を上書きする様に洗脳した。」

「…如月さん…それ簡単に出来ないですよね?」

「そうかもね。…大変だったもん。……洗脳したから、途中までは倒せる位だったんだけどね。……急に大地の涙の洗脳の力が弱まった。…限りなくゼロに。」

「解除した…じゃ無くて、減った…だから、大地の涙は死んでしまった事にあんまり驚かないの?」

「…うん。…葵里さんも死んだけど…大地の涙も同時に死んでると思う。」

「…………そっか。…魂の話は私には分かんないからね。…そっちの方が説得力があるね。」

「…今の世界線では、大地の涙が死んだ後…ですもんね。…だから、樫妻先輩は…見つからないって言ったんですね。」

「うん。そうだよ。」

緋色はアイスを食べ終わり棒を見つめる。

「あ、当たりだ。」

「じゃ、僕その当たり分のアイス下さい!」

「仕方無いなぁ。じゃ、行こうぜー!」

「やったー!」

「じゃ、夏希。この話は終わりという事で。」

「う、うん。」

二人はルンルンでアイスを交換しに行った。
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