187 / 229
第六章 ケモナーと水のクランと風の宮
お茶会の準備
しおりを挟む
「重たい」
「俺よりましだろ…ごてごてしすぎて…動けない…」
「僕、お兄ちゃんを乗せてるもん!重いもん!」
「んじゃ、俺は留守番」
「や!」
頬を膨らませるケルンだが、俺を置き去りにすることなく連れていくらしい。
どうしてこうなったんだろうか。
水のクラン戦の優勝という喜んでいいのかわからないものを得たことで、一番最初に俺たちに起こった出来事がある。
映画関連の契約だ。正確にいうなら映写機の構造と映画のノウハウを教えてほしいとサイジャルから申し出があったのだ。
来年からアニメ映画専門の授業を開講するらしいが、その講師に俺を指名されたが断って、ハトさんを推薦しておいた。本人は嫌がっているが結婚をするんだし、給与もそこそこいいんだからなるべきだ。
アニメ映画に俺が関わらなくて済むっていう目的のためにも講師になってもらう。
映写機はボリンさんに権利があるからあちらに聞いて権利費とかを支払ってくれといった。発明者としてボリンさんに丸投げをしたんだが、ボリンさんが軽くうめいたほど書類の束あったが、それに合うだけの金額も支払われるそうだ。
「今までの借金をもう一度しても釣りが出る」
とケルンに見せれない悪人顔をしていたので、父様にも手紙で教えておいた。変な物を作るか買いそうな予感しかないから、諦めて貯金してもらおう。
『ペンギンさん物語』に関してはそのうち王都で上映することになった。そのあと色んな都市で上映予定だ。映写機とフィルムの生産ができしだいというところだが、一台は屋敷にすでに運んで母様たちが見ている。ランディなんかも見てくれているらしく、手紙がすぐに来た。
まったく動じてないケルンはいいが、恥ずかしくて俺は頭を抱えた。あのくっさい演技が評価されるとは思いたくなかった。
ケルンの演技についてかなり、評判がよくて、ペンギンさん物語のペギン役の子はどこの劇団員なのか?との問い合わせがあったほどだ。
スタッフロールでも出演者は隠してあったから、そんな問い合わせも変ではない…のか?反響が大きすぎて俺の思考力すら停止しそうなのだ。
クラン戦が終わって三日も経つっていうのに、まだ上映しているうえに満席だからな。
しかも続編のアフレコをしようという動きがクラン内で起こっているし…ケルンがやる気になったら構わないが今はやらないだろう。
「若様。坊ちゃま。しゃんとなさいませ。礼服にしわができてしまいます。さぁ、仕上げにこちらをお付けください」
「エフデ様。猫背ですよ」
フィオナが針子として屋敷からサイジャルに来ている。エセニアも手伝いにきているが、針子ではなくフィオナの荷物持ちだ。
「フィオナ。もう少し飾りを減らせないか?」
「フィオナー、重いよー」
「なりません。礼服は格式あるものです…若様や坊ちゃまが辱しめられぬようにしっかりとご用意いたしますから」
絶対に曲げない、屋敷で一番頑固なフィオナがいう。俺たちはまたため息をついた。
礼服でも種類があるが、一番いい礼服を着ることになってしまった。
祝福のときに着た貴族服のさらにごてごてした服だ。動きにくい。
背中にはフェスマルク家の紋章わ背負って紋付き袴ならぬ紋付き貴族服という有り様だ。
ごてごてしているのは、ご先祖様が今まで得てきた勲章を縫いつけているからだ。
ケルンはさらにシルクハットみたいな帽子にバッチのようにしてまで勲章がつけてある。
顔がいいってのはずるい。まっすぐに立てば絵になるほど似合っている。
けど、普通に考えてここまで飾るのはかなりありえない。
「何でサイジャルのお偉いさんに会うってだけでここまでするんだ?」
「旦那様からのご指示です」
「父様からの?」
フィオナに疑問をぶつければ父様からの指示だという。あの父様がここまでしろというほどってことなのか?
「お茶を飲むのも大変なんだねー」
「大変なんだなー」
すでに疲れてきたがお茶会を楽しめるのだろうか?ケルンの顔色を見ながらミルディタクシーを利用せねばならないな。ケルンの方が俺よりも数的には飾りがつけられているから重い上に、俺を手放す気がないから、さらに重い。
それにしても、絵になるケルンと比べて俺はというと本当にひどい。俺は体のほとんどが、勲章まみれで勲章を着ているみたいといってもいいほどだ。
「もっと緊張感を持ってください…サイジャルの理事会の一人と会うのですよ?」
呆れた顔のエセニアと軽く肩を回しているミルディに、様々な方向からおかしなところがないかを確認しているフィオナ。
三者三様の動きを見ながら昨日のことを思い出した。
「俺よりましだろ…ごてごてしすぎて…動けない…」
「僕、お兄ちゃんを乗せてるもん!重いもん!」
「んじゃ、俺は留守番」
「や!」
頬を膨らませるケルンだが、俺を置き去りにすることなく連れていくらしい。
どうしてこうなったんだろうか。
水のクラン戦の優勝という喜んでいいのかわからないものを得たことで、一番最初に俺たちに起こった出来事がある。
映画関連の契約だ。正確にいうなら映写機の構造と映画のノウハウを教えてほしいとサイジャルから申し出があったのだ。
来年からアニメ映画専門の授業を開講するらしいが、その講師に俺を指名されたが断って、ハトさんを推薦しておいた。本人は嫌がっているが結婚をするんだし、給与もそこそこいいんだからなるべきだ。
アニメ映画に俺が関わらなくて済むっていう目的のためにも講師になってもらう。
映写機はボリンさんに権利があるからあちらに聞いて権利費とかを支払ってくれといった。発明者としてボリンさんに丸投げをしたんだが、ボリンさんが軽くうめいたほど書類の束あったが、それに合うだけの金額も支払われるそうだ。
「今までの借金をもう一度しても釣りが出る」
とケルンに見せれない悪人顔をしていたので、父様にも手紙で教えておいた。変な物を作るか買いそうな予感しかないから、諦めて貯金してもらおう。
『ペンギンさん物語』に関してはそのうち王都で上映することになった。そのあと色んな都市で上映予定だ。映写機とフィルムの生産ができしだいというところだが、一台は屋敷にすでに運んで母様たちが見ている。ランディなんかも見てくれているらしく、手紙がすぐに来た。
まったく動じてないケルンはいいが、恥ずかしくて俺は頭を抱えた。あのくっさい演技が評価されるとは思いたくなかった。
ケルンの演技についてかなり、評判がよくて、ペンギンさん物語のペギン役の子はどこの劇団員なのか?との問い合わせがあったほどだ。
スタッフロールでも出演者は隠してあったから、そんな問い合わせも変ではない…のか?反響が大きすぎて俺の思考力すら停止しそうなのだ。
クラン戦が終わって三日も経つっていうのに、まだ上映しているうえに満席だからな。
しかも続編のアフレコをしようという動きがクラン内で起こっているし…ケルンがやる気になったら構わないが今はやらないだろう。
「若様。坊ちゃま。しゃんとなさいませ。礼服にしわができてしまいます。さぁ、仕上げにこちらをお付けください」
「エフデ様。猫背ですよ」
フィオナが針子として屋敷からサイジャルに来ている。エセニアも手伝いにきているが、針子ではなくフィオナの荷物持ちだ。
「フィオナ。もう少し飾りを減らせないか?」
「フィオナー、重いよー」
「なりません。礼服は格式あるものです…若様や坊ちゃまが辱しめられぬようにしっかりとご用意いたしますから」
絶対に曲げない、屋敷で一番頑固なフィオナがいう。俺たちはまたため息をついた。
礼服でも種類があるが、一番いい礼服を着ることになってしまった。
祝福のときに着た貴族服のさらにごてごてした服だ。動きにくい。
背中にはフェスマルク家の紋章わ背負って紋付き袴ならぬ紋付き貴族服という有り様だ。
ごてごてしているのは、ご先祖様が今まで得てきた勲章を縫いつけているからだ。
ケルンはさらにシルクハットみたいな帽子にバッチのようにしてまで勲章がつけてある。
顔がいいってのはずるい。まっすぐに立てば絵になるほど似合っている。
けど、普通に考えてここまで飾るのはかなりありえない。
「何でサイジャルのお偉いさんに会うってだけでここまでするんだ?」
「旦那様からのご指示です」
「父様からの?」
フィオナに疑問をぶつければ父様からの指示だという。あの父様がここまでしろというほどってことなのか?
「お茶を飲むのも大変なんだねー」
「大変なんだなー」
すでに疲れてきたがお茶会を楽しめるのだろうか?ケルンの顔色を見ながらミルディタクシーを利用せねばならないな。ケルンの方が俺よりも数的には飾りがつけられているから重い上に、俺を手放す気がないから、さらに重い。
それにしても、絵になるケルンと比べて俺はというと本当にひどい。俺は体のほとんどが、勲章まみれで勲章を着ているみたいといってもいいほどだ。
「もっと緊張感を持ってください…サイジャルの理事会の一人と会うのですよ?」
呆れた顔のエセニアと軽く肩を回しているミルディに、様々な方向からおかしなところがないかを確認しているフィオナ。
三者三様の動きを見ながら昨日のことを思い出した。
10
あなたにおすすめの小説
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
神のミスで転生したけど、幼女化しちゃった! 神具【調薬釜】で、異世界ライフを楽しもう!
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
旧題:神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!
電子書籍は、2026/3/9に発売です!
書籍は2026/3/11に発売(予約受付中)です!メロンブックス様より、特典の描き下ろしSSペーパーがあります。詳しくは、メロンブックス様へお願い致します。
イラストは、にとろん様です。よろしくお願い致します!
ファンタジー小説大賞に投票して頂いた皆様には、大変感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる