殺人鬼は紅い月夜に現れる

雪苺

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 …なんか…ふわふわする…
なんだろう…この気持ち…とても懐かしい…あの気持ち…
忘れてしまった…私の大好きなモノ達への気持ち…
あれ…なんだっけ…
忘れてしまった…何もかも…
全て……あの時。







 







————ハッ…。


 俺は目を覚ました。
こ、こは…どこだ?お、れの部屋…?
あぁそうか。またあの「夢」を見ていたのか。
俺がまだ人間だった頃の、ふわふわとしたあたたかい時のこと。


 そう。俺は悪魔。俺の愛した大好きな大好きな人間の…敵……。


 「あの時」、俺の人生…いや、今は人生ではないか。
俺の生きていく道は大きな壁で閉ざされた。「あの者」の手によって。

 
 人生を強制的に終わらされた俺は「あの者」の手によって転生させられた。
そう。「殺人鬼」として。

 
 俺は何者なのか。
見た目は人間。心も人間。しかし「あの者」に身体を改造され、心臓に実体化していない「あるモノ」を入れられた。
簡単に言えば「殺人鬼」の「核」のようなものだろう。
この「核」により、俺は「あの者」が望んだ時に理性を失い、「殺人鬼」と化してしまう。

 
 俺は人間をとても愛している。
幸い、俺は人を集まらせるようにする為改造され、器量はとても良い。
この「核」さえなければ俺はこの姿になってからの18年間とても楽しくすごせたろうに…。

 
 もう一度言うが俺は人間を愛してる。人間の全て、を。

 
 俺は人を殺すなんてこと本当は絶対にしたくない。
殺してしまった後はいつも罪悪感で心が押し潰されそうになり死んでしまいたくなる。
しかし俺は「あの者」に改造された身。そう簡単には死ねない。いや、不死身と言っていい。
俺を殺せる輩はこの世界にはまだいない。
まだ…。


 もし俺を殺せるような才能を持った者が生まれてきたら俺は迷わず言うだろう。
「殺してくれ」
 …と…。

 
 けれどやはり今はいない。
俺を殺してくれる者は。
俺… ルイ・サキュバス を殺してくれる者は…。


 だから俺は探し続ける。


 俺の中の「核」を取り除き、「あの者」を殺す方法を。









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短くてすみません(^^;;
どうぞこの作品が完結するまで読んでくださいまし(^^)    ((by.作者
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