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俺は静かにサクの話を聞いていた。
「…そんなことがあったのか」
一緒にベンチに座りながらサクの話を聞いた。
「……うん」
「話してくれてありがとう」
「ものすごく怖かった」
「うん」
「ものすごく不安だった」
「…うん」
「だから…来てくれて、ありがとう」
サクの声は震えていた。俺はサクの手を強く握った。ふとサクは顔をあげこちらを見た。
「…先輩」
「…なに?」
「こんなに、すごくすごく汚い俺でも、いいんですか」
「だからさっきも言ったでしょ。どんなサクでもサクだって」
「……でも」
俺は全身でサクを抱きしめた。夏の夜だからか、緊張から来るのか、少しサクの汗ばんだ匂いがした。
「愛してる」
「…え?」
「俺はサクを愛してる」
「え、えぇ…。なんですか、いきなり」
サクの顔がぼわっと赤くなり、彼の心臓のトクトクトクッという鼓動が体を通して伝わってくる。
「俺、きちんと伝えてなかった。だからお前を不安にさせてしまった。言葉にするのも、行動に移すのも、遅すぎてごめん」
「…そうですよ、先輩。先輩は下手くそでヘタレすぎなんです、自覚してください」
「ほんとそうだね。…ごめん、サク」
「…でも初めて会った日から三ヶ月、俺のことをとても大事にしてくれました」
「え?」
「一緒にご飯食べたり、出かけたり、話したり。俺は十分幸せでした。先輩と一緒にいれるだけで最高でした。俺の人生の最高は、先輩に会えたことかもしれないって思いました」
「……俺もそうだよ」
「でも、俺はとってもわがままなんです。もっともっと、もーっと幸せが欲しい、幸せを感じたい」
「……」
「俺にもっと、幸福を与えてくれませんか」
「……例えば?」
「……やっぱり先輩はヘタレだ」
「え?」
「……言わなくても、わかるでしょ」
そういうとサクは唇を重ねてきた。
「ん、んぅ…ふ」
俺は手を腰に回し、サクも背中の手に力が入るのを感じた。
くちゅくちゅと唾液の水音が頭の中で響き、舌と舌を絡めあい、サクのやわらかい頬の内側をなめ、上あごをなめ、歯列をなぞる。
「ん、んん……んぁっ」
サクの横尻をなで、太ももをなで、股間をなでる。サクは唇を離した。
「ん、待って」
「だめ」
反対の手でTシャツ越しに胸を上下に撫でる。胸の突起がだんだんと充血して膨らんでいくのが分かった。
「あっ、あ」
「……ここ、誰か来ちゃうかもね」
俺はサクの耳元で囁いた。
「どうする?車いく?」
サクの全身の色々なところをなでながら聞いた。すると返ってきたサクの答えは意外だった。
「……ここがいい、です」
「……やっぱりサクって変態」
「違います!……車まで我慢できないから」
確かに車までは歩いて十分くらいかかる。目の前には真っ赤な顔をしたサク。誰か来るかもしれない状況。どうするか俺は一瞬考えた。しかし答えは決まっていた。
「……もしも誰か来たら、サクのこと抱えてダッシュで逃げるからね」
「……ふふっ。俺のことを先輩がお姫様抱っこしてくれるんですか」
サクは小さく瞬く光のように、優しく微笑んだ。
「その時は、その時」
「…嬉しいです」
「そんな状況、本当は勘弁してほしいけど」
「俺は別にいいですよ。見せつけましょうよ、俺たちの愛を」
「いや、その前に通報されるって」
「怖がって向こうのほうが先に逃げ出すんじゃないですか」
「だから、ほんとやめてってば」
「もう…先輩のヘタレめ」
サクは唇をとがらせ、俺の右耳を手でもみ始めた。サクの手はほんのり冷たくて気持ちよかった。俺はサクの尻と胸を両手で撫で続けていたが、しばらくするとサクが口を開いた。
「……先輩、約束してください」
「……なんでしょうか」
「俺に容赦は無用です。どんとこいです。俺は意外と丈夫です。……俺、もっとたくさん先輩と触れ合いたい」
「……うん」
「……もっと言うと、先輩と番になりたい、です」
「なんと」
俺は驚きを隠せなかった。
「え?先輩は嫌なんですか」
「そんなことない!…けど、むしろサクは俺でいいの」
「もちろんです。あの日出会ったあの瞬間から。むしろ、あの日にうなじを噛んでほしいくらいでした」
「……そっか」
「まぁいいですけどね。それと、俺のことでひとつ」
「はい」
「…俺も足りないところがあったと思います。先輩に対して配慮が足りなかった」
「そんなことないよ」
「いいえ、先輩はヘタレすぎました。先輩との触れ合いがないなら俺からもっと誘うべきだった。悩んでるくらいならさっさと行動に移せばよかったんです」
「サクは積極的だね」
「そんなんだから草食系男子なんて言われるんですよ。世の中もっとがっついていかないと」
「…勉強になります」
「だから俺も思ったこと言います。これから言うようにします。もっと、ずっと先輩の隣にいたいから」
「サク…」
「先輩、大好き。愛してる」
「俺も」
俺はサクをベンチの上で押し倒した。
「…そんなことがあったのか」
一緒にベンチに座りながらサクの話を聞いた。
「……うん」
「話してくれてありがとう」
「ものすごく怖かった」
「うん」
「ものすごく不安だった」
「…うん」
「だから…来てくれて、ありがとう」
サクの声は震えていた。俺はサクの手を強く握った。ふとサクは顔をあげこちらを見た。
「…先輩」
「…なに?」
「こんなに、すごくすごく汚い俺でも、いいんですか」
「だからさっきも言ったでしょ。どんなサクでもサクだって」
「……でも」
俺は全身でサクを抱きしめた。夏の夜だからか、緊張から来るのか、少しサクの汗ばんだ匂いがした。
「愛してる」
「…え?」
「俺はサクを愛してる」
「え、えぇ…。なんですか、いきなり」
サクの顔がぼわっと赤くなり、彼の心臓のトクトクトクッという鼓動が体を通して伝わってくる。
「俺、きちんと伝えてなかった。だからお前を不安にさせてしまった。言葉にするのも、行動に移すのも、遅すぎてごめん」
「…そうですよ、先輩。先輩は下手くそでヘタレすぎなんです、自覚してください」
「ほんとそうだね。…ごめん、サク」
「…でも初めて会った日から三ヶ月、俺のことをとても大事にしてくれました」
「え?」
「一緒にご飯食べたり、出かけたり、話したり。俺は十分幸せでした。先輩と一緒にいれるだけで最高でした。俺の人生の最高は、先輩に会えたことかもしれないって思いました」
「……俺もそうだよ」
「でも、俺はとってもわがままなんです。もっともっと、もーっと幸せが欲しい、幸せを感じたい」
「……」
「俺にもっと、幸福を与えてくれませんか」
「……例えば?」
「……やっぱり先輩はヘタレだ」
「え?」
「……言わなくても、わかるでしょ」
そういうとサクは唇を重ねてきた。
「ん、んぅ…ふ」
俺は手を腰に回し、サクも背中の手に力が入るのを感じた。
くちゅくちゅと唾液の水音が頭の中で響き、舌と舌を絡めあい、サクのやわらかい頬の内側をなめ、上あごをなめ、歯列をなぞる。
「ん、んん……んぁっ」
サクの横尻をなで、太ももをなで、股間をなでる。サクは唇を離した。
「ん、待って」
「だめ」
反対の手でTシャツ越しに胸を上下に撫でる。胸の突起がだんだんと充血して膨らんでいくのが分かった。
「あっ、あ」
「……ここ、誰か来ちゃうかもね」
俺はサクの耳元で囁いた。
「どうする?車いく?」
サクの全身の色々なところをなでながら聞いた。すると返ってきたサクの答えは意外だった。
「……ここがいい、です」
「……やっぱりサクって変態」
「違います!……車まで我慢できないから」
確かに車までは歩いて十分くらいかかる。目の前には真っ赤な顔をしたサク。誰か来るかもしれない状況。どうするか俺は一瞬考えた。しかし答えは決まっていた。
「……もしも誰か来たら、サクのこと抱えてダッシュで逃げるからね」
「……ふふっ。俺のことを先輩がお姫様抱っこしてくれるんですか」
サクは小さく瞬く光のように、優しく微笑んだ。
「その時は、その時」
「…嬉しいです」
「そんな状況、本当は勘弁してほしいけど」
「俺は別にいいですよ。見せつけましょうよ、俺たちの愛を」
「いや、その前に通報されるって」
「怖がって向こうのほうが先に逃げ出すんじゃないですか」
「だから、ほんとやめてってば」
「もう…先輩のヘタレめ」
サクは唇をとがらせ、俺の右耳を手でもみ始めた。サクの手はほんのり冷たくて気持ちよかった。俺はサクの尻と胸を両手で撫で続けていたが、しばらくするとサクが口を開いた。
「……先輩、約束してください」
「……なんでしょうか」
「俺に容赦は無用です。どんとこいです。俺は意外と丈夫です。……俺、もっとたくさん先輩と触れ合いたい」
「……うん」
「……もっと言うと、先輩と番になりたい、です」
「なんと」
俺は驚きを隠せなかった。
「え?先輩は嫌なんですか」
「そんなことない!…けど、むしろサクは俺でいいの」
「もちろんです。あの日出会ったあの瞬間から。むしろ、あの日にうなじを噛んでほしいくらいでした」
「……そっか」
「まぁいいですけどね。それと、俺のことでひとつ」
「はい」
「…俺も足りないところがあったと思います。先輩に対して配慮が足りなかった」
「そんなことないよ」
「いいえ、先輩はヘタレすぎました。先輩との触れ合いがないなら俺からもっと誘うべきだった。悩んでるくらいならさっさと行動に移せばよかったんです」
「サクは積極的だね」
「そんなんだから草食系男子なんて言われるんですよ。世の中もっとがっついていかないと」
「…勉強になります」
「だから俺も思ったこと言います。これから言うようにします。もっと、ずっと先輩の隣にいたいから」
「サク…」
「先輩、大好き。愛してる」
「俺も」
俺はサクをベンチの上で押し倒した。
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