チートがなくても最強です!?〜最弱勇者はハードモードの異世界を策略と悪知恵で必死こいて生きていく〜

ソリダス

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第二章 ドッデ村編

第八話 (自称)勇者の山田太郎

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 ここはドッデ村の公民館……その中にある会議室にはピンと張り詰めた空気が漂っていた。



 この会議室の中にいる者は、いずれもそれなりに地位のある役職に就いている者ばかりだ。

 そんな者達が椅子に腰掛けて1つの机を囲んで話し合っている内容は、この村の近くに突然出現したモンスターを今後どう対処するかだ。


「むぅ…、一体これからどうすればいいのだ……」


 村長はため息まじりにそう呟くと頭を抱えてしまった。

 すると、眼鏡を掛けた一人の青年が冷淡な笑みを浮かべながら、一人の屈強な男に視線を向ける。


「唯一の希望だった王都からの討伐隊はほぼ壊滅、そして隊員達は絶対安静の状態……。討伐隊の中でピンピンしてるのはあんただけだよ、隊長さん。部下が次々にやられていく状況で、あんたは一体何をしてたんだ?」


 そう訊かれた討伐隊の隊長は、腕を組み目を閉じたまま答える。


「俺も戦っていた。そして俺が無事だった理由は単純だ。俺が強かったからだ。………そして、あいつらには力が無かった、だから倒れた。命を懸けた戦いというものはそれほどシビアで残酷な世界なのだよ」


 この答えを聞いた青年は思わず失笑した。


「力が無かっただって?!王都の精鋭がか?ははっ、面白い冗談だなぁ、おい!じゃあ、その弱~い隊員達は『クソ雑魚ナメクジ』ってところだな。そんで、その隊員達を使いこなせなかった指揮官のあんたは『クソ強マイマイ』って感じかァ!」


 ハイテンションで意味不明なことを口走る青年。

 それに対して隊長は。


「別になんとでも呼べばいい。せいぜいお前のその絶望的なネーミングセンスで付けられた名前を大切にさせてもらうさ」


 隊長は表情を一切動かさず、しかし言葉の所々には青年を馬鹿にするものが含まれていた。


「いい加減にしろ!今は味方同士で揉めている場合ではないだろう!」


 村長の怒号が会議室に響き渡り、一瞬室内に沈黙が訪れる。

 しかし、その沈黙は思わぬ形で破られる事になった。


 コンコン、と扉をノックする音が、静まり返った室内に響いた。


「……入りたまえ」 


 村長が声を掛ける。キィ、とゆっくり扉が開かれた。その向こうには一人の村人の男がいた。


「今は会議中なのだが?」


「……実は、村長に会いたいという男が来てまして……」


「今は手が離せん。その者には悪いが、帰ってもらえ」


「なんでもその男、あのモンスターと戦うつもりらしくて…。しかも、あの討伐隊が勝てなかった事を知った上で戦いに来た、ということだったので念の為にお伝えしました。それでは私はこれで……」


「ちょっと待て、討伐隊が負けた事を知ってて来たというのか?」


 村長は思わずそう尋ねていた。


「え、えぇ。本人が言うには」


「……一度、連れてきてくれ」


「?わ、分かりました。では、連れてきます」


 そう言って村人は扉をゆっくり閉めた。


 もはや他に方法など思いつかない。ほんの僅かな可能性にも賭けてみるしかなかった。

 村長は藁にも縋るような気持ちで、話に出てきた男が部屋に入ってくるのを待つ。


 そして数分後、何の前触れも無く、勢い良く扉が開き一人の男が入ってきた。


「どーーもーーこんにちはーー!!勇者の山田太郎でーーす!モンスターをぶっ倒しに来ましたーー!」



 村長の目の前が真っ暗になった!

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