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求めるだけの優しさは(二十二)
しおりを挟む僕がひろみさんの顔と兄貴の顔を思い返していろいろと考えてると、
「言うのが遅くなっちゃったけど座って」
って女性は柔らかく誘って椅子を引くというエスコートを僕にしてくれた。
僕は戸惑いながら弾いてもらった椅子に座って。
女性自身は僕が座ると改めて始光さんの向かいに座った。
女性と始光さんの前にはすでにコーヒーカップがそれぞれ置かれてて。
女性が
「ジュースならいいわよね」
ってオレンジジュースを注文してくれた。
注文の品が届くのを待ってるあいだ、失礼だけど始光さんと女性のあいだで重たいため息が落ちてしまった。
すると。
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