言い伝えの森

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森の建物

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鬼ごっこ?が終わった。すると目の前に狐の仮面をつけたやつが現れた。
「お疲れ様でした。これで準備運動は終わりです。」
え?今のが準備運動?何人も死んでますけど?
「これから皆さまにはあの建物に移動してもらいます。」
そう言ってそいつは歩き出した。森には沢山の木があり、大量の根っこが地面から出てきていた。
さっきのショックがあってか上手く歩けない上にその根っこにつまずきそうになる。
後ろを歩いていた何人ものやつが転んでいた。泣いてるやつもいる。
と、その時よそみしていたため根っこに引っかかりこけた。
「痛っ…」足を強打した。そのせいで足が痛み遅くなる。
狐のやつは1人でさっさと行ってしまう。10分ほど歩くとあの建物についた。
「え~、皆さまにはこれから中に入ってもらいます。1人ずつお入りください。」
観光かよ。と心の中でツッコんだ。どうやら俺には心の余裕があるらしい。
「この中でも皆さまには鬼ごっこをしてもらいます。しか~し、準備運動とは違い道具が使えます!」
周りの空気とは違いあいつはずっと明るい。
これからは鬼を倒すまでおわれませ~ん!」
は?さっきの鬼みたいなやつが来たらどうするんだ。俺なら即死する。
「でも安心してください?建物の関係でちっさい鬼だから。」
なんの解決にもなっていない。
「そして鬼を倒すヒントがありま~す。探してみてね~」
そう言い終わると狐のやつは何か合図を出した。
扉が開き、1人ずつ入れられた。
いつの間にか人数が少なくなっていた。
「これからはいくつかに分けて鬼ごっこをしてもらいます。それでは道具をお選びください。」
銃、刀、弓、盾、槍など沢山の道具が並べられる。俺は刀を選んだ。元々剣道してたし。
「皆さん選び終わりましたか?鬼は1分後に来ます。それではスタート!」
はじまった。俺はヒントとやらを探す。みんな心細かったからか知らないけれど少し話すようになっていた。
「俺達はこっちを探すのであっちを探すのお願いします。」
「分かりました。」
人と繋がりを感じて少し楽しかった。鬼が来るまでは…
出来るだけヒントを見逃さないように5人のグループを作り、ある部屋でヒントを探していた時、
浩史と名乗るやつが座り、
「これって現実じゃないよなwwwガチで探すとか真面目ちゃん達かよ。さっきの鬼も着ぐるみかなんかで遅かったしな。俺は鬼なんか信じねえ。」
と言った。
その瞬間扉が開き、黒い手が伸びて浩史を連れていった。一瞬すぎて何が起こったのかわからなかったけどすぐに理解した。
鬼が来た。
扉の向こうでは浩史の悲鳴と何かが潰れる音がした。
扉の向こう鬼がいる!
鬼がいるから助けることも逃げることも出来ない。絶体絶命だ。
静かになった。
そして扉が開き隙間から鬼がこちらを覗く。
ドロドロとした黒いスライムみたいな体に目と口に穴ぽっかりとあいているお面をつけた化け物だ。仮面の上からも笑っているのがわかるのが怖い。
そいつはゆっくりと扉を開けて入ってきた。ケタケタと笑いながら。
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