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第1章
4話
しおりを挟む「唯斗……もう朝だよ……起きて」
「ん、ぅん?朝……?……おはよ……」
今俺を起こしてくれたのは同じクラスの藤本樹。
俺と同部屋なんだ。
普段は物静かというか無口で出会った頃は会話するような中でもなかったが、今では俺を起こしに来てくれるぐらいには仲良くなった。
「おはよう。朝ごはん一応お米と味噌汁用意した。」
「おぉ流石~……目玉焼きと卵焼きどっちがいい?」
「……おーい?」
なんか固まってる?ま、いつもの事か。
マイペースだし、前髪長くてどこ見てるかとか何考えてるのかちょっと分かりにくい。
前髪の隙間から見えた目は俺の事を捉えてた。
結構イケメンなのに顔見せてくれないんだよな。
「……目玉焼き」
「ん、分かった。一先ず顔洗ってくるわ」
朝ご飯は1応2人で作るようにしてる。先に起きた方が米と味噌汁。次に起きた方がその他の主菜副菜を作ることになってる。
まぁほとんど俺の方が朝起きるの遅いから主菜と副菜作ってるけど。
って寝癖ついてる。
洗面台に移動し鏡を見れば1箇所だけ髪の毛が跳ねていた。
もしかして藤本が固まってたのって寝癖見てたからか?
だとしてもなんでなんも言わなかったんだよ、なんか恥ずかしいな。
まぁ、早くしないとご飯も冷めるし早く副食作らなきゃな。
適当に髪を直して台所へと向かった。
ーーーーー
「おはよう唯斗!」
寮を出て学園へ向かっていると声をかけられた。
「おう、おはよ陽」
「あ、これって寝癖の跡~?笑笑」
「水つけただけだからな…そんなわかりやすいか?」
「分かるっちゃ分かるけど気にならない程度?」
「んじゃいいか~。」
「めっちゃ適当じゃん。」
寝癖を例にして言うのもなんだが陽は人の変化によく気づく。見た目の変化でも感情の変化でもだ。
俺の調子が悪い時とかもよく気づいてくれて、いつも助かっている。
「あ、そういえば昨日の子達はちゃんと帰れた?」
「あぁ、何事も無く……」
「お前らは今日も一緒だな、おはよう」
「わっ、常守先輩~おはようございまーすっ!」
「おはようございます~」
風紀委員会が校門に立っていた。
前まではやってなかったはずだが、最近の学園の雰囲気からして風紀を正しているようだ。
「朝から大変ですね。」
「これくらいは嫌でもやらないとな……あと昨日の夜は迷惑かけて済まなかったな。」
「あれくらい全然大丈夫ですよ」
「ちょっと~?今さっき何事も無かったって言ったよねぇ?」
「久しぶりに会えたしちょっと喋っただけだって笑」
「ほんとかぁ~? まぁでもほんと風紀委員会大変そうですよね、最近。」
「あぁ、例の1年と言い生徒会長といい取り締まるべきものが増えたからな……朝からこんな話するもんでもないだろ。お前らも早く教室に向かえ。」
「はーいっ」
「じゃ、また。」
風紀委員の方々にぺこりと頭を下げて校門を通る。
「それにしても生徒会長が興味持った生徒とかどんなやつなんだろうね」
「ん?気になるのか?」
「いや極力関わりたくないなーって。」
「それはそうだな。」
学園ではファンの多い有名人とはあまり関わらないのが1番いい。
ファンの性質にもよるが、過激なファンの多い生徒会長とかは関わればその後どうなるか分からない。
噂では何人かの生徒が不登校になったことがあるとかないとか。
噂に過ぎないが気をつけるに越したことはないと思う。
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