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大学生

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今日は生憎の雨

雨は嫌い。だって、ずっと一人だったから。

雷はもっと嫌い。

てゆうか、晴れ以外全部嫌い。


重い足取りで大学に向かう。




雛『おはよう』





「お、おはよう…」



雛(なんだ?この感じ。なんかクラスからすごい目で見られてるんだけど

  あ、もしかして…)


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・・・・・・・・・
・・・・・
・・


仲の良かった女友達はいたが、うわべだけでいじめの対象になっていた。
悪口を言いふらしているという噂がある。孤独を感じている。
1人でも、大学は卒業して自立できるようになりたい。
でも、苦しい。
そんな自分の支えになっているのが、アイドルのライブDVDだった。




雛(なるほどねー…。これはまた大変な人生になりそうだ。
ってか、また悪口言いふらしてるとか変な状況じゃん。
神様、私に試練与えすぎじゃない…?)




『では今から講義を始めます。
二人ペアになって、この議題に対して調べ学習を行ってください。』




雛(ほんっと嫌い。こうゆうペアでやるのって。
教授も私が一人になるってわかってるでしょ…)




『あのー、良かったら僕とペアになりませんか…?』






え?



そこには、眼鏡をかけたボサボサ頭。
服はヨレヨレのTシャツを着ていた男の子。



雛『えっと、、私で大丈夫ですか?
多分色んな人からすごい目で見られると思いますが…』



『?別に人の目気にしてないしいいよ。
俺、単位が取れればいいんで。』



な、なんとなくいい人…なのかな?


『あー、すみません。名前名乗るの忘れてましたね。
俺、成瀬 風斗なるせ ふうとっています。
適当に成瀬って呼んでください。』


雛『あ、えっと。私は如月雛っていいます。
私も適当に呼んでくれると助かります。』


成瀬『うん。わかった。敬語堅苦しいからやめよ。
課題適当に早く終わらせたい。』




成瀬がすごい頭がいいのだろうか。一瞬で課題が終わった。
髪はボサボサであまり顔が見えなかったが、
たまに見える笑顔がとっても無邪気で
可愛らしく思えて、少しきゅんとしてしまったのは
内緒である





成瀬『今日はありがとう。またの機会あったらよろしく。
あ、そういえば、なんかの縁だし連絡先交換しよ』





私たちは連絡先を交換した後、お互いに帰宅した





雛『疲れた。看護学生時代もきつかったけど、座学ってあんなにきつかったけ?
しかし、成瀬くん。良い人だったけど
職場の次は、大学でもいじめられるのか…
気が乗らないなぁ』








そこから数日
大学でよく成瀬くんと話すようになった。
こんな私でも、仲良くしてくれて、クラスの状況も知ってくれているせいもあり
守ってくれることもあった




『あいつ男好き?マジビッチじゃん』

『家に何人もの男連れ込んでるってはなし聞いた?』

『え?私パパ活しまくってるって聞いたよ』





根も葉もないうわさばっかり。
でも1人の友達ができただけでも
こんなに心強いとはね。

なんとかやっていけそうだ。




成瀬『そういえば、俺明日から数日いないわ』

雛『あら、そうなんだ。なんか用事?』

成瀬『まぁ、そんなとこ。てか如月大丈夫なの?
   なんかあったらすぐ言えよ。』

雛『大丈夫だって!優しいね』

成瀬『そりゃ、まぁ、友達だから。』







成瀬は優しい。
だから巻き込んではいけない。
自分のことは自分でしなくちゃ。
誰にも頼ってはいけない。迷惑かけてしまう。







雛『ただいま。…ん?何この封筒』



”星乃芸能事務所”



(あっ!こないだのオーディションの奴じゃん!!
どうせ不合格何だろうなぁ…
ああごめんね雛ちゃん…)



そう思いながら封筒を開ける


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・・・



”如月 雛様。

男性アイドル5名、女性アイドル1名、計6人ユニットのオーディションに

参加いただきありがとうございます。

つきましては




採用となりましたので、明日星乃事務所の方へ来てください

アイドルとの顔合わせがあります。








雛『え~!!!!受かったの!?
しかも待って!!女性だけのアイドルグループかと思ったら
男性含めてのアイドルユニット!?
しかも、女子1人って…
そんなアイドル聞いたことないけど…
でも、この子の夢だったみたいし、一応行ってみるか。』









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如月雛。18歳。今日からアイドルになるみたいです。
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