3 / 14
突き抜けた腹黒第二皇子の執着がすぎる点について
2 誘拐された
しおりを挟む
国の行事で離宮に行く際に、無理を言って兄上の馬車に一緒に乗った。この時はまだ正妃と側妃も少ないが交流があった。めったに言わない我儘だが、おれの母はおれに止めるよう言ってきた。
兄上の馬車の前で、「一緒にのる」と言い張っていると、兄上が「いいよ」と返事をし、おれに手を伸ばしてきた。おれは兄上の腕を引っ張って馬車の中に入った。しぶる正妃も最後には許してくれたが、かなり怒っていたようだ。
兄上の手を握る。絶対に離さない。小さくて柔らかい手だ。
馬車内では兄上の膝にしがみつく。
「ルオ、こっちおいで」
兄上は、いまだ舌足らずなのかレオがルオに聞こえる。
それを聞くと堪らない気持ちになる。
兄ぶっておれを座面に寝かせて膝枕をしてくれる。
おれは兄上の膝の上に頭をのせ、柔らかいお腹を抱きしめて兄上を堪能する。
馬車が急に止まったと思うと、外が騒がしい。荒々しい音が聞こえる。剣を交える音も。
静かになったと思ったら、馬車が急発進する。
途中フードを被った男たちが、扉を開けたかと思うと側にいた侍女を切り捨て、二人とも簡単に袋に入れられて運ばれた。
「レオ!」
兄上の声が聞こえる。真っ暗な袋の中で乱暴にどこかに連れて行かれる。
袋から出されると、ジメジメした窓のない地下室だった。
蝋燭が一本壁にユラユラと揺れているから空気はどこからか入ってきているのだろう。
縄で縛られていないので、二人で無事を確認して抱きしめ合う。
おれは恐怖よりも兄上と二人でいれることが嬉しかった。怯えているけれど、おれの前で強気な兄上が愛おしい。
「大丈夫だよ。ルオおれがいるからね」おれはぎゅっと兄上の服を握った。
ガチャリと重い音が聞こえると、蝋燭を持った男が入ってきた。上半身は裸でだらしなくヨレヨレのチョッキを着ている。
男は髪の色でステファンを判別し、つまみあげると顔を見て口笛を吹いた。下卑た笑いをする。
「こりゃいいや」
嬲るように兄を殴る。
あきらかに遊んでいるが、華奢な兄上は嬲られながら苦痛の声を上げる。涙に濡れた顔を見て男は喜んでいる。
「お前が悪いんだ。平民が苦しんでるいるっていうのに贅沢しやがって」
兄上の服を無理矢理剥がしていく、床に寝かせて大きな手で兄上のきめ細かい肌をまさぐっていく。
ざらついた手が触れていく度、兄上の肌が擦れて赤くなる。
男の目がぎらぎらして、赤い顔から興奮していることがわかる。
兄は泣きながら体を震わせている。
男の荒い息と淫靡な空気が、暗い地下室に流れている。男は汚い陽の物を取り出して、白い兄上の肌にこすりつけて下卑た笑いをする。
おれは恐怖と理由のわからない興奮で震えていた。何かはわからないが男の一挙一動に泣く兄上の表情や姿を一つも見逃してはいけないと、息を潜めて見ていた。
大きな音がして男の仲間が入ってきた。
「何してんだテメ。それ以上やったらただじゃすませねーぞ。壊れたら取引できねーだろ」
手を出すなと頭を叩かれている。男は誤魔化すように兄上を持ち上げて、床に放り投げる。おれの前に血と涙と埃で汚れた兄上が転がってきた。兄上の腹部には男の体液がナメクジが這ったようにてらてらと光っていた。
男がまた殴ろうと手を振り上げた。兄はおれに気付くと庇うようにおれの前に座る。
「ルオに手を出したら許さない」
もうすでに殴られて怖いはずなのに、弟のおれを助けようとする姿に感動する。
今まで殴られたこともないだろうに。
「ルオ後ろに下がって」とおれを庇おうとする。
男がちっと舌打ちしながら兄上を軽く蹴っている。
兄上が「あ」と言って倒れこむ。「ルオ逃げて」必死に顔を上げて俺に訴えてくる。涙を流しながらの懇願に体が震える。傷つけられながらもおれを庇う兄が尊い。
まだしっつこく兄上に構おうとする男が許せない。この兄上に触っていいのも、傷つけていいのも、涙を見てもいいのはおれだけなんだ。何人も兄上に触るのを許さない。
おれのなかで雷を受けたような天啓が落ちてきた。
おれは兄上のために存在している。兄上はおれのために存在している。
それが正解だった。
兄上の馬車の前で、「一緒にのる」と言い張っていると、兄上が「いいよ」と返事をし、おれに手を伸ばしてきた。おれは兄上の腕を引っ張って馬車の中に入った。しぶる正妃も最後には許してくれたが、かなり怒っていたようだ。
兄上の手を握る。絶対に離さない。小さくて柔らかい手だ。
馬車内では兄上の膝にしがみつく。
「ルオ、こっちおいで」
兄上は、いまだ舌足らずなのかレオがルオに聞こえる。
それを聞くと堪らない気持ちになる。
兄ぶっておれを座面に寝かせて膝枕をしてくれる。
おれは兄上の膝の上に頭をのせ、柔らかいお腹を抱きしめて兄上を堪能する。
馬車が急に止まったと思うと、外が騒がしい。荒々しい音が聞こえる。剣を交える音も。
静かになったと思ったら、馬車が急発進する。
途中フードを被った男たちが、扉を開けたかと思うと側にいた侍女を切り捨て、二人とも簡単に袋に入れられて運ばれた。
「レオ!」
兄上の声が聞こえる。真っ暗な袋の中で乱暴にどこかに連れて行かれる。
袋から出されると、ジメジメした窓のない地下室だった。
蝋燭が一本壁にユラユラと揺れているから空気はどこからか入ってきているのだろう。
縄で縛られていないので、二人で無事を確認して抱きしめ合う。
おれは恐怖よりも兄上と二人でいれることが嬉しかった。怯えているけれど、おれの前で強気な兄上が愛おしい。
「大丈夫だよ。ルオおれがいるからね」おれはぎゅっと兄上の服を握った。
ガチャリと重い音が聞こえると、蝋燭を持った男が入ってきた。上半身は裸でだらしなくヨレヨレのチョッキを着ている。
男は髪の色でステファンを判別し、つまみあげると顔を見て口笛を吹いた。下卑た笑いをする。
「こりゃいいや」
嬲るように兄を殴る。
あきらかに遊んでいるが、華奢な兄上は嬲られながら苦痛の声を上げる。涙に濡れた顔を見て男は喜んでいる。
「お前が悪いんだ。平民が苦しんでるいるっていうのに贅沢しやがって」
兄上の服を無理矢理剥がしていく、床に寝かせて大きな手で兄上のきめ細かい肌をまさぐっていく。
ざらついた手が触れていく度、兄上の肌が擦れて赤くなる。
男の目がぎらぎらして、赤い顔から興奮していることがわかる。
兄は泣きながら体を震わせている。
男の荒い息と淫靡な空気が、暗い地下室に流れている。男は汚い陽の物を取り出して、白い兄上の肌にこすりつけて下卑た笑いをする。
おれは恐怖と理由のわからない興奮で震えていた。何かはわからないが男の一挙一動に泣く兄上の表情や姿を一つも見逃してはいけないと、息を潜めて見ていた。
大きな音がして男の仲間が入ってきた。
「何してんだテメ。それ以上やったらただじゃすませねーぞ。壊れたら取引できねーだろ」
手を出すなと頭を叩かれている。男は誤魔化すように兄上を持ち上げて、床に放り投げる。おれの前に血と涙と埃で汚れた兄上が転がってきた。兄上の腹部には男の体液がナメクジが這ったようにてらてらと光っていた。
男がまた殴ろうと手を振り上げた。兄はおれに気付くと庇うようにおれの前に座る。
「ルオに手を出したら許さない」
もうすでに殴られて怖いはずなのに、弟のおれを助けようとする姿に感動する。
今まで殴られたこともないだろうに。
「ルオ後ろに下がって」とおれを庇おうとする。
男がちっと舌打ちしながら兄上を軽く蹴っている。
兄上が「あ」と言って倒れこむ。「ルオ逃げて」必死に顔を上げて俺に訴えてくる。涙を流しながらの懇願に体が震える。傷つけられながらもおれを庇う兄が尊い。
まだしっつこく兄上に構おうとする男が許せない。この兄上に触っていいのも、傷つけていいのも、涙を見てもいいのはおれだけなんだ。何人も兄上に触るのを許さない。
おれのなかで雷を受けたような天啓が落ちてきた。
おれは兄上のために存在している。兄上はおれのために存在している。
それが正解だった。
50
あなたにおすすめの小説
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』
バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる