窓際の不思議な彼

tatudoshinosasoriza

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窓際の不思議な彼-part4-夢

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「〇〇学校の〇〇クラスの」
「窓際にいる不思議な彼に」
「困っていることを話すと」
「解決するらしいよ」
「解決できた人を知ってる」
「ただのデマだよ」
「誰なの?」
「その学校の生徒らしい」
「その学校の生徒じゃないって聞いた」
「先生らしいよ」
「部外者だって」
「すごいイケメンだって」
「すごい可愛い女の子だよ」
「汚いおじさん・・・」
「優しいおばあちゃん」
「近所の悪ガキ」
「赤ちゃん・・・」
「印象にも残らない普通の人」
「彼は学校だけにいる訳じゃない」
「あの喫茶店でよく見るって!」
「パッと見で雰囲気が違うのが分かるって」
「自分から話したくなるんだって」
「なにそれ、怖くない?」
街の様々な所でそんな噂の話がされている。


■夢
「ここ・・・いいっすか?」
「あの・・・窓際の彼の噂って知ってます?」
「すません。なんでもないっす」


「んだよ。やっぱりただの噂かよ」
「俺もどうかしてるな・・・」
「なにを話そうってんだよ・・・」


「おう。おはよ」
「昨日の世界戦見た?」
「見てない?」
「そっか・・・」


「屋上で吸うたばこは格別だな」
「え?ああ、いいの、いいの」
「俺、なにしてても勝っちゃうから」


「はあはあ。あと5キロっすか?」
「はい。余裕です」
「大丈夫ですよ」


「あー疲れた」
「余裕ぶるのも疲れる・・・」
「あ・・・たばこ切らしてる」


「は?年齢確認?」
「いやいや、どう見ても大人でしょ?」
「はいはい。分かりましたよ・・・」


「クソ!んだよ」
「うおっ!?」
「すません。気付かなくて・・・」
「え?ああ・・・」
「見てたんですか・・・」
「え?いいんすか?ありがとうございます」
「一本、いただきます」
「ふう。うまっ」
「ええ。そうなんです」
「ボクシングやってます」
「はは。いや、全然無名ですよ」
「まだ学生ですもん」
「・・・あっ・・・」
「え、ええ。いや・・・」
「ああ、良かったー」
「そういうの気にしない方で」
「なにかにつけて言われるんですよ」
「これは大丈夫か?あれは大丈夫か?って」
「そんなもんお前らが気にすんじゃねー!」
「って感じっす」
「多分、才能はある方だと・・・」
「ジムの人や親からも言われます」
「プロデビュー・・・そすね・・・」
「多分、そうなるんでしょうけど・・・」
「え?もう一本?あざます!神っす!」
「うっま・・・」
「次から俺もこの銘柄にしよ!」
「俺・・・ボクシングが好きか分かんないです」
「友達について行ったんですよ、最初は」
「それで、パンチ力があるとか」
「センスがあるって言われて・・・」
「嬉しかったんすよね」
「それから友達とジムに通って・・・」
「友達は辞めました。俺の方が才能あるからって」
「頑張れよって言われました」
「でも、俺、そいつと仲良かったから・・・」
「そいつとやるのが楽しかったんです・・・」
「なんかそれから学校でもそいつと距離が・・・」
「はあ。正直、いつ辞めても後悔はないんすよ」
「プロに行ったところで、ねえ?」
「俺、楽しいことって、もっと、なんていうか・・・」
「身体が熱くなったり、時間が経つのが早かったり」
「なにも考えられなくなったり」
「そういうもんだって、知ってるんですよ」
「でも、ボクシングやってて、それを感じない・・・」
「多分ですけど、俺みたいなのはプロになるべきじゃない」
「え?戦績ですか?」
「ふふん。なんと・・・」
「〇勝〇敗〇KO!」
「そんな微妙な顔しないでくださいよ(笑)」
「けっこう凄いんですよ!」
「まあ、別に胸を張れるようなものじゃないですけど」
「プロでもないし・・・」
「はあ。ただ楽しくやりたかっただけなんだな。俺」
「親は俺が何かに打ち込んでるのが嬉しいようで」
「俺、まあ見た目通りと言うか・・・」
「ちょっと喧嘩っ早いところがあって・・・」
「親が喜んでくれるのが嬉しいんですよね・・・」
「ジムの人からも学校卒業した後のこと考えてる?って」
「戦績は良いですけど、成績は終わってるんで(笑)」
「でもなー、俺の人生の分岐点て今なのかなー・・・」
「え?ジムにもいますよ。プロの世界でやってる人」
「うーん、でも・・・」
「ぶっちゃけ・・・」
「プロの人たちを見てても羨ましいとは思わないっす」
「だって、死ぬほどストイックなんですよ・・・」
「マジで、死ぬのが先か、勝つのが先かっていうくらい」
「もし勝っても、名前がずっと残る訳じゃない・・・」
「あ、でも、テレビに出れるくらいなら別ですけど」
「そんな人は本当に一握りですし、運ですよ・・・」
「勝ったら、また次の試合。敗けたら終わり・・・」
「なんか・・・意味あるのかな?って・・・」
「うわっ。俺、恥ずい。すいません・・・」
「たばこもらったうえに、変な話しちゃって・・・」
「あの、なにかお返しに・・・」
「え?そうすか?すいません。ありがとうございました」
「はい。はい!頑張ります!」













「お久しぶりです。覚えてます?」
「そうっす・・・じゃなかった」
「そうです。ボクシングの」
「いつぶりですかね」
「え?はは。だいぶ印象変わりましたよね?」
「かなり絞りました」
「髪も今は坊主じゃないと驚かれます(笑)」
「いえ、もうたばこは・・・」
「はい。お会いしてからプロボクサーの試験を受けました」
「結果はですね・・・」
「あと一人に勝てば・・・というところで」
「敗けました!」
「まあ、KOされたとかではなく、地力が出たというか」
「内容的に完敗ってやつです」
「基礎をおろそかにしていたのがもろバレです」
「あと、スタミナが死んでました(笑)」
「しかも、ですよ。敗けた相手が・・・」
「一緒にジムに行ってた友達でした!」
「いやー、あの時は試合前なのに笑っちゃったな」
「ジムの人に怒られましたよ。なに笑ってんだって」
「でもね、相手も同じだったようで・・・」
「お互いに、笑ってたんですよ・・・」
「これから殴り合いをする二人が・・・」
「もちろん、試合が始まってからは必死ですよ」
「お互い、敗ける訳にはいかないんですから」
「無我夢中。身体が熱くなって・・・」
「時間もゴングも耳に入らない」
「相手を倒すことだけに集中してた」
「めっっっっちゃ、楽しかったです!」
「試合が終わった後、ジムの人たちから言われました」
「全然練習通りにできていない!」
「なんだあの動きは!」
「指示に従え!」
「って」
「俺、自分がどんな動きをしていたか・・・」
「記憶にないんですよ・・・」
「でも、ただただ楽しかった・・・」
「それだけは覚えてます」
「はは。そうですね」
「最初にお会いした時よりはマシになってると思います」
「あっ、ヤベ・・・」
「そろそろ行かないと」
「俺、ひとつ夢が出来ました!」
「あいつに絶対リベンジします!」
「もうボッコボコにしてやります(笑)」
「あいつは、今は遠い存在ですけど」
「すぐに追いついてやりますよ!」
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