11 / 75
窓際の不思議な彼-part11-旅人
しおりを挟む
■旅人
「ふう・・・」
「熱いなー。日本は」
「何年ぶりかな・・・」
「さてと・・・」
「あれ?」
「いないのかな・・・」
「まいったな・・・」
「あちい・・・」
「図書館か・・・」
「懐かしいな・・・」
「昔、よく来たっけ・・・」
「涼しい・・・」
「どのくらいで帰って来るかな・・・」
「本か・・・」
「本当に・・・久しぶりだ・・・」
「え?ああ、すいません」
「もう閉館ですね?」
「さてと・・・」
「もう帰ってるかな?」
「・・・ただいま」
「うん。なんとかね」
「はは。小汚くなった?」
「うん。うん」
「元気そうで良かったよ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「父さんは?」
「そう。もうすぐ?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あっ・・・」
「おかえり・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「うん。何年ぶりかな・・・」
「え?うん。もらうよ・・・」
「じゃあ、乾杯」
「うまい」
「え?うん・・・」
「そんなに長くはいない・・・かな」
「うん。ごめん」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「父さん、母さん」
「聞いてほしいことがあります」
「俺、結婚しました」
「実は子供もできました」
「まだ産まれてないけど」
「うん。突然でごめん・・・」
「うん。向こうでね。奥さんと知り合って」
「どこの街?」
「いや、街っていうか・・・」
「村・・・かな」
「うん。ずっといろんなところに行ってね」
「最終的にそこに落ち着いた・・・」
「うん。本当は奥さんも連れて来たかったけど・・・」
「子供がお腹にいるし・・・」
「急に人が溢れているところに来るのも・・・」
「本当はね、帰ってくる気は無かったんだ・・・」
「すごい迷ったんだ」
「勝手に出て行って、勝手に生きてきた自分が・・・」
「今更、どの面下げてって・・・」
「・・・」
「ある人にね、言われたんだ・・・」
「本当に後悔は無いのか」
「報告するのがケジメじゃないかって・・・」
「うん。ああ、いや・・・」
「日本人の・・・」
「若い男の人だよ・・・」
「学生さん、かな・・・」
「うん。買い出しで街に出ることがあってね」
「街にはカフェもあるし」
「奥さんを休ませようと思ってね」
「そしたら」
「カフェで日本語を話している人がいてね・・・」
「今の機械はすごいね」
「機械に話せば翻訳してくれるんだね」
「反射的に話し掛けたんだ」
「うん。奥さんと一緒に窓際の席でね」
「周りを見たら他にも日本の方がいてね」
「彼と話しているうちにね・・・」
「日本で過ごしていた時のことを思い出したよ」
「さっきね・・・」
「図書館に行ったよ」
「うん。昔、みんなでよく行ったよね・・・」
「たくさん、絵本や本を読んでくれた・・・」
「奥さんがね・・・」
「お腹の子に聞かせるんだって・・・」
「絵本や子供用の本を読むんだ・・・」
「なんだか、懐かしくなって・・・」
「こうして、帰って来た・・・」
「・・・」
「え?」
「いつ頃、産まれるか?」
「まだまだだよ。本当に最近なんだ・・・」
「うん・・・」
「本当に?」
「遠いよ?・・・本当に・・・」
「分かったよ・・・」
「ありがとう・・・」
「父さん、母さん・・・」
「ありがとう・・・」
「・・・嘘だろ?」
「やあ、覚えてる?」
「ここら辺に住んでるの?」
「よく来るの?この図書館」
「たまたま?」
「はは・・・ははは」
「いや、突然ごめん」
「そんな偶然ある?と思ってさ」
「え?うん。確かにね・・・」
「こんなに広い世界で・・・」
「遠く離れた場所で・・・」
「僕と奥さんは出会った・・・」
「それに、君にも・・・」
「意外と・・・」
「世界は狭いのかもね・・・」
「ふう・・・」
「熱いなー。日本は」
「何年ぶりかな・・・」
「さてと・・・」
「あれ?」
「いないのかな・・・」
「まいったな・・・」
「あちい・・・」
「図書館か・・・」
「懐かしいな・・・」
「昔、よく来たっけ・・・」
「涼しい・・・」
「どのくらいで帰って来るかな・・・」
「本か・・・」
「本当に・・・久しぶりだ・・・」
「え?ああ、すいません」
「もう閉館ですね?」
「さてと・・・」
「もう帰ってるかな?」
「・・・ただいま」
「うん。なんとかね」
「はは。小汚くなった?」
「うん。うん」
「元気そうで良かったよ」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「父さんは?」
「そう。もうすぐ?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あっ・・・」
「おかえり・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「うん。何年ぶりかな・・・」
「え?うん。もらうよ・・・」
「じゃあ、乾杯」
「うまい」
「え?うん・・・」
「そんなに長くはいない・・・かな」
「うん。ごめん」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「父さん、母さん」
「聞いてほしいことがあります」
「俺、結婚しました」
「実は子供もできました」
「まだ産まれてないけど」
「うん。突然でごめん・・・」
「うん。向こうでね。奥さんと知り合って」
「どこの街?」
「いや、街っていうか・・・」
「村・・・かな」
「うん。ずっといろんなところに行ってね」
「最終的にそこに落ち着いた・・・」
「うん。本当は奥さんも連れて来たかったけど・・・」
「子供がお腹にいるし・・・」
「急に人が溢れているところに来るのも・・・」
「本当はね、帰ってくる気は無かったんだ・・・」
「すごい迷ったんだ」
「勝手に出て行って、勝手に生きてきた自分が・・・」
「今更、どの面下げてって・・・」
「・・・」
「ある人にね、言われたんだ・・・」
「本当に後悔は無いのか」
「報告するのがケジメじゃないかって・・・」
「うん。ああ、いや・・・」
「日本人の・・・」
「若い男の人だよ・・・」
「学生さん、かな・・・」
「うん。買い出しで街に出ることがあってね」
「街にはカフェもあるし」
「奥さんを休ませようと思ってね」
「そしたら」
「カフェで日本語を話している人がいてね・・・」
「今の機械はすごいね」
「機械に話せば翻訳してくれるんだね」
「反射的に話し掛けたんだ」
「うん。奥さんと一緒に窓際の席でね」
「周りを見たら他にも日本の方がいてね」
「彼と話しているうちにね・・・」
「日本で過ごしていた時のことを思い出したよ」
「さっきね・・・」
「図書館に行ったよ」
「うん。昔、みんなでよく行ったよね・・・」
「たくさん、絵本や本を読んでくれた・・・」
「奥さんがね・・・」
「お腹の子に聞かせるんだって・・・」
「絵本や子供用の本を読むんだ・・・」
「なんだか、懐かしくなって・・・」
「こうして、帰って来た・・・」
「・・・」
「え?」
「いつ頃、産まれるか?」
「まだまだだよ。本当に最近なんだ・・・」
「うん・・・」
「本当に?」
「遠いよ?・・・本当に・・・」
「分かったよ・・・」
「ありがとう・・・」
「父さん、母さん・・・」
「ありがとう・・・」
「・・・嘘だろ?」
「やあ、覚えてる?」
「ここら辺に住んでるの?」
「よく来るの?この図書館」
「たまたま?」
「はは・・・ははは」
「いや、突然ごめん」
「そんな偶然ある?と思ってさ」
「え?うん。確かにね・・・」
「こんなに広い世界で・・・」
「遠く離れた場所で・・・」
「僕と奥さんは出会った・・・」
「それに、君にも・・・」
「意外と・・・」
「世界は狭いのかもね・・・」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる