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窓際の不思議な彼-part16-教師人生
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■教師人生
「みなさん。ありがとうございます」
「私の為に素敵な場を設けていただき」
「お礼申し上げます」
「ああ。これは、どうも」
「では、乾杯。いただきます」
「はは。まさかこうして・・・」
「定年まで教師人生を続けることができるとは」
「思いもしませんでしたよ・・・」
「え?どうでしょうねえ・・・」
「なんだか、長かったような・・・」
「短かったような・・・」
「よく分からない不思議な感覚ですね・・・」
「ただ、寂しい・・・という思いはあります」
「まだ、去るまでには時間がありますが・・・」
「急にみなさんや生徒達との接点が無くなる・・・」
「そう考えると・・・やはり寂しいですな・・・」
「ああ、すいません。湿っぽくなるのはやめましょう」
「自分から言っておいてなんですが」
「え?私のこれまでの話ですか?」
「いやー、大した話なんてありませんよ」
「粛々と仕事をしていただけですから・・・」
「そうですか?」
「では・・・うーん」
「まあ、やはり記憶にあるのは、生徒達のことですな」
「いやー、本当に時代は変わりましたな・・・」
「私が教師を始めた頃は先生も生徒も激しかったですよ」
「体罰・・・そうですね。許されるものではありません」
「もちろん、私も肯定はしませんが・・・」
「中々、話し合いでは済まないことが多かったですな」
「私?私なんかは昔からこんなですから・・・」
「先生にも生徒達にもいいようにされてましたよ」
「それに、問題のある激しい関係性ばかりでも無かった」
「差が激しかったですな。勉学に励む者もいれば」
「スポーツに励む者、やんちゃな者、それ以外も・・・」
「まあ、それが人というやつですな」
「それぞれ、みんな違って、みんな良い」
「ん?特に印象に残っている生徒ですか?」
「ええ。ええ。いましたよ。やっぱり」
「一目見て、この子は何かが違うなというのが」
「分かるものなんですな・・・」
「纏う空気感というか、雰囲気というか・・・」
「不思議なものです」
「今でも、テレビに出てる子もいますよ」
「芸能人」
「タレント・・・というのかな?」
「お笑い芸人」
「ニュースで取り上げられるスポーツ選手もいました」
「映画に出ている俳優」
「本を出版した子」
「会社の経営者」
「幸せな家庭を築いた子」
「夢を追いかけていた子」
「ふふ。本当に様々でしたな」
「私も、もっと記憶力が良ければ・・・」
「全員のことを憶えていられたのですが・・・」
「中々、全員を憶えていることは叶いませんな」
「ああ、ほら。みなさん。食べたり飲んだりしてください」
「こんな老人の言葉など聞かなくて良いのですよ」
「ふふ。みなさん。お若い。羨ましいものです」
「ええ。定年後は妻と旅行にでも」
「散々、好き勝手してきましたから・・・」
「少しは労わないとね・・・」
「罰が当たります」
「え?もし、生まれ変わったら?また、教師になるか?」
「はは。そうですね・・・」
「私は、この道しか知らないですから・・・」
「そうですね、また、教師になれるなら・・・」
「なるでしょうな・・・」
「おや?寄せ書き?生徒達の?」
「ああ。私が顧問をしている部活の・・・」
「おお。なんと嬉しいものでしょうか」
「ふふ。みんな、素晴らしい子達です」
「ええ。文学部と漫画研究部を統合して・・・」
「なんとか、廃部にならずに済みましたな・・・」
「前の学校でも、そうだったんですよ」
「ああ。そういえば・・・」
「前の学校でも印象深い子がいましたな」
「ええ。その子も、やはり、雰囲気や空気感が違いました」
「なんというか、良い話し相手になってくれましたよ」
「分け隔てなく、誰とでも、よく話をしていましたな」
「ええ。彼の周囲には自然と人がいましてね」
「それに、笑顔が多かったですな」
「悩みを抱えた子が彼に相談しているという噂もありました」
「素敵なことです」
「先生ではなく、同じ年頃の子達で悩みを話す・・・」
「それも大事なことですからね」
「私も、彼とは色んなことを話しましたな」
「物知りで難解な本を読んでいました」
「窓際の席でね。その様が良く似合っていましたよ」
「?」
「ほう?そんな噂があるのですか?」
「はは。彼ではないでしょう。もうずっと昔のことですから」
「良いことですね。解決できる悩みなら・・・」
「解決できた方が良いでしょう」
「本日はありがとうございました」
「素晴らしい時間を過ごすことができました」
「残り少ない時間ではありますが、宜しくお願い致します」
「ただいま。ああ。久しぶりに飲んだよ」
「ああ。うん。ありがとう。じゃあ、水をもらうよ」
「ふう・・・」
「ああ。ありがとう。ん?何かあるのかい?」
「これは?寄せ書き?と、本?」
「誰かが持って来たのかい?」
「え?前に勤めてた学校の?」
「漫画研究部の子達が?」
「OBのような子も?」
「おお。なんと・・・」
「こんなこともあるんだねえ・・・」
「もう、接点の無い子達なのに・・・」
「あれ?寄せ書きの、この名前と本の作者の名前・・・」
「ああ・・・」
「あの子か・・・」
「ふふ。ありがとう・・・」
「まだ・・・」
「繋がりをもってくれるのかい?」
「みなさん。ありがとうございます」
「私の為に素敵な場を設けていただき」
「お礼申し上げます」
「ああ。これは、どうも」
「では、乾杯。いただきます」
「はは。まさかこうして・・・」
「定年まで教師人生を続けることができるとは」
「思いもしませんでしたよ・・・」
「え?どうでしょうねえ・・・」
「なんだか、長かったような・・・」
「短かったような・・・」
「よく分からない不思議な感覚ですね・・・」
「ただ、寂しい・・・という思いはあります」
「まだ、去るまでには時間がありますが・・・」
「急にみなさんや生徒達との接点が無くなる・・・」
「そう考えると・・・やはり寂しいですな・・・」
「ああ、すいません。湿っぽくなるのはやめましょう」
「自分から言っておいてなんですが」
「え?私のこれまでの話ですか?」
「いやー、大した話なんてありませんよ」
「粛々と仕事をしていただけですから・・・」
「そうですか?」
「では・・・うーん」
「まあ、やはり記憶にあるのは、生徒達のことですな」
「いやー、本当に時代は変わりましたな・・・」
「私が教師を始めた頃は先生も生徒も激しかったですよ」
「体罰・・・そうですね。許されるものではありません」
「もちろん、私も肯定はしませんが・・・」
「中々、話し合いでは済まないことが多かったですな」
「私?私なんかは昔からこんなですから・・・」
「先生にも生徒達にもいいようにされてましたよ」
「それに、問題のある激しい関係性ばかりでも無かった」
「差が激しかったですな。勉学に励む者もいれば」
「スポーツに励む者、やんちゃな者、それ以外も・・・」
「まあ、それが人というやつですな」
「それぞれ、みんな違って、みんな良い」
「ん?特に印象に残っている生徒ですか?」
「ええ。ええ。いましたよ。やっぱり」
「一目見て、この子は何かが違うなというのが」
「分かるものなんですな・・・」
「纏う空気感というか、雰囲気というか・・・」
「不思議なものです」
「今でも、テレビに出てる子もいますよ」
「芸能人」
「タレント・・・というのかな?」
「お笑い芸人」
「ニュースで取り上げられるスポーツ選手もいました」
「映画に出ている俳優」
「本を出版した子」
「会社の経営者」
「幸せな家庭を築いた子」
「夢を追いかけていた子」
「ふふ。本当に様々でしたな」
「私も、もっと記憶力が良ければ・・・」
「全員のことを憶えていられたのですが・・・」
「中々、全員を憶えていることは叶いませんな」
「ああ、ほら。みなさん。食べたり飲んだりしてください」
「こんな老人の言葉など聞かなくて良いのですよ」
「ふふ。みなさん。お若い。羨ましいものです」
「ええ。定年後は妻と旅行にでも」
「散々、好き勝手してきましたから・・・」
「少しは労わないとね・・・」
「罰が当たります」
「え?もし、生まれ変わったら?また、教師になるか?」
「はは。そうですね・・・」
「私は、この道しか知らないですから・・・」
「そうですね、また、教師になれるなら・・・」
「なるでしょうな・・・」
「おや?寄せ書き?生徒達の?」
「ああ。私が顧問をしている部活の・・・」
「おお。なんと嬉しいものでしょうか」
「ふふ。みんな、素晴らしい子達です」
「ええ。文学部と漫画研究部を統合して・・・」
「なんとか、廃部にならずに済みましたな・・・」
「前の学校でも、そうだったんですよ」
「ああ。そういえば・・・」
「前の学校でも印象深い子がいましたな」
「ええ。その子も、やはり、雰囲気や空気感が違いました」
「なんというか、良い話し相手になってくれましたよ」
「分け隔てなく、誰とでも、よく話をしていましたな」
「ええ。彼の周囲には自然と人がいましてね」
「それに、笑顔が多かったですな」
「悩みを抱えた子が彼に相談しているという噂もありました」
「素敵なことです」
「先生ではなく、同じ年頃の子達で悩みを話す・・・」
「それも大事なことですからね」
「私も、彼とは色んなことを話しましたな」
「物知りで難解な本を読んでいました」
「窓際の席でね。その様が良く似合っていましたよ」
「?」
「ほう?そんな噂があるのですか?」
「はは。彼ではないでしょう。もうずっと昔のことですから」
「良いことですね。解決できる悩みなら・・・」
「解決できた方が良いでしょう」
「本日はありがとうございました」
「素晴らしい時間を過ごすことができました」
「残り少ない時間ではありますが、宜しくお願い致します」
「ただいま。ああ。久しぶりに飲んだよ」
「ああ。うん。ありがとう。じゃあ、水をもらうよ」
「ふう・・・」
「ああ。ありがとう。ん?何かあるのかい?」
「これは?寄せ書き?と、本?」
「誰かが持って来たのかい?」
「え?前に勤めてた学校の?」
「漫画研究部の子達が?」
「OBのような子も?」
「おお。なんと・・・」
「こんなこともあるんだねえ・・・」
「もう、接点の無い子達なのに・・・」
「あれ?寄せ書きの、この名前と本の作者の名前・・・」
「ああ・・・」
「あの子か・・・」
「ふふ。ありがとう・・・」
「まだ・・・」
「繋がりをもってくれるのかい?」
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