【R18】廊下の奥にある扉は開けないでくださいね? 絶対ですよ?

チハヤ

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だから開けちゃ駄目って言ったのに※

「時谷く、ごめ、なさ……っ、私が悪かったです……お願、許して……!」

「――だから開けちゃ駄目って言ったのに」
「あ……」

 私が首を反らして自分の頭上に視線を向けると、唯一の出口である重たい扉が開いていた。甘ったるい香りが充満したこの空間に、爽やかな花の香りが紛れ込む。
 そして、人工的な光を背にした男の子がひっくり返って見えた。
 服に乱れがなく、紅茶とケーキを乗せたお盆を手に持った彼は、先ほどまで一緒に勉強していた時谷くん本人だ。

 時谷くん、助けに来てくれたの……?

「でもね……僕は信じてました。綾瀬さんならこの扉を開けてくれるって」
「っ!」

 上気した頬に、熱っぽい声。狂気を孕んだ微笑みは、淡い期待を打ち砕く。

 私は間髪入れずに最後の力をふり絞った。これは多分、火事場の馬鹿力としか言いようがない。
 触手から抜け出し、裸の時谷くん達を押しのけて、ぽっかり口を開けた最後の希望に向けて走る……!

「はっ、はっ、はぁっ」

 自分が裸だということを気にしている余裕はなかった。この悪夢から逃げ出すには今しかないのだ。
 転びそうになりながらも長い廊下に滑り出て……トイレの扉の前を通り、いくつかの扉を超え、時谷くんの部屋の前も通り過ぎ、一階へと続く階段の手前で、

「……逃がさない」
「きゃあっ!?」

 赤黒い触手が足首に絡みついてきた。
 蹴躓き、白い廊下に顔面から突っ込む直前に、一際横幅の広い触手が素早く伸びてきた。

「あぁぁあっ!」

 痛みの代わりに、頭からつま先まで痺れるような快感が走る。
 私の体の下敷きとなった、幅広で帯状の触手の表面には毛足の長いラグみたいな細かい触手が密集して生えている。敏感になっている私をその細い触手の一本一本が受け止め、肌を撫でたのだ。

「うぁぁ……っやっ、ああっ!」

 体を起こそうとするも、固く尖った胸の先端とぐしょぐしょに濡れた割れ目を自ら触手に擦りつけるはめになる。
 あともう少しなのに。目の前の階段を降りたいのに……意図せず達してしまった体から力が抜ける。
 びくびく震える私の体は、ブラシのようなイソギンチャクのような触手の海にまた深く沈んでいった。

「……不思議、ですよね。この土地を購入する際に出された条件が『屋敷を解体してもあの扉だけは再利用すること』だったんです。それで仕方なく二階の一番奥の部屋の扉にしました。住んでみてわかりました。この部屋は、この家に住んでる人間の内に秘めた欲望を具現化するんですよ。夫婦仲が良くてお互いさえいれば他に何もいらないとよく言っていた僕の両親は、この部屋から帰ってこなくなりました」
「うっ、あ、あ……っ」

 細かい触手にさわさわと肌を撫でられながら、私は背後に視線を向ける。
 開け放たれた古い金属製の扉の先には赤い肉の部屋が見える。その中で、私を手招きするように触手がうごめいていた。
 そして、時谷くんが笑っている。

 あの部屋に連れ戻されたら、
 時谷くんに捕まったら、
 私はもう二度と家に帰れない――


「いや、やっ、や――あぁぁあっ!」

 恐ろしくて、這いつくばってでも階段に近付こうとした私の下半身に、今までの比じゃない鋭い刺激が加えられる。
 体の中できっと最も敏感な部位である陰核をなにかに強く引っ張られていた。

「……本当はこんな醜悪な僕の本性、綾瀬さんには知られたくなかった。でも、どれだけ努力しても僕は綾瀬さんに相応しい男にはなれないんですよね。だから僕のこと、避けるんですよね?」
「ひっ、ちがっ、やらっやめてぇ……!」

 しゅっ、じゅるるるるっ
 吸盤型の触手に剥き出しのクリトリスをパクリと食べられ、吸い上げられて、目の前がチカチカ明滅する。

「ふぁ、ぁっ、あ――!」
「あああっ、すごいっ、嬉しいなぁ……っ、綾瀬さんが僕の触手でとろとろになって潮まで噴いちゃった……! こんなに醜くて気持ち悪い僕でも、綾瀬さんは感じてくれるんだぁ」

 おしっことは違う、透明な液体が私の股間からプシャと溢れる。私の下敷きとなっている触手がそれを吸収していく。

「それ以上僕から離れたらクリちゃん取れちゃうかもしれませんよ?」
「あっ、あぁあっ!!」

 きゅぽっきゅぽっ

 何度も何度もイキながら、一歩ずつ前へと這っていく私の指先がついに階段へ届いた瞬間、クリトリスの吸引を続ける触手の動きが活発になった。
きつくきつく吸い付く触手は、私がこれ以上進むことを許さない。

 きゅぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽっ

 階段を下りたら、すぐ目の前が玄関なの。時谷くんの家を出たら、徒歩一分の距離に私の家はあるの。
 だからだから、あの部屋には戻りたくないのに――!!

「綾瀬さん、おいで」
「ひっ、あっあっ、いやあああっ!!」

 足首だけではなく、太ももに腰に胸に腕に、舌のような触手がしゅるしゅると巻き付いてきて、私はもう限界だった。
 階段を掴んでいた手をパッと離したら、私の体はずるずると引きずられていく。
 廊下に敷かれた細い触手に全身を愛撫されながら、舌状の触手に舐め回されながら、そして陰核を吸引されながら、時谷くんの部屋の前を通り、いくつかのドアを過ぎて、トイレのドアともお別れして……

「綾瀬さん、愛していますよ」

 ついに、時谷くんに抱きとめられた。

「綾瀬さんのことが好きなのに、大切にしたいのに。あなたを汚したい、犯したいって思ってしまう僕をどうか許してください――」
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