4 / 5
だから開けちゃ駄目って言ったのに※
「時谷く、ごめ、なさ……っ、私が悪かったです……お願、許して……!」
「――だから開けちゃ駄目って言ったのに」
「あ……」
私が首を反らして自分の頭上に視線を向けると、唯一の出口である重たい扉が開いていた。甘ったるい香りが充満したこの空間に、爽やかな花の香りが紛れ込む。
そして、人工的な光を背にした男の子がひっくり返って見えた。
服に乱れがなく、紅茶とケーキを乗せたお盆を手に持った彼は、先ほどまで一緒に勉強していた時谷くん本人だ。
時谷くん、助けに来てくれたの……?
「でもね……僕は信じてました。綾瀬さんならこの扉を開けてくれるって」
「っ!」
上気した頬に、熱っぽい声。狂気を孕んだ微笑みは、淡い期待を打ち砕く。
私は間髪入れずに最後の力をふり絞った。これは多分、火事場の馬鹿力としか言いようがない。
触手から抜け出し、裸の時谷くん達を押しのけて、ぽっかり口を開けた最後の希望に向けて走る……!
「はっ、はっ、はぁっ」
自分が裸だということを気にしている余裕はなかった。この悪夢から逃げ出すには今しかないのだ。
転びそうになりながらも長い廊下に滑り出て……トイレの扉の前を通り、いくつかの扉を超え、時谷くんの部屋の前も通り過ぎ、一階へと続く階段の手前で、
「……逃がさない」
「きゃあっ!?」
赤黒い触手が足首に絡みついてきた。
蹴躓き、白い廊下に顔面から突っ込む直前に、一際横幅の広い触手が素早く伸びてきた。
「あぁぁあっ!」
痛みの代わりに、頭からつま先まで痺れるような快感が走る。
私の体の下敷きとなった、幅広で帯状の触手の表面には毛足の長いラグみたいな細かい触手が密集して生えている。敏感になっている私をその細い触手の一本一本が受け止め、肌を撫でたのだ。
「うぁぁ……っやっ、ああっ!」
体を起こそうとするも、固く尖った胸の先端とぐしょぐしょに濡れた割れ目を自ら触手に擦りつけるはめになる。
あともう少しなのに。目の前の階段を降りたいのに……意図せず達してしまった体から力が抜ける。
びくびく震える私の体は、ブラシのようなイソギンチャクのような触手の海にまた深く沈んでいった。
「……不思議、ですよね。この土地を購入する際に出された条件が『屋敷を解体してもあの扉だけは再利用すること』だったんです。それで仕方なく二階の一番奥の部屋の扉にしました。住んでみてわかりました。この部屋は、この家に住んでる人間の内に秘めた欲望を具現化するんですよ。夫婦仲が良くてお互いさえいれば他に何もいらないとよく言っていた僕の両親は、この部屋から帰ってこなくなりました」
「うっ、あ、あ……っ」
細かい触手にさわさわと肌を撫でられながら、私は背後に視線を向ける。
開け放たれた古い金属製の扉の先には赤い肉の部屋が見える。その中で、私を手招きするように触手がうごめいていた。
そして、時谷くんが笑っている。
あの部屋に連れ戻されたら、
時谷くんに捕まったら、
私はもう二度と家に帰れない――
「いや、やっ、や――あぁぁあっ!」
恐ろしくて、這いつくばってでも階段に近付こうとした私の下半身に、今までの比じゃない鋭い刺激が加えられる。
体の中できっと最も敏感な部位である陰核をなにかに強く引っ張られていた。
「……本当はこんな醜悪な僕の本性、綾瀬さんには知られたくなかった。でも、どれだけ努力しても僕は綾瀬さんに相応しい男にはなれないんですよね。だから僕のこと、避けるんですよね?」
「ひっ、ちがっ、やらっやめてぇ……!」
しゅっ、じゅるるるるっ
吸盤型の触手に剥き出しのクリトリスをパクリと食べられ、吸い上げられて、目の前がチカチカ明滅する。
「ふぁ、ぁっ、あ――!」
「あああっ、すごいっ、嬉しいなぁ……っ、綾瀬さんが僕の触手でとろとろになって潮まで噴いちゃった……! こんなに醜くて気持ち悪い僕でも、綾瀬さんは感じてくれるんだぁ」
おしっことは違う、透明な液体が私の股間からプシャと溢れる。私の下敷きとなっている触手がそれを吸収していく。
「それ以上僕から離れたらクリちゃん取れちゃうかもしれませんよ?」
「あっ、あぁあっ!!」
きゅぽっきゅぽっ
何度も何度もイキながら、一歩ずつ前へと這っていく私の指先がついに階段へ届いた瞬間、クリトリスの吸引を続ける触手の動きが活発になった。
きつくきつく吸い付く触手は、私がこれ以上進むことを許さない。
きゅぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽっ
階段を下りたら、すぐ目の前が玄関なの。時谷くんの家を出たら、徒歩一分の距離に私の家はあるの。
だからだから、あの部屋には戻りたくないのに――!!
「綾瀬さん、おいで」
「ひっ、あっあっ、いやあああっ!!」
足首だけではなく、太ももに腰に胸に腕に、舌のような触手がしゅるしゅると巻き付いてきて、私はもう限界だった。
階段を掴んでいた手をパッと離したら、私の体はずるずると引きずられていく。
廊下に敷かれた細い触手に全身を愛撫されながら、舌状の触手に舐め回されながら、そして陰核を吸引されながら、時谷くんの部屋の前を通り、いくつかのドアを過ぎて、トイレのドアともお別れして……
「綾瀬さん、愛していますよ」
ついに、時谷くんに抱きとめられた。
「綾瀬さんのことが好きなのに、大切にしたいのに。あなたを汚したい、犯したいって思ってしまう僕をどうか許してください――」
「――だから開けちゃ駄目って言ったのに」
「あ……」
私が首を反らして自分の頭上に視線を向けると、唯一の出口である重たい扉が開いていた。甘ったるい香りが充満したこの空間に、爽やかな花の香りが紛れ込む。
そして、人工的な光を背にした男の子がひっくり返って見えた。
服に乱れがなく、紅茶とケーキを乗せたお盆を手に持った彼は、先ほどまで一緒に勉強していた時谷くん本人だ。
時谷くん、助けに来てくれたの……?
「でもね……僕は信じてました。綾瀬さんならこの扉を開けてくれるって」
「っ!」
上気した頬に、熱っぽい声。狂気を孕んだ微笑みは、淡い期待を打ち砕く。
私は間髪入れずに最後の力をふり絞った。これは多分、火事場の馬鹿力としか言いようがない。
触手から抜け出し、裸の時谷くん達を押しのけて、ぽっかり口を開けた最後の希望に向けて走る……!
「はっ、はっ、はぁっ」
自分が裸だということを気にしている余裕はなかった。この悪夢から逃げ出すには今しかないのだ。
転びそうになりながらも長い廊下に滑り出て……トイレの扉の前を通り、いくつかの扉を超え、時谷くんの部屋の前も通り過ぎ、一階へと続く階段の手前で、
「……逃がさない」
「きゃあっ!?」
赤黒い触手が足首に絡みついてきた。
蹴躓き、白い廊下に顔面から突っ込む直前に、一際横幅の広い触手が素早く伸びてきた。
「あぁぁあっ!」
痛みの代わりに、頭からつま先まで痺れるような快感が走る。
私の体の下敷きとなった、幅広で帯状の触手の表面には毛足の長いラグみたいな細かい触手が密集して生えている。敏感になっている私をその細い触手の一本一本が受け止め、肌を撫でたのだ。
「うぁぁ……っやっ、ああっ!」
体を起こそうとするも、固く尖った胸の先端とぐしょぐしょに濡れた割れ目を自ら触手に擦りつけるはめになる。
あともう少しなのに。目の前の階段を降りたいのに……意図せず達してしまった体から力が抜ける。
びくびく震える私の体は、ブラシのようなイソギンチャクのような触手の海にまた深く沈んでいった。
「……不思議、ですよね。この土地を購入する際に出された条件が『屋敷を解体してもあの扉だけは再利用すること』だったんです。それで仕方なく二階の一番奥の部屋の扉にしました。住んでみてわかりました。この部屋は、この家に住んでる人間の内に秘めた欲望を具現化するんですよ。夫婦仲が良くてお互いさえいれば他に何もいらないとよく言っていた僕の両親は、この部屋から帰ってこなくなりました」
「うっ、あ、あ……っ」
細かい触手にさわさわと肌を撫でられながら、私は背後に視線を向ける。
開け放たれた古い金属製の扉の先には赤い肉の部屋が見える。その中で、私を手招きするように触手がうごめいていた。
そして、時谷くんが笑っている。
あの部屋に連れ戻されたら、
時谷くんに捕まったら、
私はもう二度と家に帰れない――
「いや、やっ、や――あぁぁあっ!」
恐ろしくて、這いつくばってでも階段に近付こうとした私の下半身に、今までの比じゃない鋭い刺激が加えられる。
体の中できっと最も敏感な部位である陰核をなにかに強く引っ張られていた。
「……本当はこんな醜悪な僕の本性、綾瀬さんには知られたくなかった。でも、どれだけ努力しても僕は綾瀬さんに相応しい男にはなれないんですよね。だから僕のこと、避けるんですよね?」
「ひっ、ちがっ、やらっやめてぇ……!」
しゅっ、じゅるるるるっ
吸盤型の触手に剥き出しのクリトリスをパクリと食べられ、吸い上げられて、目の前がチカチカ明滅する。
「ふぁ、ぁっ、あ――!」
「あああっ、すごいっ、嬉しいなぁ……っ、綾瀬さんが僕の触手でとろとろになって潮まで噴いちゃった……! こんなに醜くて気持ち悪い僕でも、綾瀬さんは感じてくれるんだぁ」
おしっことは違う、透明な液体が私の股間からプシャと溢れる。私の下敷きとなっている触手がそれを吸収していく。
「それ以上僕から離れたらクリちゃん取れちゃうかもしれませんよ?」
「あっ、あぁあっ!!」
きゅぽっきゅぽっ
何度も何度もイキながら、一歩ずつ前へと這っていく私の指先がついに階段へ届いた瞬間、クリトリスの吸引を続ける触手の動きが活発になった。
きつくきつく吸い付く触手は、私がこれ以上進むことを許さない。
きゅぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽっ
階段を下りたら、すぐ目の前が玄関なの。時谷くんの家を出たら、徒歩一分の距離に私の家はあるの。
だからだから、あの部屋には戻りたくないのに――!!
「綾瀬さん、おいで」
「ひっ、あっあっ、いやあああっ!!」
足首だけではなく、太ももに腰に胸に腕に、舌のような触手がしゅるしゅると巻き付いてきて、私はもう限界だった。
階段を掴んでいた手をパッと離したら、私の体はずるずると引きずられていく。
廊下に敷かれた細い触手に全身を愛撫されながら、舌状の触手に舐め回されながら、そして陰核を吸引されながら、時谷くんの部屋の前を通り、いくつかのドアを過ぎて、トイレのドアともお別れして……
「綾瀬さん、愛していますよ」
ついに、時谷くんに抱きとめられた。
「綾瀬さんのことが好きなのに、大切にしたいのに。あなたを汚したい、犯したいって思ってしまう僕をどうか許してください――」
あなたにおすすめの小説
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
姫騎士とオークの新婚家庭に悩みは尽きない
葦原とよ
恋愛
女だてらに王城勤めの近衛騎士であるフレイヤと、生真面目なオークの植物学者のゲルハルト。種族の「普通」から外れた二人は、それはそれは仲の良い夫婦だった。
けれども二人には真剣な悩みがある。
ゲルハルトのものが大きすぎて入らない。
それは当人たちにとっては非常に悩ましい問題だった。
ある日、フレイヤは友人のフレデリカからサキュバスの営む魔法香油店には『夜の魔法香油』があると聞き、喜び勇んでゲルハルトを連れて店に行くことに…
———
オムニバス形式の『魔法香油』シリーズです。
単体でも読めますが、『ヒルダの魔法香油店』を先に読まれると、より楽しめるかと思います。
この作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
憐れな妻は龍の夫から逃れられない
向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389