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1章
ヒーロー side美心
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私の名前は鈴木美心。自分で言うのもなんだが中々の美少女だと思う。
そして周りの友人には隠しているけど、結構なオタク気質であった。何度、人前でアニメのセリフをこぼしそうになったことか。
そんなある日、私は異能を手に入れてしまった。最初は本当に驚いた。まぁ、急に瞳の色が変わって戸惑わない人間なんていないんだけど。
一度親に相談をして、眼科で検診をしてもらうことにしたのだか、その眼科で私は偶然出会ってしまった。
燃えるような赤い瞳を携えた1人の少年と。
その綺麗な瞳に見惚れていて気づかなかったが、よく顔を見てみたら同じクラスの白石くんであることに気付いた。白石くんに対する私の印象は、いつも教室内で静かに読書をしている物静かな人間、というものだった。
ただ唯一普通に話しているのが、白石くんとは全くの反対属性である坂城くんだった。聞くところによると2人は幼なじみらしい。この明らかに陰と陽の対極にある2人が、仲良くしているということに、私は一種の感動すら覚えてしまった。
まぁ、そんなことはどうでもよくて、私の記憶では白石くんの瞳の色は、あんな個性的な色ではなかったと思う。もしかしたら、ただの厨二病なのかもしれないと考えたが、時期を考えると、とても私とは無関係と思えなかったので後日、彼に直接聞いてみることにした。
「ねぇ、今からちょっと時間ある?」
「ふぇえ!?」
ちょっと引いてしまった。。。なるべく刺激しないように、素手で豆腐を掬うような、それくらい優しく話しかけたつもりだが、何故か分からないけど全く会話にならなかった。
結局、わたしの家で話をすることになったのだけど、予想は正しかった。
彼も私と同じだったのだ。
それがきっかけとなり、一緒にいることが増えたことで、そこそこ仲も良くなったと思う。
「そっか!ちなみにだけど美心の英呪は水に関する能力ってことでいいんだよな。」
「な、なんか急に距離詰めてきたわね。しかも下の名前で読んでいい許可なんて出してないんですけど。」
流石の私も動揺を隠せなかった。私と自分の間に何か同じものを感じたのか、彼はとんでもない勢いで距離をつめてきた。正直嬉しくなかったわけではない。いつもはみんなの前で猫を被っているから、自分の本来の姿を受け入れられているような気がした。それに、その時は何だか単純で小動物みたい、と少し可愛く思ったのも本人には内緒だ。
そして、この身体能力と英呪を上手く使いこなすために、山へ特訓をしに行くことにした私たちは、そこで初めての戦闘を強いられることになった。
絶望でしかなかった。暴力の権化。あんなものに勝てるわけない。そう思っていたが、柊はやってのけた。
1度は負けそうになってしまったが、そこから再起し、私を守ってくれた。
彼が、そのときに口にした言葉は、私にとっても聞き馴染みのある言葉だった。
『一瞬の安寧は終わりなき後悔への門口である。』
私も愛読している、超人気ライトノベル作家のふるる先生の作品、『不恰好なヒーロー』の主人公であるジグリットの言葉。
あの言葉を聞いた時、私は胸が高鳴った。
「あぁ、まるでヒーローじゃない」
その時の私はどんな表情をしていただろうか。乙女のように羞恥に顔を赤く染めていただろうか、それとも憧れの眼差しを彼に向けていただろうか。あの時、もう少し私が冷静だったら思い出せただろう。
悪戦苦闘しながらも、何とか勝利を収めた柊を見て、今まで私が教室で見ていた彼は一体なんだったのだろう、と思ってしまうほどに、その姿は鮮烈だった。
その後、相手の正体や英呪に関係のある組織が存在していたり、もう頭の中で処理しきれない情報ばかりだったが、柊と一緒なら何とかなると思ってしまった。
そう、何故なら彼は私のヒーローだから。
そして周りの友人には隠しているけど、結構なオタク気質であった。何度、人前でアニメのセリフをこぼしそうになったことか。
そんなある日、私は異能を手に入れてしまった。最初は本当に驚いた。まぁ、急に瞳の色が変わって戸惑わない人間なんていないんだけど。
一度親に相談をして、眼科で検診をしてもらうことにしたのだか、その眼科で私は偶然出会ってしまった。
燃えるような赤い瞳を携えた1人の少年と。
その綺麗な瞳に見惚れていて気づかなかったが、よく顔を見てみたら同じクラスの白石くんであることに気付いた。白石くんに対する私の印象は、いつも教室内で静かに読書をしている物静かな人間、というものだった。
ただ唯一普通に話しているのが、白石くんとは全くの反対属性である坂城くんだった。聞くところによると2人は幼なじみらしい。この明らかに陰と陽の対極にある2人が、仲良くしているということに、私は一種の感動すら覚えてしまった。
まぁ、そんなことはどうでもよくて、私の記憶では白石くんの瞳の色は、あんな個性的な色ではなかったと思う。もしかしたら、ただの厨二病なのかもしれないと考えたが、時期を考えると、とても私とは無関係と思えなかったので後日、彼に直接聞いてみることにした。
「ねぇ、今からちょっと時間ある?」
「ふぇえ!?」
ちょっと引いてしまった。。。なるべく刺激しないように、素手で豆腐を掬うような、それくらい優しく話しかけたつもりだが、何故か分からないけど全く会話にならなかった。
結局、わたしの家で話をすることになったのだけど、予想は正しかった。
彼も私と同じだったのだ。
それがきっかけとなり、一緒にいることが増えたことで、そこそこ仲も良くなったと思う。
「そっか!ちなみにだけど美心の英呪は水に関する能力ってことでいいんだよな。」
「な、なんか急に距離詰めてきたわね。しかも下の名前で読んでいい許可なんて出してないんですけど。」
流石の私も動揺を隠せなかった。私と自分の間に何か同じものを感じたのか、彼はとんでもない勢いで距離をつめてきた。正直嬉しくなかったわけではない。いつもはみんなの前で猫を被っているから、自分の本来の姿を受け入れられているような気がした。それに、その時は何だか単純で小動物みたい、と少し可愛く思ったのも本人には内緒だ。
そして、この身体能力と英呪を上手く使いこなすために、山へ特訓をしに行くことにした私たちは、そこで初めての戦闘を強いられることになった。
絶望でしかなかった。暴力の権化。あんなものに勝てるわけない。そう思っていたが、柊はやってのけた。
1度は負けそうになってしまったが、そこから再起し、私を守ってくれた。
彼が、そのときに口にした言葉は、私にとっても聞き馴染みのある言葉だった。
『一瞬の安寧は終わりなき後悔への門口である。』
私も愛読している、超人気ライトノベル作家のふるる先生の作品、『不恰好なヒーロー』の主人公であるジグリットの言葉。
あの言葉を聞いた時、私は胸が高鳴った。
「あぁ、まるでヒーローじゃない」
その時の私はどんな表情をしていただろうか。乙女のように羞恥に顔を赤く染めていただろうか、それとも憧れの眼差しを彼に向けていただろうか。あの時、もう少し私が冷静だったら思い出せただろう。
悪戦苦闘しながらも、何とか勝利を収めた柊を見て、今まで私が教室で見ていた彼は一体なんだったのだろう、と思ってしまうほどに、その姿は鮮烈だった。
その後、相手の正体や英呪に関係のある組織が存在していたり、もう頭の中で処理しきれない情報ばかりだったが、柊と一緒なら何とかなると思ってしまった。
そう、何故なら彼は私のヒーローだから。
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