3 / 9
3 魔法のランプ(?)
しおりを挟む
「やべえ、これどう見ても魔物だよ…谷川?おい、離せ。ここから離れたほうがいいだろ」
小屋で見つけたランプがどう見ても魔物だと気づいた。
そりゃあ普通のランプはあんなに禍々しくないしお札がベタベタ貼ってあったり目がギョロギョロ動いたり舌が左右に揺れたりしないもんな。
俺はとっとと離れたほうがいいと思ったけど…少し思い返してみてほしい。今の俺の状況を。
そう。
谷川が後ろから手を伸ばしているせいで、俺の腰に触れるギリギリにあり、また机に手を置いている状態だ。
つまり、抱き込まれている…覆いかぶさってこられている…なんて言えばいいんだ、これ。
とりあえず俺は今、谷川の腕の中にいる。
そして俺は谷川のことが好きだ。どうしようもなく。つまり、俺は谷川の体に触れた瞬間に脳みそが沸騰してぶっ倒れること間違いなしだ。
はやく小屋から出ていきたいけど、谷川には触ることは出来ず、身動ぎ一つでも触れる至近距離。
俺はその場に静止しか出来ない。
「なぁ杉原くん、考えて欲しいんだけどよ、俺ら所持金いくつだ?」
さり気ない「杉原くん」呼びに心臓がぐわっときて死にそうになった。
瀕死状態だよ。俺のライフはもうゼロだ。
目の前には魔物、後ろには嫌われたくない好きな人。
「…は?今そんなこと言ってる場合か?…6エアだろ。スライム6体分」
「ああ。で、あのフランスパンが5エア、宿屋が15エア。…なあ、このランプ倒せば稼いで生き延びられるが、ここで逃げればどんどん疲労が溜まってくだけだ。
ここまで言えば分かるよな杉原?
…あれ?臆病で弱虫杉原くんは逃げることしか考えてなかったのか?」
「は!?そんなわけあるか!やってやるよ!」
馬鹿野郎!!!
俺はバカだ!売り言葉に買い言葉だろ!
いくら好きな人に抱き込まれ脳からアドレナリンドバーでパニック興奮状態だからって、脳を通さず反射で返してた。俺はバカだ。大バカだ。
「だよな?ちょうど木刀があるし、一夜ここで寝てたけど何も無かったんだ。大丈夫だろ」
「はあ…?まあ、ああ言ったからやるけどさ…」
谷川の匂いがふわっと遠ざかり、後ろに感じていた温かさも心無しか離れたような感じがした。
ホッとしたような、悲しいような、もうちょっとああしてほしかったっていうか…違う!今はランプに集中だ!
「ほらよ」
渡された木刀を持ってランプに二人して向き合う。
この小屋は狭いから暴れるのも暴れられるのも大変だ。身動きが取りづらい。少し不安だ。
「…なあ、俺木刀の持ち方に自信が無い」
「奇遇だな、杉原。俺もだ」
前言撤回。少しではなくウルトラスーパー不安だ。
「おらあああ!!」
谷川が木刀を上から構えてランプに叩きつける。谷川の手から木刀がすっぽ抜けて飛んでったのを片目に、俺も木刀を振り落とす。
びりびり手に電流が走ったのかと思うほど固く、カランと木刀が手から落ちた。
そしてランプはというと…目が赤く血走りなんか黒い湯気が出てる。怖すぎる。
「な、なあ、谷川…俺はさ、戦略的撤退も大事だと考えていて」
「そ、そうだよな、俺もそう思ったところだ」
杉原とともにそろりそろりと後ろへと下がっていく。が…ドアが開かない。
「谷川、俺こういうの本で読んだことあるぞ…これ、あれじゃね?家全体が魔物で閉じ込められた、とかそういうやつ」
ははは、と乾いた笑みを零し合う。と、突然。
『ピーギョログラアアシアシアハマヤマラァァ!!』
「「うわああああっ!!!」」
突如ランプが叫び声を上げたものだから、お互いの肩やら手やらをバンバン叩いたり抱きついたりとパニックになった。
いつもなら谷川との近さに死にかけるものの、今はそれすら言ってられない。
精神の死より先に身体の死がやってくると思われる。あーおれ食われるのかな。どうせ食われるなら違う意味で谷川に…最後まで煩悩まるだしで死ぬことになるとは。
『……ビョロロエ』
「…あれ、ランプが落ち着いた、のか…?」
「た、助かったの、か?」
ギュッと目を瞑って耐えていたものの、ランプが先程の叫び声とは違った、落ち着いた声を出したから目を開ける。
そこにはランプに手足がにょきっと生えた姿が…
「き、キモイな」
「なんかこう、どこともなくキモイ」
『ピー!!??』
抗議するかのような声が響く。
そして、ようやく俺はお互いの状況を見て…ピシリと固まった。
谷川が俺のことを庇うかのようにギュッと抱きしめており、手加減なしかよってぐらい痛いんだけど、俺は谷川に縋り付くかのような、っていうか首を絞めている状況になっていた。
慌てて俺は首から手を離したものの、谷川はそのままでいる。つまり超絶近い。
「…」
あまりの状況にパニックになり思考が銀河の果てへと飛んだ俺を置き去りに、谷川はランプとの会話を試みようとしている。このままで。
───いや何で!?俺にとってはご褒美だけど!
「お前は俺らと戦うのか?」
『ピョロロン。ピヨヨロエシャー』
「この小屋から出させてくれるか?」
『シャラララァァ!ピヒャロロロエェ…』
「…ごめん杉原。俺、これが何言ってんのかさっぱりだ」
「ここで会話が出来てたら俺明日からお前のこと同じ人間として見れなかった」
にょきっと生えた手足でのそりのそりとランプが移動し始めた。
お互いランプの行動に目を向ける。
谷川はいまだに俺を抱きしめる手を緩めない。今すぐ土下座してこの世の全てに感謝したい気持ちになっている。
同じ身長なのに俺が全身を包み込まれてると感じるぐらい抱きしめられるのは、俺が筋肉ゼロでひょろっとしてるからかな。
…ああ、でも、あれか。誰かと間違えてんのかな。彼女がいるっていう噂は聞かないけど、少なくとも大っ嫌いな俺の事を抱きしめようとは思わないだろうし、体格だけで言えば俺は女の子と同じ感じだし…
『ショリョョッチャラーチャラリラチャラリラ』
「何か手に持ってるぞ」
「何だこれ…?ていうか、谷川、いい加減離せ。誰かと間違えてんのか?」
「…あ?俺が間違えるわけないだろ」
誰かと間違えながら抱きしめられている状態でそれはなんとも説得力がない。間違えたことを認めたくないのか。
ぱっと手が離されて、俺はなんとも言えない喪失感に包まれたけど…こんなことで悲しんでたら、この先ずっと勘違いしては悲しむのループだ。
でも、そっか。谷川にはきっと好きな人がいるんだな。じゃあ、俺なんかと異世界に来て気分は最悪だろうな。────自分で考えて落ち込むな、これ。
「……」
「…あれ?谷川、ランプが板?に何かを書き始めたぞ」
「……ああ、そうかよ」
この感じは、谷川がすごく不機嫌になっている様子だ。イライラムシャクシャ状態で俺に八つ当たりしてくる。それすらも嬉しいんだよな、俺…八つ当たりの時の発散でも俺を見てくれてるのが…
「…?我は…えてくだ…?んん?なんて書いてあんだこれ」
「……」
谷川はずっと無言だ。…少し怖い。
『ピョリリー』
ぴょんぴょん飛び跳ねたランプが今度は時間をかけてゆっくりと文字を書いていく。
そして、読めるようになったそれは────
『我は魔法のランプです。我の願いを3つ叶えてください』
「いや普通逆だろ!」
小屋で見つけたランプがどう見ても魔物だと気づいた。
そりゃあ普通のランプはあんなに禍々しくないしお札がベタベタ貼ってあったり目がギョロギョロ動いたり舌が左右に揺れたりしないもんな。
俺はとっとと離れたほうがいいと思ったけど…少し思い返してみてほしい。今の俺の状況を。
そう。
谷川が後ろから手を伸ばしているせいで、俺の腰に触れるギリギリにあり、また机に手を置いている状態だ。
つまり、抱き込まれている…覆いかぶさってこられている…なんて言えばいいんだ、これ。
とりあえず俺は今、谷川の腕の中にいる。
そして俺は谷川のことが好きだ。どうしようもなく。つまり、俺は谷川の体に触れた瞬間に脳みそが沸騰してぶっ倒れること間違いなしだ。
はやく小屋から出ていきたいけど、谷川には触ることは出来ず、身動ぎ一つでも触れる至近距離。
俺はその場に静止しか出来ない。
「なぁ杉原くん、考えて欲しいんだけどよ、俺ら所持金いくつだ?」
さり気ない「杉原くん」呼びに心臓がぐわっときて死にそうになった。
瀕死状態だよ。俺のライフはもうゼロだ。
目の前には魔物、後ろには嫌われたくない好きな人。
「…は?今そんなこと言ってる場合か?…6エアだろ。スライム6体分」
「ああ。で、あのフランスパンが5エア、宿屋が15エア。…なあ、このランプ倒せば稼いで生き延びられるが、ここで逃げればどんどん疲労が溜まってくだけだ。
ここまで言えば分かるよな杉原?
…あれ?臆病で弱虫杉原くんは逃げることしか考えてなかったのか?」
「は!?そんなわけあるか!やってやるよ!」
馬鹿野郎!!!
俺はバカだ!売り言葉に買い言葉だろ!
いくら好きな人に抱き込まれ脳からアドレナリンドバーでパニック興奮状態だからって、脳を通さず反射で返してた。俺はバカだ。大バカだ。
「だよな?ちょうど木刀があるし、一夜ここで寝てたけど何も無かったんだ。大丈夫だろ」
「はあ…?まあ、ああ言ったからやるけどさ…」
谷川の匂いがふわっと遠ざかり、後ろに感じていた温かさも心無しか離れたような感じがした。
ホッとしたような、悲しいような、もうちょっとああしてほしかったっていうか…違う!今はランプに集中だ!
「ほらよ」
渡された木刀を持ってランプに二人して向き合う。
この小屋は狭いから暴れるのも暴れられるのも大変だ。身動きが取りづらい。少し不安だ。
「…なあ、俺木刀の持ち方に自信が無い」
「奇遇だな、杉原。俺もだ」
前言撤回。少しではなくウルトラスーパー不安だ。
「おらあああ!!」
谷川が木刀を上から構えてランプに叩きつける。谷川の手から木刀がすっぽ抜けて飛んでったのを片目に、俺も木刀を振り落とす。
びりびり手に電流が走ったのかと思うほど固く、カランと木刀が手から落ちた。
そしてランプはというと…目が赤く血走りなんか黒い湯気が出てる。怖すぎる。
「な、なあ、谷川…俺はさ、戦略的撤退も大事だと考えていて」
「そ、そうだよな、俺もそう思ったところだ」
杉原とともにそろりそろりと後ろへと下がっていく。が…ドアが開かない。
「谷川、俺こういうの本で読んだことあるぞ…これ、あれじゃね?家全体が魔物で閉じ込められた、とかそういうやつ」
ははは、と乾いた笑みを零し合う。と、突然。
『ピーギョログラアアシアシアハマヤマラァァ!!』
「「うわああああっ!!!」」
突如ランプが叫び声を上げたものだから、お互いの肩やら手やらをバンバン叩いたり抱きついたりとパニックになった。
いつもなら谷川との近さに死にかけるものの、今はそれすら言ってられない。
精神の死より先に身体の死がやってくると思われる。あーおれ食われるのかな。どうせ食われるなら違う意味で谷川に…最後まで煩悩まるだしで死ぬことになるとは。
『……ビョロロエ』
「…あれ、ランプが落ち着いた、のか…?」
「た、助かったの、か?」
ギュッと目を瞑って耐えていたものの、ランプが先程の叫び声とは違った、落ち着いた声を出したから目を開ける。
そこにはランプに手足がにょきっと生えた姿が…
「き、キモイな」
「なんかこう、どこともなくキモイ」
『ピー!!??』
抗議するかのような声が響く。
そして、ようやく俺はお互いの状況を見て…ピシリと固まった。
谷川が俺のことを庇うかのようにギュッと抱きしめており、手加減なしかよってぐらい痛いんだけど、俺は谷川に縋り付くかのような、っていうか首を絞めている状況になっていた。
慌てて俺は首から手を離したものの、谷川はそのままでいる。つまり超絶近い。
「…」
あまりの状況にパニックになり思考が銀河の果てへと飛んだ俺を置き去りに、谷川はランプとの会話を試みようとしている。このままで。
───いや何で!?俺にとってはご褒美だけど!
「お前は俺らと戦うのか?」
『ピョロロン。ピヨヨロエシャー』
「この小屋から出させてくれるか?」
『シャラララァァ!ピヒャロロロエェ…』
「…ごめん杉原。俺、これが何言ってんのかさっぱりだ」
「ここで会話が出来てたら俺明日からお前のこと同じ人間として見れなかった」
にょきっと生えた手足でのそりのそりとランプが移動し始めた。
お互いランプの行動に目を向ける。
谷川はいまだに俺を抱きしめる手を緩めない。今すぐ土下座してこの世の全てに感謝したい気持ちになっている。
同じ身長なのに俺が全身を包み込まれてると感じるぐらい抱きしめられるのは、俺が筋肉ゼロでひょろっとしてるからかな。
…ああ、でも、あれか。誰かと間違えてんのかな。彼女がいるっていう噂は聞かないけど、少なくとも大っ嫌いな俺の事を抱きしめようとは思わないだろうし、体格だけで言えば俺は女の子と同じ感じだし…
『ショリョョッチャラーチャラリラチャラリラ』
「何か手に持ってるぞ」
「何だこれ…?ていうか、谷川、いい加減離せ。誰かと間違えてんのか?」
「…あ?俺が間違えるわけないだろ」
誰かと間違えながら抱きしめられている状態でそれはなんとも説得力がない。間違えたことを認めたくないのか。
ぱっと手が離されて、俺はなんとも言えない喪失感に包まれたけど…こんなことで悲しんでたら、この先ずっと勘違いしては悲しむのループだ。
でも、そっか。谷川にはきっと好きな人がいるんだな。じゃあ、俺なんかと異世界に来て気分は最悪だろうな。────自分で考えて落ち込むな、これ。
「……」
「…あれ?谷川、ランプが板?に何かを書き始めたぞ」
「……ああ、そうかよ」
この感じは、谷川がすごく不機嫌になっている様子だ。イライラムシャクシャ状態で俺に八つ当たりしてくる。それすらも嬉しいんだよな、俺…八つ当たりの時の発散でも俺を見てくれてるのが…
「…?我は…えてくだ…?んん?なんて書いてあんだこれ」
「……」
谷川はずっと無言だ。…少し怖い。
『ピョリリー』
ぴょんぴょん飛び跳ねたランプが今度は時間をかけてゆっくりと文字を書いていく。
そして、読めるようになったそれは────
『我は魔法のランプです。我の願いを3つ叶えてください』
「いや普通逆だろ!」
10
あなたにおすすめの小説
【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~
TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】
公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。
しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!?
王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。
これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。
※別で投稿している作品、
『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。
設定と後半の展開が少し変わっています。
※後日譚を追加しました。
後日譚① レイチェル視点→メルド視点
後日譚② 王弟→王→ケイ視点
後日譚③ メルド視点
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる