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第28話 セイラの葛藤
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私の名前はセイラ・ゼロサム。
ゼロサムの領主の愛人となり子供を産んだ。
私の夫は女好きで手癖が悪い。
ここだけの話町の運営は人並みにできるため、そこだけは祐逸の救いだ。
ただ、愛人含めると何十人と言う子供がいるため、継承権のある子供以外はまったく相手にしない。
継承権のある子供達も我が儘で女癖が悪いと噂が聞こえるたびに自分の子供を心配する。
本妻の奥様に町から離れた場所でリアムを育てるように言われ時は心の奥から喜んだことを今でも覚えている。
小さな村だがリアムの成長を見れるこの環境を私は気に入っている。
なんと言っても我が子は可愛いのだ。
毎日我が子を愛でていると気づけば5歳まですくすくと育ち、宝珠の儀となった。
リアムはもちろんスキルを授かったのだが…。
我が子は3つのスキルを授かっただけでも凄いことなのに全て分けの判らないスキルを神からいただいたそうだ。
スキルのせいなのか、そのころからリアムの行動は変化していったことを覚えている。
簡単な読みしか出来なかったリアムが一週間もすれば文字を書けるようになっていた。
自分のスキルをわかっているかの如く、剣の練習に励み村を走り回る日々。
空いた時間には家にあった本を読み漁る姿を見て本当に夫の子供か疑ってしまう。
さらには桜の木の下で動物達がリアムの周りに集まる姿を見て私は一つの可能性を見出した。
私の子供で間違いはないのだが、神々の祝福を受けた子供ではないかと…。
さらには奴隷商から逃げ出した子供を助けるために行動した内容も大人顔負けだった。
リアムが大人の考えと変わらない思考をもっていることから私はリアムを暖かく見守ろうと考えた。
リアムがこれがしたい、あれが欲しいと言った時にも、何故と聞くのではなく二つ返事でOKをだした。
それが本当に良いかはわからないが気付けば陛下から褒賞を貰い、希望の星学園のSクラスの入学が決まっていた。
さらには入学までの一年間の間に旅をしたいと言いだした。
寂しい気持ちはあるものの私は快く送り出した。
それからと言うもの、私の村は大変なことになっている。
日々私の家には多くの手紙が送られてくる。
さらには村に対してその村の名産品が送られてくることもしばしば。
それだけではない、ドワーフなどの種族の村にも行ったらしく色とりどりの装備やアイテムも送られてきた。
食料などは食べないと勿体ないので有り難く村でいただいたが、それ以外の物は木の倉庫を立て全て保管している。
これだけならまだいいのだが、いつしか小さな村に桜の木を見に訪れる人々が増えた。
なんでもリアム達が訪れた村や町には桜の木が咲き誇るそうだ。そして、この村の桜の木が唯一無二の幸運の大樹と噂が流れたからである。
それにより観光客が来るようになり、それを知った商人が来るようになった。噂が噂を呼び人で溢れかえるようになっていた。
リアム達はこのことを知っているのでしょうか?
何も知らずに気の赴くままに旅をしていそうだが、私は自分の子供を誇らしく思う。
リアム宛以外の手紙は読ませてもらっているが、読む度に目頭が熱くなる。
手紙の内容は様々だった。
・井戸を直してくれて私達の村は生きていけます。
・ゴブリンの群れから村を救ってくれて有り難う。
・水害に悩んでいた村に対策を講じてくれた。
・防壁の柵を作ってくれて有り難う。
などなど数えきれない程の手紙が届く度に何処でそんな知識をと思うけれども私はあの子が神々の寵愛を受けていると思っているので納得することにしている。
でも、やはり一番嬉しい内容は子供達に食料を恵んでいただき飢えや奴隷に苦しむことがなくなったと書いてある手紙だ。
誰だって自分の子供を奴隷に売りたくないもの。もしかしたら奴隷になったほうが今より食べられる生活を送れるかもと子供のことを考える親やどうしてもしょうがない理由が合って我が子を奴隷に売るに違いないのだから。そんな町や村の子供を救っている我が子が愛おしくてしょうがない。
帰ってきたら思い切り抱きしめてキスしようと誓うセイラであった。
ゼロサムの領主の愛人となり子供を産んだ。
私の夫は女好きで手癖が悪い。
ここだけの話町の運営は人並みにできるため、そこだけは祐逸の救いだ。
ただ、愛人含めると何十人と言う子供がいるため、継承権のある子供以外はまったく相手にしない。
継承権のある子供達も我が儘で女癖が悪いと噂が聞こえるたびに自分の子供を心配する。
本妻の奥様に町から離れた場所でリアムを育てるように言われ時は心の奥から喜んだことを今でも覚えている。
小さな村だがリアムの成長を見れるこの環境を私は気に入っている。
なんと言っても我が子は可愛いのだ。
毎日我が子を愛でていると気づけば5歳まですくすくと育ち、宝珠の儀となった。
リアムはもちろんスキルを授かったのだが…。
我が子は3つのスキルを授かっただけでも凄いことなのに全て分けの判らないスキルを神からいただいたそうだ。
スキルのせいなのか、そのころからリアムの行動は変化していったことを覚えている。
簡単な読みしか出来なかったリアムが一週間もすれば文字を書けるようになっていた。
自分のスキルをわかっているかの如く、剣の練習に励み村を走り回る日々。
空いた時間には家にあった本を読み漁る姿を見て本当に夫の子供か疑ってしまう。
さらには桜の木の下で動物達がリアムの周りに集まる姿を見て私は一つの可能性を見出した。
私の子供で間違いはないのだが、神々の祝福を受けた子供ではないかと…。
さらには奴隷商から逃げ出した子供を助けるために行動した内容も大人顔負けだった。
リアムが大人の考えと変わらない思考をもっていることから私はリアムを暖かく見守ろうと考えた。
リアムがこれがしたい、あれが欲しいと言った時にも、何故と聞くのではなく二つ返事でOKをだした。
それが本当に良いかはわからないが気付けば陛下から褒賞を貰い、希望の星学園のSクラスの入学が決まっていた。
さらには入学までの一年間の間に旅をしたいと言いだした。
寂しい気持ちはあるものの私は快く送り出した。
それからと言うもの、私の村は大変なことになっている。
日々私の家には多くの手紙が送られてくる。
さらには村に対してその村の名産品が送られてくることもしばしば。
それだけではない、ドワーフなどの種族の村にも行ったらしく色とりどりの装備やアイテムも送られてきた。
食料などは食べないと勿体ないので有り難く村でいただいたが、それ以外の物は木の倉庫を立て全て保管している。
これだけならまだいいのだが、いつしか小さな村に桜の木を見に訪れる人々が増えた。
なんでもリアム達が訪れた村や町には桜の木が咲き誇るそうだ。そして、この村の桜の木が唯一無二の幸運の大樹と噂が流れたからである。
それにより観光客が来るようになり、それを知った商人が来るようになった。噂が噂を呼び人で溢れかえるようになっていた。
リアム達はこのことを知っているのでしょうか?
何も知らずに気の赴くままに旅をしていそうだが、私は自分の子供を誇らしく思う。
リアム宛以外の手紙は読ませてもらっているが、読む度に目頭が熱くなる。
手紙の内容は様々だった。
・井戸を直してくれて私達の村は生きていけます。
・ゴブリンの群れから村を救ってくれて有り難う。
・水害に悩んでいた村に対策を講じてくれた。
・防壁の柵を作ってくれて有り難う。
などなど数えきれない程の手紙が届く度に何処でそんな知識をと思うけれども私はあの子が神々の寵愛を受けていると思っているので納得することにしている。
でも、やはり一番嬉しい内容は子供達に食料を恵んでいただき飢えや奴隷に苦しむことがなくなったと書いてある手紙だ。
誰だって自分の子供を奴隷に売りたくないもの。もしかしたら奴隷になったほうが今より食べられる生活を送れるかもと子供のことを考える親やどうしてもしょうがない理由が合って我が子を奴隷に売るに違いないのだから。そんな町や村の子供を救っている我が子が愛おしくてしょうがない。
帰ってきたら思い切り抱きしめてキスしようと誓うセイラであった。
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