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第5話
「―――これまでわかったことをまとめてみます」
岩本さんが言って、ホワイトボードの前に立った。
ホワイトボードには関係者の写真が数枚、マグネットで止めてあった。
被害者の上野久美子、店長の戸田くん、第一発見者の皐月、それから、皐月の証言から分かった上野久美子の恋人の山本亮太。
山本亮太という男についても捜査し、話を聞いていた。
久美子と同い年で自称フリーターの山本は、アルバイトが忙しく最近は久美子とも会っていないということだった。
事件当日もコンビニでアルバイトをしていて、裏も取れていた。
「―――カフェの閉店時間は20時。久美子は急いでいたようで閉店してすぐに店を出ています。自宅マンションは電車で15分のところにありますが、そこには戻った様子はありません。駅などでも目撃情報は今のところありません。そして0時30分、カフェの2階にある探偵社の探偵、天宮皐月が冷蔵庫に押し込められた状態の久美子の遺体を発見しています。死因は刺されたことによる失血死。性的暴行の痕跡はありませんでしたが、腹部など合計6か所を鋭い刃物で刺されています。凶器は捜索中です」
「ふむ・・・・指紋は出たのか?」
課長の言葉に、岩本さんは手元の資料に目を落とした。
「冷蔵庫についていた指紋を採取しましたが、出たのは戸田、天宮、それから被害者の上野久美子の指紋のみです」
「―――久美子が店を出てからその、天宮皐月が店に来るまでの戸田の所在は?」
「本人は、閉店後レジの清算、店の片づけをし、その後9時ごろレシピノートを取りに車で自宅に戻り、10時ごろ店に戻ってきたと言っています。それから10時10分に天宮が店に来ます。ただ、8時から10時までの行動はすべて戸田の証言のみで、証明するものはなにもありません。店を出た時も戻って来た時も目撃情報はありませんし、自宅付近での目撃情報もありません。久美子との関係は店長とウェートレスという関係以上のものはまだ不明ですが、一番あやしいのは戸田ですね」
俺と関は、ちらりと顔を見合わせた。
戸田くんとは俺も関も友達として仲良くしていて、彼が人殺しなどするような男じゃないということはよくわかっている。
しかし、この場でそれを主張しても意味がない。
戸田くんの無実を、なんとかして証明しないと・・・・・
戸田くんは嘘をつくような男じゃない。
だとすると、戸田くんが店にいなかった時間に何者かが店の鍵を何らかの方法で開け、店内に侵入し久美子の死体を冷蔵庫に入れたということになる。
死体や店内の状態から見ても店内で殺されたとは考えにくいので、別の場所で殺されたあと店内に持ち込まれたと推測されていた。
久美子はいつも戸田くんが出勤してから来るので鍵は持たされていなかったということだけれど、戸田くんの話では、何度か閉店作業を久美子に任せたことがあり、彼女に鍵を預けたことがあるということだった。
店を閉めた後は、あのビルのオーナーである探偵事務所所長の浩斗くんに鍵を預けて帰るので持ち帰ることはなかったということだったが、その時に合鍵を作ることは十分可能だと思われた。
岩本さんが言って、ホワイトボードの前に立った。
ホワイトボードには関係者の写真が数枚、マグネットで止めてあった。
被害者の上野久美子、店長の戸田くん、第一発見者の皐月、それから、皐月の証言から分かった上野久美子の恋人の山本亮太。
山本亮太という男についても捜査し、話を聞いていた。
久美子と同い年で自称フリーターの山本は、アルバイトが忙しく最近は久美子とも会っていないということだった。
事件当日もコンビニでアルバイトをしていて、裏も取れていた。
「―――カフェの閉店時間は20時。久美子は急いでいたようで閉店してすぐに店を出ています。自宅マンションは電車で15分のところにありますが、そこには戻った様子はありません。駅などでも目撃情報は今のところありません。そして0時30分、カフェの2階にある探偵社の探偵、天宮皐月が冷蔵庫に押し込められた状態の久美子の遺体を発見しています。死因は刺されたことによる失血死。性的暴行の痕跡はありませんでしたが、腹部など合計6か所を鋭い刃物で刺されています。凶器は捜索中です」
「ふむ・・・・指紋は出たのか?」
課長の言葉に、岩本さんは手元の資料に目を落とした。
「冷蔵庫についていた指紋を採取しましたが、出たのは戸田、天宮、それから被害者の上野久美子の指紋のみです」
「―――久美子が店を出てからその、天宮皐月が店に来るまでの戸田の所在は?」
「本人は、閉店後レジの清算、店の片づけをし、その後9時ごろレシピノートを取りに車で自宅に戻り、10時ごろ店に戻ってきたと言っています。それから10時10分に天宮が店に来ます。ただ、8時から10時までの行動はすべて戸田の証言のみで、証明するものはなにもありません。店を出た時も戻って来た時も目撃情報はありませんし、自宅付近での目撃情報もありません。久美子との関係は店長とウェートレスという関係以上のものはまだ不明ですが、一番あやしいのは戸田ですね」
俺と関は、ちらりと顔を見合わせた。
戸田くんとは俺も関も友達として仲良くしていて、彼が人殺しなどするような男じゃないということはよくわかっている。
しかし、この場でそれを主張しても意味がない。
戸田くんの無実を、なんとかして証明しないと・・・・・
戸田くんは嘘をつくような男じゃない。
だとすると、戸田くんが店にいなかった時間に何者かが店の鍵を何らかの方法で開け、店内に侵入し久美子の死体を冷蔵庫に入れたということになる。
死体や店内の状態から見ても店内で殺されたとは考えにくいので、別の場所で殺されたあと店内に持ち込まれたと推測されていた。
久美子はいつも戸田くんが出勤してから来るので鍵は持たされていなかったということだけれど、戸田くんの話では、何度か閉店作業を久美子に任せたことがあり、彼女に鍵を預けたことがあるということだった。
店を閉めた後は、あのビルのオーナーである探偵事務所所長の浩斗くんに鍵を預けて帰るので持ち帰ることはなかったということだったが、その時に合鍵を作ることは十分可能だと思われた。
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