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第9話
「・・・・一つ、気になることがあるんだ」
そう言ったのは皐月だった。
「なに?皐月くん」
「あの、岩本って刑事さんのこと・・・・」
「ああ・・・・そういえば、あの時何か言いかけてたね。岩本さんがどうかした?」
「あの時は、周りに警察の人がまだいたから言えなかったけど・・・・あの人たぶん、久美ちゃんのお兄さんだよ」
「「「は!?」」」
突拍子のない話に、俺たちは思わず声をそろえた。
「何言ってんだよ?皐月」
「―――久美ちゃんと、岩本さんの子供の頃の記憶で一致する部分があったんだ。一致するって言っても、2人の年齢は10歳離れてるから、岩本さんが15歳の時久美ちゃんは5歳で、記憶も曖昧だけど―――でも、確かに同じなんだ。調べてみればわかると思うけど―――たぶん、岩本さんの両親は岩本さんがもっと小さいころに離婚していて、久美ちゃんのお母さんは後妻だと思う。―――2人は久美ちゃんが5歳を過ぎところ、行き別れてる。原因は・・・・たぶん、当時やっぱり刑事だった父親の仕事が忙し過ぎたせいかな。それで、久美ちゃんのお母さんは久美ちゃんだけを連れて家を出たんだ。2人がどこへ行ったのか、岩本さんはずっと探してた。そして―――ようやく探し当てた」
「探し当てたって・・・・じゃあ、岩本さんは久美ちゃんが自分の妹だってわかってたって言うのか?だって、岩本さんはそんなこと何も―――」
俺は驚いてそこまで言って、それからはっとして言葉を切った。
皐月は、俺の考えていることがわかったようで小さく頷いた。
「自分が被害者の実の兄だとわかったら、捜査から外されてしまうかもしれない。だから、言わなかったんだよ。せっかく探し当てて・・・・久美ちゃんに会おうと思っていた矢先だったのに」
皐月が辛そうに俯いた。
「久美ちゃんは、知らなかったのか?」
「たぶん。岩本さんが久美ちゃんのことを知ったのもつい最近だったと思うよ。偶然今の署に配属されて、本当に偶然知ったんだろうね。俊哉と稔がカフェのこと話してて、会話の中に久美ちゃんの名前が出てきた。同じ名前なんて珍しくもないけど―――もしかしたらと思って、調べたんだと思うよ」
俺は関と顔を見合わせた。
―――こんな偶然が、あるのだろうか・・・・・?
皐月が嘘をつくことは考えられないけれど、もし本当なら、今岩本さんはどんな気持ちでいるのだろう・・・・・。
「さっちゃん、岩本さんは、今回の事件に関係ないの?」
戸田くんの言葉に、皐月はちょっと首を傾げた。
「ないと思うけど・・・・最後に久美ちゃんを見てからの久美ちゃんの足取りは俺にもわからない。ただ、岩本さんと会ったとき事件に関連しそうなものは感じられなかったから、関係ないと思う。ただ、一応知らせといたほうがいいと思ったんだ。久美ちゃんの生い立ちとか、詳しく調べればすぐにわかることだと思ったから」
「そっか・・・・。ありがとう、皐月くん。でも、事件に関係ないとなるとやっぱり犯人のことはわからないままだな」
関が溜息をついた。
そんな関をちらりと見て、皐月がまた口を開いた。
「―――そうでもない。久美ちゃんの足取りはわからないって言ったけど、久美ちゃんが行こうとしてたところならわかるよ」
その言葉に、俺たちはまた驚いたのだった。
そう言ったのは皐月だった。
「なに?皐月くん」
「あの、岩本って刑事さんのこと・・・・」
「ああ・・・・そういえば、あの時何か言いかけてたね。岩本さんがどうかした?」
「あの時は、周りに警察の人がまだいたから言えなかったけど・・・・あの人たぶん、久美ちゃんのお兄さんだよ」
「「「は!?」」」
突拍子のない話に、俺たちは思わず声をそろえた。
「何言ってんだよ?皐月」
「―――久美ちゃんと、岩本さんの子供の頃の記憶で一致する部分があったんだ。一致するって言っても、2人の年齢は10歳離れてるから、岩本さんが15歳の時久美ちゃんは5歳で、記憶も曖昧だけど―――でも、確かに同じなんだ。調べてみればわかると思うけど―――たぶん、岩本さんの両親は岩本さんがもっと小さいころに離婚していて、久美ちゃんのお母さんは後妻だと思う。―――2人は久美ちゃんが5歳を過ぎところ、行き別れてる。原因は・・・・たぶん、当時やっぱり刑事だった父親の仕事が忙し過ぎたせいかな。それで、久美ちゃんのお母さんは久美ちゃんだけを連れて家を出たんだ。2人がどこへ行ったのか、岩本さんはずっと探してた。そして―――ようやく探し当てた」
「探し当てたって・・・・じゃあ、岩本さんは久美ちゃんが自分の妹だってわかってたって言うのか?だって、岩本さんはそんなこと何も―――」
俺は驚いてそこまで言って、それからはっとして言葉を切った。
皐月は、俺の考えていることがわかったようで小さく頷いた。
「自分が被害者の実の兄だとわかったら、捜査から外されてしまうかもしれない。だから、言わなかったんだよ。せっかく探し当てて・・・・久美ちゃんに会おうと思っていた矢先だったのに」
皐月が辛そうに俯いた。
「久美ちゃんは、知らなかったのか?」
「たぶん。岩本さんが久美ちゃんのことを知ったのもつい最近だったと思うよ。偶然今の署に配属されて、本当に偶然知ったんだろうね。俊哉と稔がカフェのこと話してて、会話の中に久美ちゃんの名前が出てきた。同じ名前なんて珍しくもないけど―――もしかしたらと思って、調べたんだと思うよ」
俺は関と顔を見合わせた。
―――こんな偶然が、あるのだろうか・・・・・?
皐月が嘘をつくことは考えられないけれど、もし本当なら、今岩本さんはどんな気持ちでいるのだろう・・・・・。
「さっちゃん、岩本さんは、今回の事件に関係ないの?」
戸田くんの言葉に、皐月はちょっと首を傾げた。
「ないと思うけど・・・・最後に久美ちゃんを見てからの久美ちゃんの足取りは俺にもわからない。ただ、岩本さんと会ったとき事件に関連しそうなものは感じられなかったから、関係ないと思う。ただ、一応知らせといたほうがいいと思ったんだ。久美ちゃんの生い立ちとか、詳しく調べればすぐにわかることだと思ったから」
「そっか・・・・。ありがとう、皐月くん。でも、事件に関係ないとなるとやっぱり犯人のことはわからないままだな」
関が溜息をついた。
そんな関をちらりと見て、皐月がまた口を開いた。
「―――そうでもない。久美ちゃんの足取りはわからないって言ったけど、久美ちゃんが行こうとしてたところならわかるよ」
その言葉に、俺たちはまた驚いたのだった。
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