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第16話
「ねえ、俺、やっぱり俊哉の車に乗っていい?」
マンションを出たところで、皐月がそう言って俺を見た。
ちらりと関を見ると、関は肩をすくめ頷いた。
「俺は、全然いいよ。浩斗さん、いい?」
「―――別に、構わないよ。戸田、後ろ乗って」
微妙に不機嫌な顔をしたまま、浩斗くんは自分の車へとすたすた歩いて行ってしまう。
「え―――ええ?俺もさっちゃんと一緒がいいのに・・・・」
「うるさい!いいから乗れ!」
「もう!浩ちゃん怖いよ」
仕方なく浩斗くんのあとについて車の後部座席に乗り込む戸田くん。
俺は、関の車の後部座席に皐月と一緒に乗り込んだ。
「―――なんか、気になることでもあった?皐月くん」
関の言葉に、皐月がくすりと笑った。
「さすが俊哉。―――気になるっていうか・・・・2人には、言っておいた方がいいかなと思って」
「俺たちには?ってことは、あの2人には聞かれたくないってこと?」
俺が聞くと、皐月は苦笑した。
「ていうより、裕太くんには、聞かせない方がいいかなって」
「ああ・・・・もしかして、久美ちゃん、戸田さんのこと好きだった・・・とか?」
「んふふ、ほんと、俊哉は勘がいいよね。そう・・・・久美ちゃんは、ずっと裕太くんのことが好きだったんだ。裕太くんは全然気付いてなかったけどね。だからこそ、裕太くんには相談できなかったんだ。父親のことも、結婚のことも―――。でもそれは、結果的によかったかなって。久美ちゃんのことを考えると複雑だけど・・・・でもきっと、久美ちゃんの気持ちを知っていたら、裕太くんはもっと自分を責めていたと思うんだ」
「ああ・・・・そうかもな」
「―――ねえ、皐月くん。店の鍵のことだけどさ、久美ちゃんは本当に合鍵を持ってなかったの?戸田さんが知らないだけで、やっぱり作って持ってたんじゃない?」
「あ、やっぱりそう思った?うん、それね、実はそうなんだ。でもそれ、俺もさっき知ったんだ。あんまり古い話し過ぎて、裕太くんも久美ちゃんも忘れてたから」
しれっとそう言った皐月に、俺は思わずマンガのようにずるっとずっこけてしまった。
「皐月!」
「ごめんて。いいじゃん、今言ったし。どっちにしろ犯人は裕太くんじゃないんだし」
「そりゃそうだけど―――それが初めからわかってれば、捜査の方法だって違ったかも―――」
「まだそんなに経ってないじゃん。大丈夫だよ、今からでも」
「なんでそんなに楽観的なの」
思わずうなだれると、突然潤が俺の顔を覗きこみ、チュッと軽くキスをした。
「ちょっと・・・・・人の車ん中で、何やってるんですか」
「ごめん、俊哉。ちょっと目ぇつぶってて」
「事故っちゃうでしょ!」
「けちんぼ」
「皐月くん!」
「だって、稔と会うの久しぶりなんだもん。さっきのキスで、もう我慢できなくなっちゃった。―――稔、責任とってね」
「え―――」
甘い声に、甘い笑顔。
久しぶりの、甘い唇―――
もう一度、キスされて―――
そのとろけるように甘い口づけに、俺の頭の中は皐月でいっぱいになった・・・・・。
マンションを出たところで、皐月がそう言って俺を見た。
ちらりと関を見ると、関は肩をすくめ頷いた。
「俺は、全然いいよ。浩斗さん、いい?」
「―――別に、構わないよ。戸田、後ろ乗って」
微妙に不機嫌な顔をしたまま、浩斗くんは自分の車へとすたすた歩いて行ってしまう。
「え―――ええ?俺もさっちゃんと一緒がいいのに・・・・」
「うるさい!いいから乗れ!」
「もう!浩ちゃん怖いよ」
仕方なく浩斗くんのあとについて車の後部座席に乗り込む戸田くん。
俺は、関の車の後部座席に皐月と一緒に乗り込んだ。
「―――なんか、気になることでもあった?皐月くん」
関の言葉に、皐月がくすりと笑った。
「さすが俊哉。―――気になるっていうか・・・・2人には、言っておいた方がいいかなと思って」
「俺たちには?ってことは、あの2人には聞かれたくないってこと?」
俺が聞くと、皐月は苦笑した。
「ていうより、裕太くんには、聞かせない方がいいかなって」
「ああ・・・・もしかして、久美ちゃん、戸田さんのこと好きだった・・・とか?」
「んふふ、ほんと、俊哉は勘がいいよね。そう・・・・久美ちゃんは、ずっと裕太くんのことが好きだったんだ。裕太くんは全然気付いてなかったけどね。だからこそ、裕太くんには相談できなかったんだ。父親のことも、結婚のことも―――。でもそれは、結果的によかったかなって。久美ちゃんのことを考えると複雑だけど・・・・でもきっと、久美ちゃんの気持ちを知っていたら、裕太くんはもっと自分を責めていたと思うんだ」
「ああ・・・・そうかもな」
「―――ねえ、皐月くん。店の鍵のことだけどさ、久美ちゃんは本当に合鍵を持ってなかったの?戸田さんが知らないだけで、やっぱり作って持ってたんじゃない?」
「あ、やっぱりそう思った?うん、それね、実はそうなんだ。でもそれ、俺もさっき知ったんだ。あんまり古い話し過ぎて、裕太くんも久美ちゃんも忘れてたから」
しれっとそう言った皐月に、俺は思わずマンガのようにずるっとずっこけてしまった。
「皐月!」
「ごめんて。いいじゃん、今言ったし。どっちにしろ犯人は裕太くんじゃないんだし」
「そりゃそうだけど―――それが初めからわかってれば、捜査の方法だって違ったかも―――」
「まだそんなに経ってないじゃん。大丈夫だよ、今からでも」
「なんでそんなに楽観的なの」
思わずうなだれると、突然潤が俺の顔を覗きこみ、チュッと軽くキスをした。
「ちょっと・・・・・人の車ん中で、何やってるんですか」
「ごめん、俊哉。ちょっと目ぇつぶってて」
「事故っちゃうでしょ!」
「けちんぼ」
「皐月くん!」
「だって、稔と会うの久しぶりなんだもん。さっきのキスで、もう我慢できなくなっちゃった。―――稔、責任とってね」
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