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第17話
まったく本当に勘弁して欲しいよ。
俺は車の運転をしながら、深い溜息をついた。
後ろの座席では、樫本さんと皐月くんが相変わらずいちゃついてる。
後ろの窓にはスモークフィルムを張っているものの、前から見れば丸見えだ。
前を走ってるのは浩斗さんの車だから、他の人間には見られないだろうけど―――
前の車に乗ってる戸田さんが、時折こちらを振り返っては目をぱちくりさせている。
俺は見たくもないのに、バックミラー越しに2人の密着している様子がバッチリ見えるから、目のやり場に困る。
「―――それで皐月くん、鍵のことだけど!」
俺は、気になっていたことを確認しようと2人の唇が離れたすきに、そう声を上げた。
「あ、そうだった」
皐月くんがようやく俺の方を見る。
樫本さんは、まだ足りなかったのか横目で俺を睨んできた。
―――まったく、ここで押し倒すつもりかよ!
「さっき、昔のことって言ってたけど―――」
「うん。久美ちゃんはあの店のオープン当時からいるって言ってたでしょ?その時に、裕太くんがどうしても用事で開店時に間に合わないかもって時があったらしいのね。ぎりぎり間に合うかどうかって感じで―――だから、どっちか先に店に着いた方が店に入れるようにって、合鍵を作ったんだよ、裕太くんが。でも結局裕太くんが間に合ったから、久美ちゃんの鍵は使わずじまい。それ以降、久美ちゃんが鍵を使うこともなかったからどっちもその存在を忘れてた―――ってこと」
「だから、皐月くんにもわからなかったってこと?それが、なんで今頃わかったの?」
「ん・・・・裕太くんの記憶の中に、何か犯人に繋がることがないかと思って・・・・必死で、探ってた。今まで、そんなことやったことなかったけど―――やったら、もしかしたらできるかなって思って・・・・」
言いながら、その声にはだんだんと力が無くなり、皐月くんの瞼は今にも閉じそうになっていた。
「皐月?どうした?」
樫本さんが皐月くんの体を支える。
皐月くんは2、3度首を振ったけれど―――
「ごめ・・・・慣れないことしたから・・・・ねむ・・・・・」
そう言ったかと思うと、その体はそのままパタリと皐月さんの方へ倒れ、静かな寝息を立て始めた。
樫本さんは、皐月くんの体をそっと横たえ、自分の膝にその頭を乗せた。
「・・・・特殊な能力って、無理に使おうとすると疲れるもんなのかな」
「かもしれないですね。ま、さっきまではずいぶん元気そうでしたけど!」
八つ当たり気味に言うと、樫本さんは聞こえないふりをして窓の外へと視線を向けたのだった・・・・・。
俺は車の運転をしながら、深い溜息をついた。
後ろの座席では、樫本さんと皐月くんが相変わらずいちゃついてる。
後ろの窓にはスモークフィルムを張っているものの、前から見れば丸見えだ。
前を走ってるのは浩斗さんの車だから、他の人間には見られないだろうけど―――
前の車に乗ってる戸田さんが、時折こちらを振り返っては目をぱちくりさせている。
俺は見たくもないのに、バックミラー越しに2人の密着している様子がバッチリ見えるから、目のやり場に困る。
「―――それで皐月くん、鍵のことだけど!」
俺は、気になっていたことを確認しようと2人の唇が離れたすきに、そう声を上げた。
「あ、そうだった」
皐月くんがようやく俺の方を見る。
樫本さんは、まだ足りなかったのか横目で俺を睨んできた。
―――まったく、ここで押し倒すつもりかよ!
「さっき、昔のことって言ってたけど―――」
「うん。久美ちゃんはあの店のオープン当時からいるって言ってたでしょ?その時に、裕太くんがどうしても用事で開店時に間に合わないかもって時があったらしいのね。ぎりぎり間に合うかどうかって感じで―――だから、どっちか先に店に着いた方が店に入れるようにって、合鍵を作ったんだよ、裕太くんが。でも結局裕太くんが間に合ったから、久美ちゃんの鍵は使わずじまい。それ以降、久美ちゃんが鍵を使うこともなかったからどっちもその存在を忘れてた―――ってこと」
「だから、皐月くんにもわからなかったってこと?それが、なんで今頃わかったの?」
「ん・・・・裕太くんの記憶の中に、何か犯人に繋がることがないかと思って・・・・必死で、探ってた。今まで、そんなことやったことなかったけど―――やったら、もしかしたらできるかなって思って・・・・」
言いながら、その声にはだんだんと力が無くなり、皐月くんの瞼は今にも閉じそうになっていた。
「皐月?どうした?」
樫本さんが皐月くんの体を支える。
皐月くんは2、3度首を振ったけれど―――
「ごめ・・・・慣れないことしたから・・・・ねむ・・・・・」
そう言ったかと思うと、その体はそのままパタリと皐月さんの方へ倒れ、静かな寝息を立て始めた。
樫本さんは、皐月くんの体をそっと横たえ、自分の膝にその頭を乗せた。
「・・・・特殊な能力って、無理に使おうとすると疲れるもんなのかな」
「かもしれないですね。ま、さっきまではずいぶん元気そうでしたけど!」
八つ当たり気味に言うと、樫本さんは聞こえないふりをして窓の外へと視線を向けたのだった・・・・・。
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