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第28話
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「樫本さん・・・・座りましょう」
関が俺の肩に腕を回し、再び座らせた。
岩本さんが、俺を気遣うように肩に手をかける。
「西村さん、すいません。辛いことをお聞きして・・・・」
岩本さんの言葉に、サキは再び涙を拭い顔を上げた。
「―――いえ・・・。わたしはいいんです。皐月くんに助けてもらって、その後も今野には何もされませんでした。でも・・・・皐月くんには、本当に申し訳なくて・・・」
「それで、その時の写真は・・・・」
「ずっと、今野がカメラのSDチップを持っていたようです。皐月くんは、何度か奪おうとしたみたいですけど、あの男はずるがしこくて・・・・。でも今野が事件を起こして捕まった時、ようやく手に入れることができたんです。今野の部屋の机の、鍵を掛けられる引き出しに入っていたそうで。施設の職員たちが今野の私物を整理していた時に、今野から押収していた鍵で引き出しを開けたそうです。それを、職員たちが整理している時に皐月くんがそっとまぎれて持ち出しました。チップはすぐに皐月くんが壊して捨てていました」
「・・・当時、あの施設の中であなたたちのことを知っていた人はいましたか?」
「どうでしょうか。あれから今野は何度も皐月くんの部屋へ行ってましたので、職員の中には疑問を持つ人もいたみたいですけど、みんな今野を怖がってましたから・・・・」
何度も・・・・
皐月は、何度もあの男の手で・・・・
俺の拳は、強く握り過ぎたせいで色をなくしていた。
歯を食いしばり、大声で叫びだしたいのを堪える。
皐月・・・・
まだ子供だった皐月が、1人の女の子を守るために、自分を犠牲にした。
人とは違う能力のあった皐月には、サキの生い立ちなども瞬時に理解できたのだろう。
だからこそ、彼女を守ろうとした。
その方法が、彼女の代わりに奴の言いなりになることだった。
力のない皐月には、そうすることしかできなかったのだと、頭では理解できなくはない。
だけど・・・・・
「そのあとに、皐月くんも親せきの家に引き取られて行ったんでしたね。あなたは―――」
関が、黙りこんでしまった俺の代わりにサキに質問を続ける。
「わたしも、そのおよそ1カ月後に親戚の家へ行くことになりました。皐月くんは、施設を出てからもしばらくはわたしを心配して、連絡して来てくれてました」
「会ったりとかは」
「してません。わたしが施設を出てからは連絡も取らなくなりました。皐月くんが、もう関わらない方がいいって・・・・忘れた方がいいからって・・・・」
サキが涙ぐむ。
「本当に・・・皐月くんには申し訳なくって・・・・あの時、わたしが誰かを呼んでいれば・・・・その勇気があれば・・・・」
「・・・それは、仕方のないことだと思います。あなたも、皐月くんも子供だったんですから。それで・・・最近、そのことを誰かに話しませんでしたか?」
関の言葉に、サキは戸惑ったように首を振った。
関が俺の肩に腕を回し、再び座らせた。
岩本さんが、俺を気遣うように肩に手をかける。
「西村さん、すいません。辛いことをお聞きして・・・・」
岩本さんの言葉に、サキは再び涙を拭い顔を上げた。
「―――いえ・・・。わたしはいいんです。皐月くんに助けてもらって、その後も今野には何もされませんでした。でも・・・・皐月くんには、本当に申し訳なくて・・・」
「それで、その時の写真は・・・・」
「ずっと、今野がカメラのSDチップを持っていたようです。皐月くんは、何度か奪おうとしたみたいですけど、あの男はずるがしこくて・・・・。でも今野が事件を起こして捕まった時、ようやく手に入れることができたんです。今野の部屋の机の、鍵を掛けられる引き出しに入っていたそうで。施設の職員たちが今野の私物を整理していた時に、今野から押収していた鍵で引き出しを開けたそうです。それを、職員たちが整理している時に皐月くんがそっとまぎれて持ち出しました。チップはすぐに皐月くんが壊して捨てていました」
「・・・当時、あの施設の中であなたたちのことを知っていた人はいましたか?」
「どうでしょうか。あれから今野は何度も皐月くんの部屋へ行ってましたので、職員の中には疑問を持つ人もいたみたいですけど、みんな今野を怖がってましたから・・・・」
何度も・・・・
皐月は、何度もあの男の手で・・・・
俺の拳は、強く握り過ぎたせいで色をなくしていた。
歯を食いしばり、大声で叫びだしたいのを堪える。
皐月・・・・
まだ子供だった皐月が、1人の女の子を守るために、自分を犠牲にした。
人とは違う能力のあった皐月には、サキの生い立ちなども瞬時に理解できたのだろう。
だからこそ、彼女を守ろうとした。
その方法が、彼女の代わりに奴の言いなりになることだった。
力のない皐月には、そうすることしかできなかったのだと、頭では理解できなくはない。
だけど・・・・・
「そのあとに、皐月くんも親せきの家に引き取られて行ったんでしたね。あなたは―――」
関が、黙りこんでしまった俺の代わりにサキに質問を続ける。
「わたしも、そのおよそ1カ月後に親戚の家へ行くことになりました。皐月くんは、施設を出てからもしばらくはわたしを心配して、連絡して来てくれてました」
「会ったりとかは」
「してません。わたしが施設を出てからは連絡も取らなくなりました。皐月くんが、もう関わらない方がいいって・・・・忘れた方がいいからって・・・・」
サキが涙ぐむ。
「本当に・・・皐月くんには申し訳なくって・・・・あの時、わたしが誰かを呼んでいれば・・・・その勇気があれば・・・・」
「・・・それは、仕方のないことだと思います。あなたも、皐月くんも子供だったんですから。それで・・・最近、そのことを誰かに話しませんでしたか?」
関の言葉に、サキは戸惑ったように首を振った。
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