4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら

文字の大きさ
13 / 27

変化

しおりを挟む
「ケホッ、コホン、コホン」

朝、起きると喉が痛かった。

それでも何とか起き上がり、部屋を出ると―――

「けほっ、こほっ、こほっ」

同時に部屋から出てきた梨夢くんが、やっぱり咳をしていた。

「2人ともどうした?風邪か?」

朝食を作っていた廉くんが、フライパンを持ったまま俺たちを見た。

「廉くん、おはよ・・・。たいじょぶ。ちょっと喉がイガイガするだけ」

梨夢くんの声がかすれている。

「俺も・・・・」

俺の声もかすれていた。

その時、慎が部屋から出てきた。

「周、梨夢、風邪?どれ」

慎が自分のおでこを梨夢くんのおでこにコツンとつける。

「―――熱はないけど。周は?」

慎が俺の方にも来たから、そのおでこをぺちんと叩いてやった。

「熱なんかないよ」

「いてっ、お前、かわいくないね」

「ふん」

「でも、喉痛いなら今日は休んだ方がいいな」

廉くんの言葉に梨夢くんが眉を下げる。

「え~。大丈夫だよ」

「休めるならラッキーだけど」

俺の言葉に慎が呆れたように笑う。

「何、2人で風邪ひいたんか」

護も部屋から出てきて梨夢くんと俺の頭を撫でた。

「病院行く?俺、一緒に休もうか?」

「大丈夫だよ。熱もないし」

と俺が言うと、梨夢くんも頷く。

「でも、声ガラガラじゃん」

護の言葉に梨夢くんは口を開きかけたけど・・・・

「ケホッ、コホッ」

「ほら、梨夢、咳してんじゃん。やっぱり休まないと」

廉くんがフライパンを置いて梨夢くんの背中をさすった。

「・・・わかった。でも、誰も一緒に休まなくていいから」

と言って、梨夢くんが俺を見た。

「周がいれば、大丈夫」

ニコッと笑ってくれるから、思わず頬が緩む。

「俺も、梨夢くんがいるから大丈夫だよ。第一病院行くと他の病気移される可能性があるから。まだうちに風邪薬あるでしょ?それ飲んで、2おとなしく寝てるから」

「・・・・風邪ひいてるくせに饒舌だな周」

廉くんの顔が引きつってるけど、そこは無視。

「学校への連絡お願いしま~す。さ、梨夢くん、ねよ」

俺が梨夢くんの手を引き部屋へ行こうとすると―――

「こら!お前の部屋は向こうだろ?」

慎が俺の首根っこを掴む。

「だって、もし梨夢くんが熱出したらどうすんの?一緒に寝てればすぐ気づくし対処できるよ」

俺の言葉に、3人がぐっと詰まる。

「・・・じゃ、おやすみなさ~い」



パタン



「梨夢くん、大丈夫?」

一緒に布団に入りながら言うと、梨夢くんが頷く。

「うん。周こそ大丈夫?辛くない?」

「大丈夫。喉が痛いだけだもん」

ほんとに、俺はめったに熱なんて出さないから平気なんだけどさ。

梨夢くんは昔からよく熱を出してたから心配なんだ。

「寒くない?くっついて寝ようね」

俺はなるべく隙間なく梨夢くんにくっつく。

密着してれば、梨夢くんが熱を出した時にすぐ気づく。

そっと梨夢くんの髪をなでると、恥ずかしいのか梨夢くんは布団を口元まで上げて潤んだ目で俺を見上げた。

―――かわいすぎる・・・・

同い年だけど、やっぱりこういうときは俺が末っ子を守らなきゃって思っちゃうんだ。

まあ、本当の兄弟だったらこんなにかわいがったりしないかもしれないけど。

今日は、2人きり。

梨夢くんを独り占めできる・・・・・。

そう思ってにやつきそうになった時―――


「―――おい」

突然ドアが開き、廉くんが顔を出した。

「寝る前に、薬飲め。おかゆもあるから」

「え、廉くん、おかゆ作ってくれたの?」

梨夢くんが驚いて体を起こす。

「護くんが昨日の残りの飯で作ってくれた。俺たちはもう出るけど、ちゃんと薬飲むんだぞ。食器は流しに置いとけばいいから」

「りょーかい。ありがと、廉くん」

梨夢くんがニコッと笑うと、途端に廉くんの顔がだらしなくにやける。

―――まったく・・・

「梨夢、周、ちゃんと寝るんだぞ」

「周、悪さすんなよ?」

慎と護も顔を出す。

「あんたね・・・悪さってなんだよ」

俺の言葉に護が肩をすくめた。

「知らん。お前がしそうなこと」

そのやり取りに梨夢くんがくすくす笑う。

「ふふ・・・。護、おかゆありがと。行ってらっしゃい」

「「「いってきま~す!」」」



喉の痛み以外、本当に何でもないんだよね。

だから、梨夢くんと2人でゲームでもしてようかと思ったけど、梨夢くんが本当に熱でも出したら大変だから、とりあえずおとなしく寝ていよう。

そう思って薬を飲んだ後は2人で布団に入っていたけれど―――

やっぱり、そんなに眠れるもんでもなくて。

隣を見ると、同じことを思っていたのか梨夢くんも目を開けていて、俺を見て笑った。

「ふふ・・・眠れないよね」

「だよね。さっき起きたばっかりだから」

「・・・周」

「ん?」

「バスケ、楽しい?」

「ん・・・?まあ、楽しいよ。どうして?」

「なんか、俺に付き合って入ってくれた感じだから。練習、結構きついし。いやになったりしてないかなって」

「あー・・・。でもそれって、たぶん他の部活でも同じだよ。俺練習嫌いだし。でも、バスケ部に入ったことは後悔してないよ」

「ほんと?」

「ホント。クラス別になっちゃったし、梨夢くんと一緒にいられるからね」

「なら、よかった。俺も、周と一緒で嬉しい」

「ほんと?梨夢くん、渋木に野球部誘われてたよね」

「うん。野球も好きだけど・・・・俺も、周と一緒ならどの部活でもいいかな」

ちょっと照れ臭そうにそんなこと言うから。

嬉しくって抱きしめたくなる。

今、俺たちは2人きり・・・・・

「梨夢くん・・・・?」

「ん?」

「手、繋いでいい?梨夢くんがもし熱出したらすぐわかるように」

「いいよ。周が熱出した時も、すぐわかるもんね」

梨夢くんは、本気で俺のこと心配してくれてる。

でもごめん。

俺の心は不純だから。

きゅっと握った手に力を込める。

「・・・・こないだ、女の子に告白されてたって?」

「え!知ってるの?」

梨夢くんが驚いて俺を見る。

「うん。あの日、慎が妙に梨夢くんのこと見てたから、聞き出した」

「そ・・・・っか」

梨夢くんの頬が染まる。

でも女の子に告白されてたことはどうでもいいんだ。梨夢くんがもてることは知ってるし。

そんなことよりも。

「・・・あの噂のこと、梨夢くんも知ってたんだね」

俺たち兄弟が異常に仲がいいってことは昔から有名だ。

でも、中学生ともなると噂の内容も違ってくる。

俺に直接攻撃してくる奴は今のところいないし、生徒会長の廉くんや、ああ見えてバスケ部のエースで人気者の慎に攻撃するような奴もいない。

でも梨夢くんは一見女の子みたいに華奢だし声も高くてかわいらしいから、か弱く見えるし攻撃しやすいのだろう。

前に渋木に言われたことや女子に言われたことを考えると、もっと他にも何か言われてるかもしれない。

「もし、他の奴らにも何か言われたりしたらちゃんと俺にも言ってね」

梨夢くんは、ちょっと目を瞬かせ、それからふっと笑った。

「大丈夫だよ。俺のせいでみんなが悪く言われるのは嫌だけど・・・。俺は、平気。周は?なんか言われてない?」

「俺は何も。言われても平気だし。梨夢くんが大好きなのは事実だからね」

「ふふ・・・俺も大好き。こういうこと、普通は言わないんだね。俺、4人がいつも大好きって言ってくれるから変だと思ってなかったんだ。だから、初めて変だって言われたときはびっくりしたけど・・・。でも、間違ったことはしてないから、平気だよ」

「・・・そうだね」

間違ったことはしてない。



最近、感じるんだ。

護も廉くんも慎も、梨夢くんを見る目が前と違う。

ただかわいいっていうだけじゃなくて、そこにもっと違う感情が混ざってるような視線。

熱っぽい、っていうのかな。

俺に向けてる視線とは、明らかに違うんだ。

そこに、俺のアンテナが反応してる。

だって。

でも、もしかしたら俺も・・・・俺も、梨夢くんをそういう目で見てるかもしれない・・・・・。





「おーい、2人とも大丈夫か?飯、食えるか?」

廉くんの声に、俺はゆっくり目を開いた。

いつの間にか眠ってたみたいだ。

隣にいた梨夢くんも、同時にゆっくり目を開いた。

手は、しっかり握ったままで。

「よく寝てたから起こさなかったけど、熱も出なかったみたいだな。起きれるか?」

「「は~い」」

と、2人同時に返事して・・・・

廉くんが、部屋を出ようと向きを変えようとしていたのが、ぴたりとその動きを止める。

「・・・・お前ら、その声・・・・」

俺と梨夢くんが、顔を見合わせる。

「もしかして・・・・声変わり・・・・?」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

お兄ちゃん大好きな弟の日常

ミクリ21
BL
僕の朝は早い。 お兄ちゃんを愛するために、早起きは絶対だ。 睡眠時間?ナニソレ美味しいの?

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

身体検査その後

RIKUTO
BL
「身体検査」のその後、結果が公開された。彼はどう感じたのか?

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...