【完結】子猫のいる生活

菊花

文字の大きさ
8 / 18

茶羽と黒羽の失敗

しおりを挟む

「健治も香織も今日はありがとな。」
「俺らも楽しめたからいいてことよ。」
「そうね、茶羽さうちゃんも黒羽くうちゃんもかわいかったし、楽しかったわ。」
「そう言ってくれると助かるよ。」

出口に向かう車内で健治と香織にお礼を言い出口の順番待ちの車列に並ぶ。

「二人は晩飯どうすんだ?うちで食ってくか?」

ショッピングモールを後にしてしばらくしてから健治たちに声をかけた。

「帰りに食うって手もあるが、ごちそうになろうかな。」
「なら家にある食材でいいのでしたら、私が作りますよ。」
「ありがとう、お願いしようかな。」

帰りの車の中で三人そんな話をしている中、茶羽と黒羽はすやすやと夢の中にいた。
無事に家に着いた俺は、健治と香織に茶羽と黒羽を任せて、車をガレージに入れて玄関に向かう。
玄関を開けて二階のベットに茶羽と黒羽を寝かせると、香織はキッチンで冷蔵庫の食材や収納庫にある野菜などを確認していた。
健治にはリビングで待ってもらって、俺は風呂のお湯はりスイッチを入れに行く。

リビングに戻ると香織から質問される、

「茶羽ちゃん黒羽ちゃんはアレルギーとかで食べれないものはあるの?」
「アレルギーというか、元が子猫だから、子猫が食べられないものは避けてるんだよね、まだよくわかってないから何かあってからじゃ遅いし。」
「そうね、じゃあ何が良くて何がダメかってリストはある?」
「ネットで調べてプリントアウトしたのが冷蔵庫に貼ってあるよ。」
「これね、駄目なもの意外と多いのね、野菜は加熱すれば大抵がいけそうね、魚介は甲殻類がダメなのね、お肉は加工品以外なら加熱すれば大丈夫なのね、刺激の強い調味料も駄目ね。」
「一応昨日は駄目なものは買ってないから、調味料さえ気を付けたら大丈夫だと思う。」
「あらそうなの?じゃあちゃちゃっと作るわね。」
「よろしくね。」

キッチンからリビングに戻ると健治はテレビでニュースを見ていた。
すると二階で物音がしたので二人が起きたかなと二階に上がっていく。
二階に上がるとトイレから二人が出てきた、俺を見て飛びついて来るかと思ったが、その場でしゅんとした顔で耳もぺたんとなっていてその場で止まっていた。

「どうした?いつもなら飛びついてくるのに。」

二人を見ると少しスカートが濡れているのに気づく、それを見て寝室のベットを見るとシーツが濡れていた。
それを見て二人に向き合い笑顔で、

「気にしなくていいぞ、香織がご飯作ってるから先にお風呂行こうか。」

そう言うと二人を抱き上げて風呂の脱衣所に連れていく。
準備してくるから服脱いで待っててな、と伝えてキッチンに行き香織に事情を話し、シーツと布団の処理をしてもらう。
その間に二人の着替えと俺の着替えを持って脱衣所に向かう。
脱衣所に着くとまだ二人は服を着たまま耳を伏せてしゅんとしていた。

「なんだまだ脱いでないんだ?服脱がないとお風呂入れないぞ、ほら早く入ろう。」

笑顔でそういうと順番に服を脱がし風呂に入れていく。
二人の体と頭を洗って湯船につからせると、今度は自分の体と頭を洗っていく。

「「ごめんなさい」」
「ん?どうしたんだ?何も怒ってないぞ。」

笑顔でそういうが二人はしゅんとしたままだった。

「危ない事したわけでも、何か壊したわけじゃない、だから大丈夫だよ、それにごめんなさいしたろ、だから問題ない。」
「「うん」」

まだちょっとしゅんとしていたので、湯船に入り二人に軽くお湯を掛けてみる、すると驚いたのか耳をピンとたてて、こっちを見てお湯をかけ返してきた。
そのままお湯のかけっこをしていたら笑顔になってきたので、もう大丈夫かなと思い声をかける、

「そろそろ出るか、香織の作ったご飯が待ってるぞ。」
「「ごはん」」

そういうと茶羽と黒羽のお腹が鳴った、それを聞いて三人で笑いながら風呂から出る。

髪を乾かしてパジャマに着替えさせたらリビングに行くと、いい匂いがしてテーブルにはお肉を焼いたものなど料理が並んでいた。

「冷めないうちに食べようぜ。」

健治の一言で茶羽と黒羽もテーブルにつく。
自分も席につこうとしたら香織が小さい声で『シーツと服は洗濯機に入れて回しておいたわ』と伝えてくれた。
布団は明日何とかすればいいか、今日は客用の布団で寝るかなと思い、ありがとうと伝えると席に着いた。

「「おさかなない」」

魚が無いのを見て二人はちょっとしょぼんとしていた。

「お魚ばかり食べてたら病気になっちゃうのよ、だからお魚以外の色んな物食べないとだめよ。」

それを見た香織が二人に説明すると、『びょうきだめ』と納得したようだ。
最初は恐る恐ると言った感じで一口大に小さく切ってあるお肉を口に入れると、途端にがつがつと食べ始めた。
それをみて俺ら三人は笑いをこらえるのに必死だった。

「そんな慌てて食べなくても誰も取らないし逃げもしないぞ。」
「おかわりもあるからね、ゆっくり食べてね。」

健治と香織がすごい勢いで食べる茶羽と黒羽に声をかけるが、二人は全く聞いていない様子だった。
『いつ見てもこの二人が食べてるのを見るとお腹一杯になるな』と考えながらつい笑顔になってしまう。
それを健治と香織も笑顔で二人を見ていた。

食べ終わると後片づけは俺らがやると伝え男二人で片づけをする。
終わってリビングに戻ると、香織が茶羽と黒羽に絵本を読んでいた。
絵本を読み聞かせながら書いてあるひらがなを教えているようだった。
二人は交互にひらがなを指して『これは?』『つぎこれは?』と聞いていた。
少し香織に任せようと思い、健治とテーブルについて少し話をすることにした。

帰ってきてからニュースを見ていた健治に何か新しい情報があったか聞きたかったからだ。

ニュースを見る限り政府発表に関しては特に目新しい内容はなかったらしい。
新しい物は週明けに臨時国会を召集したという発表くらいである。

それとは別に今日行ったショッピングモールの近くで、人化した子供を連れ去ろうとして捕まった奴が居るらしい。
ただすぐ釈放されたらしい。
有識者たちはその事で、人権を認める方向だと政府発表があるのだから誘拐だと言う人、まだ人権は認められていないから誘拐ではない、だがペットを連れ去ろうとした行為は窃盗に当たると言う人がいるらしい。
それでどっちにしろ犯罪行為をしているとして釈放した警察の判断に異議を唱えているらしい。

SNSでもその点では色々と騒ぎになっていて、ハッシュタグと呼ばれる物に『ケモ耳に人権を』とか、『ケモ耳を守れ』とかいう物が乱立しているらしい。

どちらにしろ平日となる週明けの明日以降の国会の決議次第だろうと言うのが健治の意見だった。
なんにせよ俺は茶羽と黒羽の国籍取得と戸籍登録ができれば特に問題はない、それさえ叶えばいいと思っている。

あとはネットなどの情報を見る限り、野良猫や野良犬は人化していないらしい、某有名掲示板では『野良ケモ耳を探せ』というスレが立っているが、近所に野良猫や野良犬の子供はいるが人化してなくてショックという書き込みが多く、見つけたという書き込みは無い。

他にもブリーダーのように子供を産ませて販売するような人や業者やペットショップの犬猫は人化していないという。
あくまでも一般家庭でペットとして飼っていて生後半年未満の子猫子犬が人化しているようである。

「そうなると何か作為的というか意図的な物があるのかな?人化した日以降に生まれた子は人化してないみたいだし。」
「そうだな、それも徐々に明らかになっていくと思う、まだ情報や検証が足りない、というのが現状だな。」
「なるほどな、まだもう少し情報集め無いとだめだな。」

そこまで話をすると茶羽と黒羽を抱えた香織が近づいてきた、二人を見ると寝てしまったみたいだった。
茶羽と黒羽を香織から受け取ると、時間も時間だからそろそろ帰ると言うので、ベットではなく客用の布団を引いてもらい茶羽と黒羽を寝かす。
玄関まで二人を送ると、また来るよといい帰っていった。
戸締りと火元の確認をしてから、俺も茶羽と黒羽の寝ている布団に潜り込んで寝ることにした。






しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

異世界でまったり村づくり ~追放された錬金術師、薬草と動物たちに囲まれて再出発します。いつの間にか辺境の村が聖地になっていた件~

たまごころ
ファンタジー
王都で役立たずと追放された中年の錬金術師リオネル。 たどり着いたのは、魔物に怯える小さな辺境の村だった。 薬草で傷を癒し、料理で笑顔を生み、動物たちと畑を耕す日々。 仲間と絆を育むうちに、村は次第に「奇跡の地」と呼ばれていく――。 剣も魔法も最強じゃない。けれど、誰かを癒す力が世界を変えていく。 ゆるやかな時間の中で少しずつ花開く、スロー成長の異世界物語。

処理中です...