57 / 87
第五十七話 衣装部屋に移動
しおりを挟む
四家の者が連行された所で、陛下が集まった貴族に声を掛けた。
「愚かな者がいなくなり、これで盛大に披露宴を開くことができるだろう。皆も、楽しい雰囲気に盛り上げてくれ」
「「「畏まりました」」」
ある意味一番問題だった四家がいなくなり、披露宴を邪魔する者はいなくなった。
陛下の言わんとすることも、分からなくはない。
集まっていた貴族も、ゾロゾロと大部屋に戻っていった。
「皆様、この度は大変ご迷惑をおかけいたしました。本当に申し訳ありません」
「リンは被害者なのだから、謝罪する必要はない。余も、やるべき事をやったまでだ」
私は陛下や他の人に頭を下げたが、陛下もこの程度は何てことはないと返事をした。
そして、陛下は集まった人達にある事を指示した。
「マリア、フレイア、リンのドレスの件は任せる。衣装部屋の使用を許可する。ルーカスも、リンの事をしっかりとエスコートする様に」
「「「畏まりました」」」
マリア様、フレイア様、ルーカス様は、陛下に臣下の礼をとっていた。
王家としても、直々に招待した私がみすぼらしい姿を晒すのは不味いということらしい。
スラちゃんは、シルバの所に戻ってニース様とノルディア公爵家の赤ちゃんの護衛に戻るという。
ということで、私は三人と使用人の後をついて衣装部屋に向かった。
「すみません、まさかこんな事になるとは思わなかったです……」
「リン、気にしないでいいのよ。私としても、あの馬鹿令嬢が鋏を持って刺してくるなんて予想外だったわ」
「妾も、完全に読みを間違えたのじゃ。しかし、何故あの者共がこんなにも早く王城についているのじゃ?」
フレイア様は単純に四人の令嬢の行為に腹を立てていたが、マリア様は別の事が気になっていた。
私がお手洗いに行っていたタイミングは、爵位では侯爵家の者が王城に着いたタイミングだという。
あの四家は、一つは侯爵家だけど残りは伯爵家らしい。
大教会を出発するタイミングは厳密に管理されているらしいので、馬車列に割り込むとかは無理らしい。
では何故四家の令嬢があのタイミングでお手洗いに現れたか、その答えをルーカス様が知っていた。
「どうやら、あの四家は大教会から正規のルートを外れて王城に向かったらしい。馬車を停めるのも、王城の入場も、指定された場所ではなかった。だから王城に早く着いたし、兵のチェックも逃れた。それだけで、今日は罪になる行為だ」
「安全の為にルートは全て指定されているのに、堂々と破ったんですね。それなら、あのタイミングで四人がお手洗いに姿を現してもおかしくないですね」
「スラちゃんがマリアとフレイアにリンがお手洗いから出てこないと告げたタイミングで、陛下と私にその四家が正規ルート外で行動したと連絡が入った。そして、お手洗いでの惨状に繋がった訳だ」
四家が堂々とルールを破ったので、陛下も直ぐに捕縛指示を出したんだ。
もし私の襲撃の為に早く王城に行ったのなら、更に罪は重くなる。
後は、屋敷の強制捜査でどんな物が出てくるかが焦点だ。
そして、私は以前も王太后様付きの使用人と入った衣装部屋の前に着いた。
「お兄様は、しばし待たれよ」
「直ぐにリンを仕上げてくるわ。ここは、男子禁制よ」
「分かっているよ」
兄妹やいとこ同士のちょっとしたやり取りがあった後、ルーカス様を残した女性陣が衣装部屋に入った。
すると、衣装部屋の中には真っ赤なドレスに着替えているアメリアさんの姿があったのだ。
少し派手なドレスだけど、アメリアさんはスタイルがとても良いからとても良く似合っていた。
「あら、皆様どうした……リンさん、どうしたのですか!」
アメリアさんは、髪とメイクがぐちゃぐちゃで大きいタオルを羽織っている私の姿を見て驚愕の声を上げてしまった。
時間がない為私はそのまま化粧台の前に座ったので、マリア様とフレイア様が何があったかをアメリアさんに教えていた。
「そう、そんな事があったのですね。いくらなんでも、酷すぎます。貴族令嬢以前に、人として失格ですわ」
「うむ、同感じゃ。四人で寄って集って鋏を手にしてリンを刺そうとするなど、もはや殺人鬼の所業じゃ」
「もう少し理性があるかと思ったけど、まるで獣みたいだわ。何にせよ、厳罰が下されるのは間違いないわね」
私が使用人によって猛スピードで髪のセットやメイクをされている間、アメリアさん、マリア様、フレイア様が四人の令嬢の事をけちょんけちょんにけなしていた。
私は、猛スピードで動く使用人のスキルを鏡越しに見て、「使用人スゲー」って関心していたのだった。
「愚かな者がいなくなり、これで盛大に披露宴を開くことができるだろう。皆も、楽しい雰囲気に盛り上げてくれ」
「「「畏まりました」」」
ある意味一番問題だった四家がいなくなり、披露宴を邪魔する者はいなくなった。
陛下の言わんとすることも、分からなくはない。
集まっていた貴族も、ゾロゾロと大部屋に戻っていった。
「皆様、この度は大変ご迷惑をおかけいたしました。本当に申し訳ありません」
「リンは被害者なのだから、謝罪する必要はない。余も、やるべき事をやったまでだ」
私は陛下や他の人に頭を下げたが、陛下もこの程度は何てことはないと返事をした。
そして、陛下は集まった人達にある事を指示した。
「マリア、フレイア、リンのドレスの件は任せる。衣装部屋の使用を許可する。ルーカスも、リンの事をしっかりとエスコートする様に」
「「「畏まりました」」」
マリア様、フレイア様、ルーカス様は、陛下に臣下の礼をとっていた。
王家としても、直々に招待した私がみすぼらしい姿を晒すのは不味いということらしい。
スラちゃんは、シルバの所に戻ってニース様とノルディア公爵家の赤ちゃんの護衛に戻るという。
ということで、私は三人と使用人の後をついて衣装部屋に向かった。
「すみません、まさかこんな事になるとは思わなかったです……」
「リン、気にしないでいいのよ。私としても、あの馬鹿令嬢が鋏を持って刺してくるなんて予想外だったわ」
「妾も、完全に読みを間違えたのじゃ。しかし、何故あの者共がこんなにも早く王城についているのじゃ?」
フレイア様は単純に四人の令嬢の行為に腹を立てていたが、マリア様は別の事が気になっていた。
私がお手洗いに行っていたタイミングは、爵位では侯爵家の者が王城に着いたタイミングだという。
あの四家は、一つは侯爵家だけど残りは伯爵家らしい。
大教会を出発するタイミングは厳密に管理されているらしいので、馬車列に割り込むとかは無理らしい。
では何故四家の令嬢があのタイミングでお手洗いに現れたか、その答えをルーカス様が知っていた。
「どうやら、あの四家は大教会から正規のルートを外れて王城に向かったらしい。馬車を停めるのも、王城の入場も、指定された場所ではなかった。だから王城に早く着いたし、兵のチェックも逃れた。それだけで、今日は罪になる行為だ」
「安全の為にルートは全て指定されているのに、堂々と破ったんですね。それなら、あのタイミングで四人がお手洗いに姿を現してもおかしくないですね」
「スラちゃんがマリアとフレイアにリンがお手洗いから出てこないと告げたタイミングで、陛下と私にその四家が正規ルート外で行動したと連絡が入った。そして、お手洗いでの惨状に繋がった訳だ」
四家が堂々とルールを破ったので、陛下も直ぐに捕縛指示を出したんだ。
もし私の襲撃の為に早く王城に行ったのなら、更に罪は重くなる。
後は、屋敷の強制捜査でどんな物が出てくるかが焦点だ。
そして、私は以前も王太后様付きの使用人と入った衣装部屋の前に着いた。
「お兄様は、しばし待たれよ」
「直ぐにリンを仕上げてくるわ。ここは、男子禁制よ」
「分かっているよ」
兄妹やいとこ同士のちょっとしたやり取りがあった後、ルーカス様を残した女性陣が衣装部屋に入った。
すると、衣装部屋の中には真っ赤なドレスに着替えているアメリアさんの姿があったのだ。
少し派手なドレスだけど、アメリアさんはスタイルがとても良いからとても良く似合っていた。
「あら、皆様どうした……リンさん、どうしたのですか!」
アメリアさんは、髪とメイクがぐちゃぐちゃで大きいタオルを羽織っている私の姿を見て驚愕の声を上げてしまった。
時間がない為私はそのまま化粧台の前に座ったので、マリア様とフレイア様が何があったかをアメリアさんに教えていた。
「そう、そんな事があったのですね。いくらなんでも、酷すぎます。貴族令嬢以前に、人として失格ですわ」
「うむ、同感じゃ。四人で寄って集って鋏を手にしてリンを刺そうとするなど、もはや殺人鬼の所業じゃ」
「もう少し理性があるかと思ったけど、まるで獣みたいだわ。何にせよ、厳罰が下されるのは間違いないわね」
私が使用人によって猛スピードで髪のセットやメイクをされている間、アメリアさん、マリア様、フレイア様が四人の令嬢の事をけちょんけちょんにけなしていた。
私は、猛スピードで動く使用人のスキルを鏡越しに見て、「使用人スゲー」って関心していたのだった。
105
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる