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第六十二話 王家とのお茶会と緊急事態
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「はあ、疲れました……甘いお菓子が体に染み渡ります……」
「リンさん、お疲れ様です」
アーサー様とアメリアさんの披露宴での事件以降、四家関連の一ヶ月に渡る怒涛の調査と捜索などが続いていた。
関連する犯罪組織を潰していき、ついでに発覚した犯罪組織も潰していった。
その過程で更に数家の貴族家への捜索も行われ、王都はかなり騒がしいものとなった。
四家が犯した罪が次から次へと出てきたので、罪状整理をしないと裁判も開けないという。
本人たちはずっと牢屋暮らしで、ここから出せと大騒ぎしているらしい。
自業自得なのだから、同情は全くしないけど。
そして、合間を縫って教会の治療施設と軍の施設での治療も行い、気がつけば一ヶ月ぶっ続けで働いていた。
やっと休みとなり、今日は王城で王家の方に労いのお茶会に誘われた。
甘いお菓子を食べながらつい本音を言うと、アメリアさんが思わず苦笑しながら労ってくれた。
アメリアさんも新婚生活の合間を縫って治療を手伝ってくれたので、私としては本当に助かった。
「しるー! すらー!」
「ウォン!」
ニース様は、お気に入りのシルヴァとスラちゃんと久々に一緒に遊べてとても良い笑顔だった。
シルバも、とても楽しそうにニース様と遊んでいた。
捜索の先にシルバの鼻の良さがかなり活躍したけど、やはり一番凄かったのはスラちゃんだった。
次から次へと隠された書類などを見つけたり、犯罪組織に潜入して情報を集めたりしていた。
ルーカス様は、スラちゃんがもう一匹欲しいと本音を隠さなかった。
因みに、そのルーカス様は今日のお茶会に不在だった。
「ルーカス様も、休みなく隣領への遠征って大変ですね」
「仕方なかろう。元々予定されていた軍の行動じゃ。今回の件の方が余程イレギュラーじゃよ」
紅茶を飲みながらマリア様が返事をしたが、実はルーカス様は王都と接している直轄領に遠征に参加していた。
私も一緒に行くかと聞いたのだが、今日のお茶会があるとルーカス様が参加しなくて良いと言ったのだ。
とは言え、遠征自体は三泊四日で終わる簡単なものらしい。
新兵と現地の守備隊との合同訓練で、毎年恒例行事だという。
「まあ、ルーカスの成人の祝いは一ヶ月後だし、そこまで焦る必要はないでしょう。来賓もアーサーとアメリアの結婚式と同じだし、場所も大部屋だからほぼ同じ物を使えるわ。馬鹿な四家がいなくなったから、準備も楽だと思うわよ」
王太子妃様もお菓子を食べながらあっけらかんと話しているけど、王家の忙しい行事も、今回はとても楽だそうです。
庶民の私としたら、毎回豪華なパーティーを開いて大変だとしみじみと思っていた。
「ウォン、ウォン!」
「きゃはは!」
ニース様はシルバと追いかけっこを始めていたが、そのニース様の頭の上にスラちゃんが乗っているので何かあっても大丈夫でしょう。
こうして穏やかなお茶会が進んでいたのだが、開始から僅か三十分で急展開を迎える事になった。
それは、このタイミングで参加予定の王妃様と王太后様よりもたらされた。
「た、大変よ。ルーカスの率いる部隊とゴブリンとオークの群れが交戦中よ」
「しかも、魔物溢れの兆候もあるらしいわ。アーサーにも出動指令が下ったわ」
「「「えっ!?」」」
あまりにも衝撃的な内容に、私を始めとする面々は思わず固まってしまった。
ルーカス様は大丈夫なのだろうかと、私は気が気でなかった。
「リンさん、お疲れ様です」
アーサー様とアメリアさんの披露宴での事件以降、四家関連の一ヶ月に渡る怒涛の調査と捜索などが続いていた。
関連する犯罪組織を潰していき、ついでに発覚した犯罪組織も潰していった。
その過程で更に数家の貴族家への捜索も行われ、王都はかなり騒がしいものとなった。
四家が犯した罪が次から次へと出てきたので、罪状整理をしないと裁判も開けないという。
本人たちはずっと牢屋暮らしで、ここから出せと大騒ぎしているらしい。
自業自得なのだから、同情は全くしないけど。
そして、合間を縫って教会の治療施設と軍の施設での治療も行い、気がつけば一ヶ月ぶっ続けで働いていた。
やっと休みとなり、今日は王城で王家の方に労いのお茶会に誘われた。
甘いお菓子を食べながらつい本音を言うと、アメリアさんが思わず苦笑しながら労ってくれた。
アメリアさんも新婚生活の合間を縫って治療を手伝ってくれたので、私としては本当に助かった。
「しるー! すらー!」
「ウォン!」
ニース様は、お気に入りのシルヴァとスラちゃんと久々に一緒に遊べてとても良い笑顔だった。
シルバも、とても楽しそうにニース様と遊んでいた。
捜索の先にシルバの鼻の良さがかなり活躍したけど、やはり一番凄かったのはスラちゃんだった。
次から次へと隠された書類などを見つけたり、犯罪組織に潜入して情報を集めたりしていた。
ルーカス様は、スラちゃんがもう一匹欲しいと本音を隠さなかった。
因みに、そのルーカス様は今日のお茶会に不在だった。
「ルーカス様も、休みなく隣領への遠征って大変ですね」
「仕方なかろう。元々予定されていた軍の行動じゃ。今回の件の方が余程イレギュラーじゃよ」
紅茶を飲みながらマリア様が返事をしたが、実はルーカス様は王都と接している直轄領に遠征に参加していた。
私も一緒に行くかと聞いたのだが、今日のお茶会があるとルーカス様が参加しなくて良いと言ったのだ。
とは言え、遠征自体は三泊四日で終わる簡単なものらしい。
新兵と現地の守備隊との合同訓練で、毎年恒例行事だという。
「まあ、ルーカスの成人の祝いは一ヶ月後だし、そこまで焦る必要はないでしょう。来賓もアーサーとアメリアの結婚式と同じだし、場所も大部屋だからほぼ同じ物を使えるわ。馬鹿な四家がいなくなったから、準備も楽だと思うわよ」
王太子妃様もお菓子を食べながらあっけらかんと話しているけど、王家の忙しい行事も、今回はとても楽だそうです。
庶民の私としたら、毎回豪華なパーティーを開いて大変だとしみじみと思っていた。
「ウォン、ウォン!」
「きゃはは!」
ニース様はシルバと追いかけっこを始めていたが、そのニース様の頭の上にスラちゃんが乗っているので何かあっても大丈夫でしょう。
こうして穏やかなお茶会が進んでいたのだが、開始から僅か三十分で急展開を迎える事になった。
それは、このタイミングで参加予定の王妃様と王太后様よりもたらされた。
「た、大変よ。ルーカスの率いる部隊とゴブリンとオークの群れが交戦中よ」
「しかも、魔物溢れの兆候もあるらしいわ。アーサーにも出動指令が下ったわ」
「「「えっ!?」」」
あまりにも衝撃的な内容に、私を始めとする面々は思わず固まってしまった。
ルーカス様は大丈夫なのだろうかと、私は気が気でなかった。
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