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第八十五話 ダンスパーティーが再開されます
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コンコン。
「はい、どうぞ」
ガチャ。
「失礼します」
使用人の報告から程なくして、衣装部屋に入室を求めるノックがあった。
王妃様が入室を許可すると、やはりというかルーカス様が姿を現した。
だいぶ疲れ切った表情を見るに、大部屋での騒動は中々のものだと容易に推測できた。
私は、直ぐに席から立ち上がってルーカス様に頭を下げた。
「ルーカス様、私が絡むことで色々とご迷惑をおかけし申し訳ありません」
「リンが謝ることではない。それを言うなら、私も多くのものに迷惑をかけた。最後に近づいたから、あのものたちも焦ったのだろう」
ルーカス様は思わず苦笑し、そして私の姿を改めて眺めた。
あっ、そうか。
今は、王妃様が用意してくれた新しいドレスに着替えていたんだっけ。
「うん、豪華なドレスもリンによく似合っているよ。とても綺麗だ」
「あっ、ありがとうございます……」
うう、どうしてルーカス様は眩いばかりの王子様スマイルで綺麗だとかと言えるのだろうか。
ルーカス様の笑顔に慣れたつもりだったけど、不意打ちには流石に慣れていなかった。
私は、またもや顔を赤くして下を向いてしまった。
「ニヤニヤ」
王妃様、良いものを見たという表情でニヤニヤとしながら私の事を見ないで下さい。
アメリアさんも、どうすればいいか対応に困っていますよ。
改めて席に着き、私は胸に手を置いて心を落ち着かせます。
「リン、良かったわね。ルーカスは、本当に良いものにしか褒めることはないのよ」
王妃様、実はお茶目な性格ですか?
良いおもちゃを見つけたって感じで、私の事をイジっていますよ。
何はともあれ、話を聞くことにします。
「父上も、今回の件はかなり怒っていた。殆どのものには関係ないが、一部のマナーのなっていないもののためにパーティーを中断せざるを得なかった。親ごとパーティーから追放し、追加で何かしらの罰を与える事になるだろう」
「今日騒動を起こした貴族家は、当面は王家主催のパーティーに参加はできないわね。罰金なども免れないだろうし、何よりも当人への婚約相手は当分現れないでしょう」
ルーカス様と王妃様は、紅茶を飲みながら今後の展開を予想した。
予想というか現実というか、ルーカス様に詰め寄った貴族令嬢、並びに私に詰め寄った貴族子弟は、今後茨の道を歩むことになるだろう。
そういう意味では、ルーカス様にストーカーしていて早めに退場した貴族令嬢は結果的に今回のパーティーでは何もしていないんだよね。
「今は、休憩という名の下でスケジュール調整を行っている。あと一曲踊ってからラストダンスの予定だったが、果たしてどうなることやら」
「恐らく、ラストダンスは行われると思いますわ。いきなりラストダンスとなるか、調整の為に数曲入れるかは分かりませんわね」
ルーカス様とアメリアさん曰く、この様な事態が起きるのは初めてのことらしいです。
王妃様も過去に記憶にないらしく、全く予定が分からないそうです。
すると、ここで使用人がスケジュールを告げに衣装部屋に入って来た。
「皆さま、そろそろパーティーが再開いたします。この後は、数曲追加でダンスが行われ、その後にラストダンスとなります」
アメリアさんの予想がピタリと当たった。
いきなりラストダンスでは体裁が悪いので、その辺を考慮したのでしょう。
何にせよこれからパーティーが再開されるので、私たちも立ち上がって衣装部屋から出ることに。
すると、王妃様がルーカス様と私にあることを通達した。
「悪いけど、二人はラストダンスまでダンスをするのは禁止ね。大丈夫だと思うけど、念には念を入れるわ」
「「畏まりました」」
王妃様としても、息子のパーティーでこれ以上無用な騒ぎは起こしたくないという思いがあるのだろう。
ルーカス様と私も、王妃様の思いは重々承知していた。
そして、私たちが大部屋に入ると予想外のことが起きてしまった。
ガチャ。
ザワザワザワ。
私たちが大部屋に入ると、中にいた貴族から大きなざわめきが起きていた。
主に私に向けてだけど、これは間違いなく今着ている豪華なドレスの影響でしょう。
しかし、貴族が何かを言おうとしても私の側にいる王妃様が何も言わずにニコニコと微笑んでいる。
ルーカス様まで一緒にいるので、何も言うことは出来ないだろう。
私たちは、そのまま陛下のところに向かった。
「陛下、お待たせして申し訳ありません」
「リンよ、そなたは被害者だ。何も悪いことはない。それに、本日のリンはそのドレスを着るだけの価値がある」
陛下は、私のドレス姿を見てうんうんと満足そうに頷いていた。
そして、陛下は視線を私の背後に向けた。
私たちも振り向いて陛下の視線の先を見るが、とんでもない光景が広がっていた。
「奴らを素直に帰すのは簡単だが、それでは罰にならん。壁の花になり、最後まで見届けるこそ自身の犯した罪を自覚することになるだろう」
おお、なんてことでしょう。
私に詰め寄った貴族子弟とその家族、並びにルーカス様に詰め寄った貴族令嬢とその家族が大部屋の最後列に置かれた椅子に座っているではありませんか。
更に、不用意な動きが出来ないように椅子と椅子の間に兵も配置していた。
椅子に座ったまま動くことなくラストダンスまで見届けないといけないなんて、かなりの罰になりそうだ。
と言っても、私も被害者なので何も言えないけど。
「はい、どうぞ」
ガチャ。
「失礼します」
使用人の報告から程なくして、衣装部屋に入室を求めるノックがあった。
王妃様が入室を許可すると、やはりというかルーカス様が姿を現した。
だいぶ疲れ切った表情を見るに、大部屋での騒動は中々のものだと容易に推測できた。
私は、直ぐに席から立ち上がってルーカス様に頭を下げた。
「ルーカス様、私が絡むことで色々とご迷惑をおかけし申し訳ありません」
「リンが謝ることではない。それを言うなら、私も多くのものに迷惑をかけた。最後に近づいたから、あのものたちも焦ったのだろう」
ルーカス様は思わず苦笑し、そして私の姿を改めて眺めた。
あっ、そうか。
今は、王妃様が用意してくれた新しいドレスに着替えていたんだっけ。
「うん、豪華なドレスもリンによく似合っているよ。とても綺麗だ」
「あっ、ありがとうございます……」
うう、どうしてルーカス様は眩いばかりの王子様スマイルで綺麗だとかと言えるのだろうか。
ルーカス様の笑顔に慣れたつもりだったけど、不意打ちには流石に慣れていなかった。
私は、またもや顔を赤くして下を向いてしまった。
「ニヤニヤ」
王妃様、良いものを見たという表情でニヤニヤとしながら私の事を見ないで下さい。
アメリアさんも、どうすればいいか対応に困っていますよ。
改めて席に着き、私は胸に手を置いて心を落ち着かせます。
「リン、良かったわね。ルーカスは、本当に良いものにしか褒めることはないのよ」
王妃様、実はお茶目な性格ですか?
良いおもちゃを見つけたって感じで、私の事をイジっていますよ。
何はともあれ、話を聞くことにします。
「父上も、今回の件はかなり怒っていた。殆どのものには関係ないが、一部のマナーのなっていないもののためにパーティーを中断せざるを得なかった。親ごとパーティーから追放し、追加で何かしらの罰を与える事になるだろう」
「今日騒動を起こした貴族家は、当面は王家主催のパーティーに参加はできないわね。罰金なども免れないだろうし、何よりも当人への婚約相手は当分現れないでしょう」
ルーカス様と王妃様は、紅茶を飲みながら今後の展開を予想した。
予想というか現実というか、ルーカス様に詰め寄った貴族令嬢、並びに私に詰め寄った貴族子弟は、今後茨の道を歩むことになるだろう。
そういう意味では、ルーカス様にストーカーしていて早めに退場した貴族令嬢は結果的に今回のパーティーでは何もしていないんだよね。
「今は、休憩という名の下でスケジュール調整を行っている。あと一曲踊ってからラストダンスの予定だったが、果たしてどうなることやら」
「恐らく、ラストダンスは行われると思いますわ。いきなりラストダンスとなるか、調整の為に数曲入れるかは分かりませんわね」
ルーカス様とアメリアさん曰く、この様な事態が起きるのは初めてのことらしいです。
王妃様も過去に記憶にないらしく、全く予定が分からないそうです。
すると、ここで使用人がスケジュールを告げに衣装部屋に入って来た。
「皆さま、そろそろパーティーが再開いたします。この後は、数曲追加でダンスが行われ、その後にラストダンスとなります」
アメリアさんの予想がピタリと当たった。
いきなりラストダンスでは体裁が悪いので、その辺を考慮したのでしょう。
何にせよこれからパーティーが再開されるので、私たちも立ち上がって衣装部屋から出ることに。
すると、王妃様がルーカス様と私にあることを通達した。
「悪いけど、二人はラストダンスまでダンスをするのは禁止ね。大丈夫だと思うけど、念には念を入れるわ」
「「畏まりました」」
王妃様としても、息子のパーティーでこれ以上無用な騒ぎは起こしたくないという思いがあるのだろう。
ルーカス様と私も、王妃様の思いは重々承知していた。
そして、私たちが大部屋に入ると予想外のことが起きてしまった。
ガチャ。
ザワザワザワ。
私たちが大部屋に入ると、中にいた貴族から大きなざわめきが起きていた。
主に私に向けてだけど、これは間違いなく今着ている豪華なドレスの影響でしょう。
しかし、貴族が何かを言おうとしても私の側にいる王妃様が何も言わずにニコニコと微笑んでいる。
ルーカス様まで一緒にいるので、何も言うことは出来ないだろう。
私たちは、そのまま陛下のところに向かった。
「陛下、お待たせして申し訳ありません」
「リンよ、そなたは被害者だ。何も悪いことはない。それに、本日のリンはそのドレスを着るだけの価値がある」
陛下は、私のドレス姿を見てうんうんと満足そうに頷いていた。
そして、陛下は視線を私の背後に向けた。
私たちも振り向いて陛下の視線の先を見るが、とんでもない光景が広がっていた。
「奴らを素直に帰すのは簡単だが、それでは罰にならん。壁の花になり、最後まで見届けるこそ自身の犯した罪を自覚することになるだろう」
おお、なんてことでしょう。
私に詰め寄った貴族子弟とその家族、並びにルーカス様に詰め寄った貴族令嬢とその家族が大部屋の最後列に置かれた椅子に座っているではありませんか。
更に、不用意な動きが出来ないように椅子と椅子の間に兵も配置していた。
椅子に座ったまま動くことなくラストダンスまで見届けないといけないなんて、かなりの罰になりそうだ。
と言っても、私も被害者なので何も言えないけど。
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