転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
1,172 / 1,224
第三十三章 二年生

千三百六十八話 年末の奉仕活動です

しおりを挟む
 いよいよ年末となり、僕たちは辺境伯領での年末恒例の炊き出しに参加しています。
 王都でもエレノアたちが張り切って奉仕活動をしているそうで、時間があったら僕も顔を出す予定です。

「いやあ、久々の奉仕活動ね。ここのところ仕事で各地を飛び回っていたからね」
「ここは腕がなるわね。久々に本気で料理を作らないと」
「だー! お前らは列の整理だけしていればいい! ここにいる全員が、年を越せないぞ!」

 やる気満々のレイナさんとカミラさんは、何とかジンさんに止めてもらいましょう。
 ということで、僕たちも張り切って奉仕活動をします。

 シュイン、ぴかー!

「やっぱり、リズちゃんの治療は凄いわね。腰の痛みがすっかり良くなったわ」
「回復魔法なら、リズにお任せだよ!」

 リズと顔見知りのおばちゃんも、治療したリズも思わずニッコリしています。
 辺境伯領の人々はとても良い人が多いし、僕たちともすっかりと顔見知りなんだよね。
 ミカエルやブリット、それにお友達の雲さんと一緒のレイカちゃんも、治療班として頑張っています。

「どらー」
「グルル」

 そして、同じく回復魔法が使えるドラちゃんも、仲良しのハーデスちゃんを膝に乗せながら治療をしていました。
 またまたリボンちゃんが微妙な表情を見せていたけど、仲良しなのは良いことです。

 トントントン、トントントン。

 僕とスラちゃんは、一緒に炊き出しの準備をしています。
 すっかりお姉ちゃんになったメイちゃんとリラちゃんも、炊き出し準備のお手伝いをしてくれます。
 今日は辺境伯領名産のお米を使った焼きおにぎりも提供するので、あちらこちらで香ばしい香りが漂っていました。
 サンディやイヨも焼きおにぎり作りを手伝っていて、他のちびっ子たちがお盆に乗せて配っていました。

「アレクたちも、来年は三年か。専門的な分野に移るが、まあアレクたちには関係ないな」
「僕は引き続き仕事をしながらですし、リズたちは何でも屋って感じてますよね」
「まあ、アレクの場合は将来が決まっているようなもんだし、成人したらティナ様から当主の座を受け継ぐだろうな」

 ジンさん曰く、僕は生まれのバイザー家ではなくティナおばあさまのオーランド家を受け継ぐ可能性が高いそうです。
 とはいえ、決めるのは陛下だし、まだ少し先の話だもんね。

「ムシャムシャ、アレク君の料理は美味しいね」
「本当ね、いつも美味しいんだよね」

 僕の試食を美味しそうに食べるレイナさんとカミラさんを見ると、あっという間に現実に戻れそうです。
 すると、レイナさんがこんなことを言ってきたのです。

「アレク君とリズちゃんは、卒業までに冒険者としてもAランクになるかもね」
「史上最年少記録を更新するのは間違いないわ。既に功績は溜まるっているしね」

 カミラさんも、お肉を頬張りながらそんなことを言っていた。
 僕も冒険者活動はとても好きだし、例え官僚にならなくとも冒険者として生活できるもんね。
 とはいえ、色々な人が僕たちを放っておかないかも。

 ちょいちょい。

「あーにー、だこー」

 炊き出しの準備を終えて少しゆっくりしようとしたら、ハーデスちゃんが僕のズボンを引っ張った。
 何かあったのかなとハーデスちゃんを抱き上げながら周囲を見回したら、ドラちゃんがリボンちゃんに説教されていた。
 また何かやらかしたのかなと、僕以外の人も思っていた。

「ハーデスちゃんは、おむつを交換しましょうね」
「あい!」

 僕は、ハーデスちゃんを抱いて教会の長椅子のところに向かいました。
 何にせよ、年末の奉仕活動は何とか終わりそうですね。
しおりを挟む
感想 293

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。