転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十四章 三年生

千四百七十八話 久々に辺境伯領での奉仕活動です

 リズ達も順調に作品を仕上げていき、段々と文化祭も近づいてきました。
 僕も、アカデミーに提出する論文を完成させて既に提出していました。
 そんな中、今日は久々に辺境伯領の教会で奉仕活動をする事になりました。
 残念ながら王家のちびっ子達はみんな公務で不在で、リズは何とか公務を逃れていました。

「司祭様、お久しぶりです」
「お久しぶりです!」
「おー、【双翼の天使】様も本当に大きくなったのう」

 司祭様も、ニコリとしながら僕達を出迎えてくれました。
 今日はミカエル達も一緒に奉仕活動をするのだけど、この子もとても張り切っていました。

「グルル……」
「おー!」

 ハーデスちゃんは、大好きなドラちゃんと一緒にやる気になっていました。
 ハーデスちゃんは基本的にドラちゃんと一緒に治療する事になるので、そのまま一緒にいてもらいます。
 リズ達は治療班で対応するので、僕は炊き出しの準備をします。

「「お手伝いするよー!」」
「じゃあ、皮むきからやってみようね」
「「はーい!」」

 メイちゃんとリラちゃんは、お母さんから家事のやり方を教わっています。
 少しずつ包丁の使い方も習っていて、今日は簡単な調理を手伝ってもらいます。
 赤ちゃんだった二人も、こうして料理ができるようになったんだね。

「では、ここは小さい子どもの手本を見せないといけないわね」
「そうね。折角の辺境伯領での奉仕活動なのだから、気合を入れないといけないわ」
「「「だー! お前らは、気合の入れ方を間違っているぞ!」」」

 流石、ジンさんをはじめとした辺境伯領の冒険者達です。
 見事な連携プレーで、破壊王のデス料理を封じました。
 破壊王のお二人は物凄く不満そうな表情をしているけど、僕も大変な事が起きるのは勘弁ですよ。

 シュイン、ぴかー!

「はい、これで元気になりましたよ」
「本当ね。それに、ミカエルちゃんも大きくなったわね」

 治療班も、イヨのミケちゃんを抱いて治療したりとみんな仲良くしています。
 ミカエルとブリットが他の子を良く指導していて、二人もいい感じにお兄ちゃんとお姉ちゃんになっていますね。

「うーん、悪い人がいない……」
「「「「「ブルル」」」」」

 そのイヨは、ポニさん達と共に周囲の警戒にあたっていた。
 辺境伯領は兵の巡回もバッチリ行っているので、とても治安がいい。
 とはいえ、遊撃班もこのまま警戒を続けてもらいましょう。

「はい、どーぞー」
「熱いから、気をつけてね」
「どーぞー」

 そして、今日の主役は辺境伯家の三人の子どもたちでした。
 厳つい人とかもへっちゃらなので、笑顔でスープを配っていました。

「若奥様、子どもたちは良い感じに成長しているな」
「ええ、本当にそうですわね。子どもの成長はとても早いですわね」

 子どもたちの張り切っている様子に、今日の引率者のソフィアさんもとってもいい笑顔でした。
 町の人も、次代の辺境伯家を担う子どもたちが元気よく成長していて、とても嬉しいみたいですね。

「ほほほ、本当に子どもたちは元気じゃのう」
「そうですわね。【双翼の天使】様の、幼い頃を思い出しますわ」

 司祭様とシスターさんも、頑張っている子どもたちに目を細めていました。
 僕とリズが幼い頃よりも、今の方が断然手伝ってくれる人が多いもんね。
 すると、ここで僕達に話しかけてくる冒険者の姿がありました。

「あの、冒険者ギルドで奉仕活動の手伝いの依頼を受けたのですけど……」

 やってきたのは、男女六人組の初心者冒険者でした。
 ソフィアさんに顔を向けると、ニコリとしながら頷きました。
 どうやら、辺境伯家からの依頼みたいですね。

「ふふふ、ここはBランク冒険者のリズの出番だよ。リズが、何でも教えちゃうよ!」
「「「「「「おお、び、Bランク冒険者!」」」」」」

 治療がミカエル達に任せられているので、リズは張り切って新人冒険者のところに向かいました。
 料理ができなくて暇そうにしているAランク冒険者のレイナさんとカミラさんにも、新人冒険者への指導をしてもらいましょうね。
 こうして、久々の辺境伯領での奉仕活動は、みんなでワイワイしながら進んでいきました。

「ふう、これで終わりですね。ソフィアさん、とても人が多くて思わず王都でやっているのかとおもっちゃいました」
「ありがたい事に、辺境伯領も人が増えているのよ。その分様々な問題も起きているけど、一つずつ解決できるように努力しているわ」

 ソフィアさんは、片付けを手伝いながら人々を見ていました。
 辺境伯領の人々は世話好きの人も多く、新住民にあれこれ教えてくれているそうです。
 やっぱり、辺境伯領の人達は良い人が多いですね。
 こうして、辺境伯領の奉仕活動は無事に終わりました。
 僕としては、小さい子達の成長が見られてとても良かったです。
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