転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十五章 新たな脅威?

七百三十一話 馬鹿貴族の後始末その二

 更に翌日、僕達は再び王城の会議室に集まっていました。
 報告内容は、言わずもがなです。

「新しい当主代理に反発した家臣が、謹慎中の嫡男を当主代理にしようと夫人に迫ったと。王家が決めたこととはいえ、女性が当主代理につくとは何たる不謹慎な事だと言っていたそうだ」
「念の為に、ポッキー達を屋敷に潜入させておいて正解でしたね」
「全くだ。外に待機していた兵に直ぐに知らせてくれたから、夫人も事なきを得た。一緒に大騒ぎしていた嫡男も拘束したがな」

 あの三人組の周りにいた家臣は、揃いも揃って馬鹿ばっかりだった。
 普通はお家争いに王城や王家は加担しないけど、今回は陛下と内務卿が直々に決めた処分に違反した行為だもんなあ。
 貴族の凝り固まったプライドって、本当にどうしょうもないね。

「幸い、ベッツへの襲撃はなかった。まあ、結果論だがな。命令を無視した事も含めて、これから尋問が行われるだろう。爵位を降格させるほどではないが、罰金は相当な額になるだろう」
「でも、溜め込んでいた金品を押収したら、それで罰金を賄える未来が見えますね」
「余にもその未来が見える。というか、現実になるだろう」

 学生が王命に違反して拘束されたとなると、学園側も厳しい処分を下すだろう。
 元よりルーカスお兄様はあの三人組を嫌っていたし、三人組がどんなに頑張ってもルーカスお兄様の近習になれる可能性はなかったね。
 本人達は一生理解できないだろうが。

「しかし、学園側からアレクは良くやっていると連絡があったぞ。教員からの評判も良いし、学生からも好評だ」
「皆さんに喜んで貰えて、僕も嬉しいです。これからも頑張ります」
「頼んだぞ。近々、アカデミーにも行ってもらう。アカデミーからも、是非ともアレクを招待したいと言われた」

 王立アカデミーは学園と同じ敷地にあるけど、僕はまだ行ったことがないんだよね。
 一体どんな施設なのか、とっても楽しみです。

「ここからは軍務卿とジンだな。王都内にありそうな、闇組織のアジトの候補が見つかったらしいな」
「怪我の功名と言えましょうが、今回の貴族の騒ぎに乗じて奴らも色々と動いていました。お陰で、我々も奴らの行動を追う事ができました」
「スラちゃん達の内偵も、既に始まっています。早ければ、今日中に結果が分かるかと」
「その点だけは、あの馬鹿貴族に感謝するか。ここからは、本腰を入れて対応しないとならない」

 ツンツン頭の貴族にいる闇組織の構成員は、軍の目が騒ぎを起こした貴族に向いていると思い色々と動いていたそうです。
 しかし、軍は逆にツンツン頭の貴族への監視を強化していて、アジト候補を何箇所か見つけたそうです。
 スラちゃん達にかかれば、色々な事が把握できるだろうね。

「突入の際は、軍も動かすが間違いなくジン達も招集する。拠点の数次第では、アレク達にも動いてもらうぞ」
「「「畏まりました」」」

 いよいよ、ツンツン頭の貴族との第一ラウンドですね。
 ツンツン頭を操っている闇組織を捕まえたらどうなるか、今後も注意が必要です。
 もちろん軍もその事は分かっていて、スラちゃん達も暫くは偵察する事になっています。
 会議というか報告はこれで終わりなので、陛下と軍務卿とジンさんを残して他の人は会議室を後にしました。

「戻ったぞ」
「ただいま戻りました」
「「「お帰りなさいませ」」」

 宰相と僕が執務室に戻ると、職員と秘書の人達が出迎えてくれました。
 そして、何故かレイナさんとカミラさんも執務室にいました。

「アレク君、お疲れ様。ジンはまだ帰ってこないの?」
「ジンさんは、会議室で陛下と軍務卿と話をしていますよ」
「そっか、ならもう少し待ちましょう」
「ベッツの家の件でね、外装は全く変化ないけど内装が凄いことになったんだって。お礼を言ってくれって、ベッツのお母さんが言っていたのよ」

 スラちゃんにアマリリスが本気を出せば、色々な設備が良くなっちゃうよなあ。
 更には三人組の家の当主代理が、ベッツの家に慰謝料を払う手続きをしているそうだ。
 なんにせよ、これで学園での騒ぎは一段落しそうです。

 ガチャ。

「戻ったぞ。って、レイナとカミラまでいてどうしたんだ?」
「スラちゃん達との偵察の帰りに寄ったのよ。色々と凄いことが分かったよ」
「どうやら、ピエロに親しい人物がいそうだよ」
「うーん、そうなると早めにアジトを制圧したほうが良さそうだな」

 スラちゃん達の偵察は続いているけど、中々重要な話が出てきたよ。
 確かに、相手がジンさんじゃないと話せない事だね。

「あと、アジトは四つあるわ。複数アジトを使い分けていたみたいね」
「うーん、となるとアレク達にも出てもらわないといけないな。軍と俺達とアレク達にスラちゃん達でチームを分けるか」
「そうだね。少なくともリーダーは決まっているから、配下のメンバーを決めればいいね」

 流石はジンさん、レイナさんからの報告を受けて直ぐに動き始めました。
 因みに、カミラさんの言ったリーダーって誰だろう?

「カミラさん、リーダーって誰ですか?」
「もちろん、軍務卿とジンとアレク君とスラちゃんよ。肩書は問題ないし、指揮能力も大丈夫ね」

 スラちゃんは執務官でもあるし、肩書はバッチリだ。
 スラちゃんがリーダーとなると、通訳する人が必要だ。
 でも、確かに能力的には問題ないよね。

「じゃあ、早速軍務卿と話を詰めるか。レイナ、カミラ、お前らもついてきて」
「そうね、スラちゃんからの情報を伝えないとね」
「久々に大仕事になりそうだわ」
「「「行ってらっしゃいませ」」」

 職員に見送られながら、ジンさん達は執務室を出ていきました。
 こういう時は、スピード命だよね。

 ドーン。

「宰相、チェックをお願いします」
「アレク君、話を聞きながら書類確認していたのか……」

 僕は目の前にある仕事をやっつけるのが先決だね。
 さてさて、もう少ししたら特別調査チーム全員集合ですね。
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