小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十二章 再びの帝国との紛争

第八百四十三話 到着の謁見です

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 謁見の時間になったので、僕たちは身だしなみを整えて玉座の間に向かいます。
 ちょっと不安げなローナちゃんの手を、クリスちゃんとユキちゃんがニコリとしながら繋いでいます。
 程なくして玉座の間に到着し、僕、クリスちゃん、ローナちゃん、ターニャさんは玉座の間に敷かれている絨毯の切れ端まで進んで膝をつきます。
 ギルバートさんやナンシー侯爵は、閣僚などが並ぶところに移動しました。

「皆さま、間もなく王族の方々が入場します」

 係の人の合図の後、程なくして王族が入場してきました。
 陛下が玉座に座る音が聞こえたけど、多分王妃様とグレットちゃんも一緒だね。
 何だか、グレッグちゃんがニコニコしている気配がするよ。
 ギルバートさんたちも、臣下の礼をとっています。

「皆のもの、表をあげよ」

 陛下の声で、僕たちは一斉に顔を上げます。
 陛下は厳かな表情だけど、王妃様は穏やかな表情でグレッグちゃんはもうニコニコが止まりません。

「タターランド帝国皇女、ローナです。国王陛下にお会いでき、光栄です」
「うむ、見事な礼だ。ローナ皇女、よくぞ遠いところから遥々とやってきた」

 ローナちゃんは、短期間だけど練習した礼をカーテシーをしながら披露しました。
 ローナちゃんの頑張りに、陛下も満足そうに頷きました。

「王国は人質を要求していない中、帝国は自ら皇族を人質として差し出した。王国も、それなりの配慮はしないとならない。もちろん、ローナ皇女の身の安全は最大限配慮する」

 やっぱりというか、王国はローナちゃんをしっかりと守るという決意なんだね。
 陛下の宣言を聞いて、僕も安心しました。
 もちろん、ユキちゃんもしっかりとローナちゃんを守るぞと気合を入れています。

「ローナ皇女は、王妃の保護下に入る。部屋も用意してあるので、当面はそちらを利用するように」
「ありがとうございます」

 ローナちゃんを、王妃様が面倒を見るという予定も変更なしです。
 いつまでローナちゃんが王国にいるかは、停戦交渉や和平交渉の結果次第です。
 チャーリーさんなら、きっと良い判断をしてくれるはずですね。
 謁見はこれで終わりなので、改めて先ほどの応接室に移動します。

「ローナちゃん、グレッグだよ! 今日からお友達だね!」
「あ、ありがとう、グレッグちゃん……」

 応接室に行くと、グレッグちゃんが待ってましたといわんばかりに挨拶をしていました。
 きっと、新しいお友達ができるのが楽しみだったんだね。
 さっそくローナちゃんの隣に座って、色々とお話をはじめました。

「うむ、仲良いことはいいことだ。このまま、良い友誼を結んでくれればよい」

 陛下も、息子の行動に思わずニコリとしていました。
 ローナちゃんがいい子ってのもありそうですね。

「だが、ローナ皇女の身の安全のために暫く行動制限をかけなければならない。少なくとも、停戦交渉が終わるまでは王城内で過ごしてもらう」

 陛下は、お菓子をもしゃもしゃと食べながらローナちゃんの対応について教えてくれました。
 確かに、当面は安全な王城内で過ごすことになるでしょうね。
 でも、クリスちゃんたちが王城に遊びにいけば済む話だもんね。

「停戦交渉については、宰相と軍務大臣が報告した内容で問題ない。恐らく、一週間もあればまとまるだろう。レオが、皇子と仲良くなったのも交渉がまとまった要因だ」

 陛下は僕のことを褒めてくれたけど、ジョセフさんは最初に会った時からとても良い人だと思いました。
 チャーリーさん、ブランドルさん、ボーガン様に任せておけば、きっと上手くいくはずだと思います。
 そして、僕、クリスちゃん、ローナちゃん、グレッグちゃん、王妃様、ターニャさん、ユキちゃん、ソラちゃんは、もう一人の王族のところに向かいました。

「あうー」
「わあっ!」

 子育ての部屋に入ると、ベビーベッドにルーちゃんがいました。
 初めて見る赤ちゃんに、ローナちゃんの表情がとても明るくなりました。

「ルーちゃんだよ! 僕の弟だよ!」

 グレッグちゃんが満面の笑みで弟を紹介すると、王妃様はひょいっとルーちゃんを抱き上げました。
 そして、ローナちゃんにルーちゃんを抱かせたのです。

「あう?」
「わぁ、わぁ!」

 ルーちゃんはこの人誰だろうって表情だけど、ローナちゃんは初めて抱く赤ちゃんに表情が緩んでいました。
 ローナちゃんも、だいぶ年齢らしい表情になってきたね。
 そんなルーちゃんとローナちゃんのことを、王妃様とターニャさんは優しく見守っていました。
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