小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十三章 講和会議と訓練

第九百三十五話 花祭りに向かいます

 翌朝、僕たちは身支度を整えて馬車に乗り込みました。
 目的は、もちろん花祭りに行くためです。

「一緒に見に行く!」
「アオン!」
「キュー!」

 昨日一緒に寝ていた仲良したちも、僕と一緒に町に行くと言っています。
 チェルシーさんとスーザンさんも花祭りの実行委員の人に挨拶に行くそうなので、ついでに馬車に乗って行くことになりました。
 それに花祭りは多くの人が集まるから、逆に不審者を見つけやすいとシロちゃんとピーちゃんも張り切っていました。
 ということで、早速みんなで馬車に乗り込みます。

「アンソニーちゃんは、毎年花祭りに行っているの?」
「いっているよ! とってもたのしいんだよ!」

 次の次の領主様として、アンソニーちゃんも町の人に顔を覚えてもらわないとね。
 こういう機会は、とても大切ですね。
 ということで、お祭りの実行委員長のミシャさんのお父さんの商会前に到着です。

「おはよーございます!」
「アオン!」
「あら、アンソニー様、おはようございます」

 お店の前では出店が出ていて、馬車から降りたアンソニーちゃんは準備をしていたミシャさんのお母さんに元気よく挨拶をしました。
 そして、僕たちも挨拶をします。

「お久しぶりです」
「あら、レオ君じゃない。噂は聞いていたけど、本当に大きくなったわね」

 フレアさんとミシャさんとは今年の初めに会ったけど、ミシャさんのお母さんとは本当に久しぶりです。
 そして、改めて出店が立ち並ぶ道を眺めました。

「今年も盛況で、とても良いですわね」
「ええ、そうですね。こうして多くの人が訪れるのを嬉しく思いますわ」

 チェルシーさんとミシャさんのお母さんは、とてもにこやかに話をしています。
 やっぱり、お祭りが盛大に行われるのはとても嬉しいよね。

「ピッ」

 すると、シロちゃんとピーちゃんが町をパトロールしに行きました。
 不審者がいれば兵の詰所に送り届ければいいし、シロちゃんなら人を念動で浮かび上がらせます。
 探索魔法で周囲を確認しても、今のところは問題なさそうです。
 すると、スーザンさんがアンソニーちゃんにこんなことを言ってきたのです。

「レオ君はね、アンソニーが産まれた時に行われた花祭りで、綺麗なリースやピンブローチを作っていたのよ」
「ほんとー!?」

 あっ、アンソニーちゃんが僕のことをキラキラした目で見ているよ。
 ということで、早速お店の中に入ってリースを作ることになりました。

「誰が来たのかと思ったら、レオ君だったのね」
「確かに、レオ君が作るリースを見てみたいわよね」

 商会の工房では、職人さんたちに加えてフレアさんとミシャさんもリースを作っていました。
 毎年たくさん作っても、完売しちゃう程人気だそうです。
 では、ぼくも空いている席でリースを作ります。
 えーっと、元気なアンソニーちゃんを意識してっと。

 あみあみあみ。

「はい、できたよ」
「わあ、はやーい! すごーい!」
「相変わらず手際がいいわね」

 アンソニーちゃんは、とても喜びながら僕が作ったリースを受け取りました。
 オレンジ色の花を使ったリースに、スーザンさんもニコリとしていました。

「レオ君、益々手先が器用になっているわね」
「細かいところにも気を使うようにしているわ」

 久々にリースを作ったけど、無事に出来てとてもホッとしています。
 フレアさんとミシャさんも、僕の作ったリースをとても褒めてくれました。

「あら、ここにいたのね」
「おばーさま、おにーちゃんが作ってくれたんだよ!」
「良かったわね。レオ君の作るリースには、幸せが訪れると言われているのよ」

 チェルシーさんも、工房に姿を見せました。
 そういえば、僕の作ったリースが幸せのアイテムだと言われていたよね。
 すると、チェルシーさんはこんなことを言ってきたのです。

「そうそう、実行委員長がレオ君に頼みがあるそうよ。表に出てくれって」

 ミシャさんのお父さんからのお願いって、いったいなんだろうか?
 フレアさんとミシャさんに聞いても、特に知らないそうです。
 うーんって思いながら、僕は商会の前に移動しました。

「ミシャさんのお父さん、おはようございます」
「やあ、レオ君。とても大きくなったね」

 ミシャさんのお父さんは、相変わらずニコニコしながら僕と握手してくれました。
 すると、凄いことを言ってきたのです。

「これから、特設会場で開会式を行うんだよ。一緒に出て欲しいんだよ」

 えー!?
 僕が開会式に出るの?
 でも、僕の後ろについてきたチェルシーさんもこの話を聞いてもニコニコしているだけだし、どうやら二人が一緒に決めたみたいです。
 何だか緊張してきちゃいました。
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