小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十三章 講和会議と訓練

第九百四十一話 バーボルド伯爵領まできました

 翌日から、僕たちはサンダーランド辺境伯領を出発して王都へ向かいます。
 安全のために、早朝に出発してディフェンダーズ伯爵領やシークレア子爵領などの大きな領地で宿を取ることになりました。
 街道の安全を確保するため、害獣駆除なども徹底的に行われました。
 街道の通行も一部制限され、帝国からの使者を優先的に通すようにしています。
 軍の警備も厳重に行われていて、僕のお友達も常に周囲の監視を行っています。

「レオ君も、常に監視をしているんですよね。本当に凄いです」
「アオン!」

 僕も広範囲探索魔法を使って周囲の監視を行っており、ジョセフさんと一緒に帝国から来ているフェリスさんもとても驚いていました。
 ちなみにフェリスさんは何と傍系皇族らしく、帝国の中でもかなり上位のお嬢様らしいです。
 可愛いものが好きで、今もユキちゃんを抱っこしながらもふもふとしています。

「どの領主も、民をとても大切にしている。とても素晴らしいことだ。是非とも、帝国の貴族にも見習って欲しいものだ」

 ジョセフさんは、定期的にレポートを纏めて通信用魔導具で送付していました。
 王国の領主貴族はとても良い人が多いし、国民も元気いっぱいだよね。
 でも、中にはベーベル子爵みたいな貴族もいるんだよね。
 それでも、王国も以前よりもとても良くなったと思います。
 キチンと、駄目なところも改善して行かないとね。

「レオ君は、四歳から冒険者として働いているんだよね?」
「四歳の誕生日に両親にお金のために売られて、助け出されてから冒険者として働いていました。七歳の誕生日に、王都に到着しました」
「私は、レオ君は貴族の子どもだとてっきり思っていたのよ。大変な苦労をしたからこそ、きっと凄い魔法使いになったのね」

 フェリスさんは僕の境遇を哀れんでいたけど、親に商会に売られて盗賊団に襲われて助けられて以降は、そんなに苦労したって記憶はないんだよね。
 それに、僕は多くの人に助けられたもんね。

「帝国では、たくさんの逸話を残している凄い魔法使いが王国にいると噂になっていたのよ。でも、実際に話を聞いてみると、噂よりも凄かったのね」
「アオン!」

 帝国に伝わっている僕の逸話の裏話をすると、フェリスさんだけでなく他の人たちもとてもビックリしていました。
 やっぱり一番の話は僕がクリスちゃんを治療したことで、今でも仲良しだと知って凄いと言っていました。
 こんなことを話しつつ、僕たちを乗せた馬車は王都手前のバーボルド伯爵領に到着しました。
 最初に、第一師団の基地で歓迎のセレモニーが行われました。
 そして、師団長室に移動して軽く話をします。

「私は四歳の頃のレオ君を知っておりますが、幼いのに一生懸命町の人を治療しておりました。親を頼れないという事情があったにせよ、中々不憫なことをさせておりました。更にレオ君の力を欲しようとする貴族が多く、王都に連れて行くことも難しかった事情がありました」

 マイスター師団長さんが、僕が小さい頃の話をしてくれました。
 セルカーク直轄領にずっと居られれば良かったのだけど、両親が連行されると聞いて心が反応しちゃったんだよね。

「そういう難しい状況の中で、レオ君は大きく成長したというのか。各地の領主で、レオ君のことを悪くいうものは全くいなかった。教会関係者も同様で、それだけレオ君が頑張っていたということだ。もちろん、領主も相応の対応をしたのだろうが」

 ジョセフさんも、難しい表情を見せていました。
 僕は、町の人にとてもよくしてもらったし、みんなに守ってもらったもんね。
 すると、今度はフェリスさんがこんなことを質問してきました。

「そういえば、サンダーサンド辺境伯領で花祭りが終わったところだと聞きました。レオ君が作るリースとピンブローチを手にすると、幸せになると言われているそうですね」

 いつの間にか、色々な人がラッキーアイテムだと言われていたんだよね。
 せっかく材料もあるので、みんなでササっと作りましょう。

 あみあみあみ、プチプチプチ。

 よし、できた!

「はい、こんな感じのものを作って、出店に立って販売していました。プレゼントです」
「アオン!」
「えっ、これをプレゼントしてくれるんですか? ありがとうございます」

 フェリスさんは、僕たちのリースとピンブローチをプレゼントされてとっても喜んでいました。
 女性随行員もプレゼントすると、とっても喜ばれました。

「レオ君は、色々な人に接しているうちに周りの人への気配りにも気をつけるようになったな」

 ネストさんも、僕のプレゼントをもらって喜ぶ女性と僕たちを見て満足そうに頷いていました。
 やっぱり、みんなに喜んでもらった方がいいですよね。
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