小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

文字の大きさ
294 / 678
第九章 久々のセルカーク直轄領

第五百九十七話 涙ながらの再会

しおりを挟む
 いよいよ旅も十二日目です。
 何も問題無ければ、お昼前にセルカーク直轄領に到着します。
 なので、僕も宮廷魔導師の服をキチンと着ます。
 髪の毛もセットしてもらい、準備万端です。
 ユキちゃんたちも、綺麗にしてもらいます。
 兵も目的地に着くのもあってか、いつも以上に身だしなみに気をつけていました。
 でも、セルカーク直轄領に着くまでは街道の両側は森だから、本当に気をつけないといけません。
 シロちゃんたちが頑張ると言っているので、僕たちに危険はなさそうですけどね。
 では、いよいよ出発です。

「あれ? 前から多くの騎馬隊がやってきたよ」

 そして、セルカーク直轄領まであと三十分くらいのところで、何故か町の方からたくさんの騎馬隊がやってきました。
 部隊長さんが相手方と話をしていたけど、馬車の窓から見ると僕も知っている人がいました。
 僕は、思わず馬車から飛び出して駆け寄りました。

「セレンお姉さん! ナナリーお姉さん! カエラお姉さん!」
「「「レオ君!」」」

 大人っぽくなった三人のお姉さんに、僕は勢いよく抱きつきました。
 三人のお姉さんも、僕のことをギュッと抱きしめてくれました。

「うぅ、会いたかったよ……」
「私たちも、レオ君に会いたかったわ」
「あの小さかったレオ君が、こんなにも大きくなるなんて」
「すっかり大きくなったわね」

 僕はセレンお姉さんに抱きついたままずっと泣いちゃったけど、その間三人のお姉さんは僕を抱きしめてくれたり頭を撫でてくれました。
 こうして僕は涙が止まらなかったけど、暫くしてようやく気持ちも落ち着きました。

「ご、ごめんなさい。ずっと抱きついちゃって……」
「いいのよ。ふふ、そういえば前にもこんなことがあったわね」

 そういえば、セルカーク直轄領の守備隊に保護された時も、家族のこととかを話したらセレンお姉さんに抱きついて泣いちゃったよね。
 ちょっと恥ずかしくなって顔が赤くなっちゃったけど、セレンお姉さんは問題ないって言ってくれました。
 すると、守備隊に新しい人が入っているのに気が付きました。

「あっ、マヤさん、セラさんです! 守備隊に入れたんですね」
「レオ君、私たちのことを覚えてくれたのね。とても嬉しいわ」
「二年前に守備隊に入ったのよ。レオ君が頑張っているから、私たちも負けないように頑張ったのよ」

 マヤさんとセラさんも、別れた時から背が伸びていました。
 スラッとしたスタイルの良さが目を引く、とっても美人さんになっていました。
 きっと、二人とも物凄く強くなったんだね。
 他にも、もしゃもしゃの髪の人は相変わらず髪がもしゃもしゃだったし、スキンヘッドの人もスキンヘッドのままだった。

「あれ? 守備隊長さんは?」
「隊長は、セルカークの町でレオ君たちの到着を待っているわ」

 そっか、セラさんが教えてくれたけど守備隊長さんは町を守らないといけないもんね。
 守備隊の全員が、僕の迎えに来たら大変です。
 あっ、そうだ。
 守備隊の人に、ジェシカさんたちを紹介しないと。
 ちょうど、僕の後ろに集まって来ていますね。

「皆さんに紹介します。とってもお世話になっているジェシカさん、スライムのシロちゃん、コボルトのユキちゃん、サンダーホークのピーちゃん、モリヤマネコのムギちゃんです」
「おーおー、こりゃ美人の侍従がいるな。レオはいいご身分になったもんだ」
「なんたって、宮廷魔導師な上に男爵様だもんな。あの小さな魔法使いが、本物の魔導師になったもんな」

 もしゃもしゃの人とスキンヘッドの人がニコニコしながら僕の頭を撫でていたけど、そういえば昔は小さな魔法使いっていう二つ名だったもんね。
 最近だと、ずっと黒髪の天使様って言われていて、黒髪の魔術師とは言われなくなったよね。
 そして、ちょっと気になったことがあります。

「あの、何でオープンタイプの馬車があるんですか?」
「そりゃ、レオが来たと町の人に知らせるために決まっているだろうが」
「もう、たくさん人が集まっているぞ。そら、乗った乗った」

 僕は、スキンヘッドの人に脇を抱えられてオープンタイプの馬車に乗せられちゃいました。
 もう、何が何だか分からないですよ。
 あっ、そうだ。
 ジェシカさんやシロちゃんたちも一緒に……

 バタン。

 馬車の方を振り返った瞬間、ジェシカさんとシロちゃんたちが馬車に乗り込んでドアを閉めていました。
 絶対にオープンタイプの馬車には乗らないという、断固たる決意を感じました。
 いや、僕だってこんな馬車に乗るとは思っていないんですけど。

「それでは、これから宮廷魔導師ポラリス男爵様の護衛を開始する。町をパレードして、代官邸に向かう」
「「「はっ」」」

 えっ、パレード?!
 もしゃもしゃの人がセレンお姉さんたちに指示をしているけど、とんでもないキーワードが聞こえて来たよ。
 あわわ、とんでもないことになってきちゃった。
 わたわたしている間に、馬車が発車しちゃいました。
 取り敢えずセレンお姉さんたちに会えたこととか、オープンタイプの馬車に乗ってパレードすることになったと通信用魔導具で報告したら、お世話になったお姉さんに会えてよかったねとの返信の他に、パレードくらい当然だろうという返信も多数ありました。
 僕はセルカーク直轄領にとって恩人なのだから、パレードしても何も不思議ではないと陛下が返信してきました。
 うん、誰もパレードはおかしいとは言ってくれませんでした。
しおりを挟む
感想 197

あなたにおすすめの小説

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~

タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。 時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま! 「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」 ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは―― 公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!? おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。 「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」 精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。