小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十一章 冒険者学校

第七百四十六話 僕にとってはいつもの治療です

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 シュイン、ぴかー!

「おお、これは凄い。体中の痛みがなくなったぞ!」

 今日は午前中から多くの人が教会に集まっているけど、このくらいならユキちゃんがいなくても僕たちだけで治療を行えます。
 それに、そこまで重症患者がいないので治療もスムーズに進んでいきます。

「あの、骨折を重傷者とは言わないのでしょうか……」

 僕たちの側にいてくれたシスターさんはとても驚いていたけど、骨折くらいなら直ぐに治せるもんね。
 病気の方が治療が大変な時もあるし、手足の欠損も簡単に再生できる時もあるんだよね。
 すると、僕の前に顔に酷い火傷を負ってしまった若い女性がお母さんと共にやってきました。

「その、この子は結婚を控えているのですが、誤って大火傷をしてしまいまして……」

 お母さんが悲痛な面持ちで話をしてくれたけど、ポーションなどでここまで治療したそうです。
 結婚も近いとなると、綺麗なお顔でいた方が絶対にいいよね。
 僕は回復魔法と聖魔法を溜めて、顔の皮膚が良くなるようにと思いながら魔法を放ちました。

 シュイン、シュイン、ぴかー!

「「す、凄い……」」

 お母さんと僕の隣にいたシスターさんは、ドンドンと火傷の痕が治っていく様子にビックリしていました。
 火傷だけでなくお腹にも病気があったので、全て一気に治療します。
 そして、僕は手鏡を魔法袋から取り出して若い女性に手渡しました。

「うそ……火傷の痕が全部なくなっているわ……」

 若い女性は信じられないという表情で手鏡に写った自身の顔を見ていたけど、もしかしたら二度と治らないのかもって思ったのかもしれません。
 でも、このくらいなら僕一人でも治療できるもんね。

「ありがとうございます。本当にありがとうございます……」
「わわっ!」

 すると、若い女性ではなくお母さんの方が号泣しながら僕の手を握ってブンブンと振ってきました。
 お母さんも、結婚間近の娘が大火傷してきっと心を痛めていたんだろうね。
 親子は、ニコリとしながら帰っていきました。
 よーし、次の人を治療しようっと。
 すると、今度は仕事中の事故で指を二本失ったおじさんがやってきました。

「指がねぇと、仕事が上手くできなくてな……」

 おじさんは悔しそうに話すけど、利き手の右手の指を失ったから余計に悔しいんだろうね。
 でも、このくらいなら僕一人でも大丈夫です。
 先程の火傷の若い女性と同じく、僕は回復魔法と聖魔法の魔力を溜めました。

 シュイン、シュイン、ぴかー!

「うお、なんじゃこりゃ?」

 おじさんは、自分の指が再生していく様子に驚いていました。
 お腹も悪いけど、もしかしてお酒の飲み過ぎとかあったのかな。

「これで大丈夫ですけど、指よりもお腹の方が悪かったですよ」
「ああ、仕事が上手くできなくてやけ酒を飲んでいた。でも、これならきっと仕事も上手くいくはずだ!」

 おお、おじさんはとても元気になってやる気が溢れていました。
 これなら、きっと仕事も上手くいってやけ酒も無くなるね。

「き、奇跡みたいな光景なのに、『黒髪の天使様』は普通の治療だと言われております……」

 シスターさんが連続で信じられないものをみたと言っているけど、僕にとってはいつもの治療なんだよね。
 すると、王都大教会でいつも担当してくれた司祭様がニコリとしながらシスターさんに話しかけてきました。

「『黒髪の天使様』は、偉ぶったり自慢せず、単に目の前にいる傷ついた人を治療しようという一心なのよ。それに、先程の二人を見て分かる通り、『黒髪の天使様』は怪我だけでなく心の傷まで治療してしまうわ」

 司祭様はニコリとシスターさんに話しかけていたけど、確かにさっき治療した二人はとってもいい笑顔になったもんね。
 きっといい結婚式になるだろうし、仕事もバッチリしてくれるはずです。
 ではでは、ドンドンと治療していきましょうね。
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