異世界で神から最強の力を手に入れたはずだがそれが最弱だった件について

神崎夜一

文字の大きさ
3 / 42
1章〜復讐へ〜

異世界へ

しおりを挟む
「ねぇ、ねぇ、ねぇってば!聞こえてるの?」



どこかで誰かの声がする、誰かが俺を揺らしている気がする...痛い、痛い、痛くない?


俺は最後あいつに刺されたはずだが、その痛みはもう感じない。


これって俺まだ死んでない?九死に一生を得たてきな?そんなことはないとは思うが


目をあけられるぞと思い、俺は目を開けた、途端俺の目に写ってきたのは白い天井、白い壁、何もかもが白い部屋だった、それと、俺を膝枕している少女一人だった。


少女はピンク色の髪をしており、目は赤く、衣装はピンク色で天の羽衣のようなものを着ている。
歳は12歳程度だろうか


「ここは?」


俺が起きた途端、俺のぼやけ顔とは異なり少女はにっこりと微笑みかけてくる、真上にこんな美少女がいるのはとても悪い気はしない。


「やっと起きたみたいね、ここは、そうね、神の部屋とでも言っとくは、それと私はティシフォネ、選ばれた人をこの部屋に連れてきて、送り出すのが私の役目」


手を胸に当て堂々と言葉を口にする。


「神の部屋...、あははは、あははは、そんなもんはいそうですかとすぐ信じられるわけねぇだろ、それと俺は確実にあの時死んだ、それだけはわかる...気がする、なのにあの時の外傷も痛みも無くなっていて、それでいて、ここは病院でもなければ神の部屋?マジでわからん、わからなすぎる」


俺は立ち上がり、手のひら、服、腹の傷を確かめるがさっき起こったことがまるでなかったかのように無傷であった。


「信じるとか信じないとかはどうでもいいの、ここで魔王を倒す力を手に入れて、異世界に飛び出せば、いやでも分かるから、それと、そうあなたは一回死んだの、死んでこの部屋に連れてこられたのよ」


「そうか、知っているぞ、アニメや漫画でよくある異世界召喚だろ?それが今自分の身に起きたというのか、それは嬉しいが俺には心に決めた彼女が...もう会えないと思うと胸が痛む」


俺は肩をガックリさせて落ち込む、アニメや漫画でも異世界にきて戻ろうと試みるがそれが失敗に終わっているのもよくあることだ、だから元の世界に戻れるという希望も薄いということだ。


「あっ、それとあなたの彼女さん?えっと...双葉明日香さんだっかかな、も一緒に連れてきちゃったから、さっきあなたが寝ている間に先に行っちゃったよ、追いかけなくて大丈夫?」


「来ているのかよ!ってか彼女なんかじゃないよ!あいつは、あいつは...」


拳に力を入れ、俺の中にある復讐心と殺意がわきあがる。


「何か深い事情があるみたいだからそこまで詮索はしないよ、それと何か欲しいものある?一応君の全パラメーターは最大値までに上げて、神器もあげるよ。魔王を倒すためにあなた、いや竜二を呼んだのから」


「魔王を倒す?それならあんたが行けば良いじゃないか?それと、なんで俺なんだ?違うやつらでも山ほど居るじゃないか」


「私は天界は飛び回れても下界は行けないんだ~、だから君に魔王討伐をお願いしたいんだ。後、君を選んだのは特に理由はないけどな~」


「まぁわかった、おおよそわかった、魔王討伐を引き受ける。一回死んだ身だし、生き返らせてもらっただけ運が良かった。それより欲しいものって例えばなんだ?」


中学の時にアニメやマンガで読んだこともあったことながら魔王討伐とあればやりたいに決まっている。
男のロマンといっても過言ではない。


「えーとね、カッコいい服とかカッコいいサングラスとか...ね!」


「それってふつうにいらなくね?」


「私は可愛い服とか色々ファッションしてみたいからなんだけどなー、だから竜二もそうなのかなって思っただけ、いらないなら別に良いけど」


「どうでも良いよそんなの、てかお金はくれないのか?」


神器はもらえるらしいので他に欲しいものはと聞かれると金ぐらいしか出てこない。


「最低限、金貨1枚は渡すけど、それ以上のお金渡したら堕落しそうだし、冒険者にもなってクエスト遂行してお金稼いでね、あくまで魔王討伐が目標だよ!」


金貨1枚は日本円で1万円くらいらしい。


「けちくせーな、神のくせに」


「、っ、っっつ私に対しっっ何という侮辱っ、万死にあたいするっよー」


少し頬を膨らませ、顔を赤らめる、そこが少女らしく可愛いところだ。


「死んだら魔王倒せねぇーぞ」


図星をつかれ、少し怯む。


「ふん、だったら魔王倒したらなんでも一つ願いを叶えてあげる、それでいいね⁈」


安い挑発に答え、こいつちょろいなと俺は思う。


「なんでもか?」


「なっっ、なによ、もしかして、わ、私?」


確かに、上から下まで目で追ったが、変な気持ちがあったわけでもない、断じてない。


「そんなわけないだろ!それより願いって元の世界に戻るってのも出来るのか?」


なんでもと言われたら少しは希望を持ってしまう。


「当たり前よ、私はなんでも出来るからね!」


その答えを聞いて俄然やる気が湧いてきた。


「そうか、それより早く下界に下ろしてくれ、魔王を早く倒して元の世界に戻るんだよ」


「って、軽くあしらわないでくれるかしら、まぁそうね、時間も時間だし、わかったわ。それじゃ神器を着せるから両手をあげてね」


「はいはい」


俺が両手を広げた途端、なにもないところから瞬間にして、神器が着せられた。


神器は俺の想像してた鋼の鎧のようなものではなく、簡素で全体が黒い服でその後ろにローブがある。


「これはね、私が特注で用意したものでね。魔法無効化と全属性耐性、それと物理攻撃無効化を備えているのよ、後、これも」


床に刺さっていた剣を俺に向かって投げてきた。それを俺は見事にキャッチ。


「聖剣エクスカリバー、あげるわ」


黄金に煌めく剣はとても美しく、綺麗だった。
ってかエクスカリバーのくせに扱い雑じゃね⁉︎
重さは重いと思う、と思うのは多分、今は軽いがそれは全パラメーターが最大値まで引き上げてあるからでそこらへんにいる有象無象では持ち上げることさえできないとオタクは推測する。


「ありがとよ、それじゃ世話になったなティシフォネ」


俺は背を向け手を振る。


「竜二の第二の人生に幸福あれ」


ティシフォネは祈りつつそう唱えた。


「なんか言ったか?」


「いいえなんでもないわ、竜二頑張って下さい、健闘を祈ります」


「おう」


俺は満面の笑みを浮かべて、出口と思わしき所へ歩き出した。


「竜二、そっちじゃないよ、あっちが下界への扉だよ」


「おう、サンキューな」


俺は下界への扉へと手をかけた。


これから佐倉竜二の異世界譚が始まろうとしていた。




手始めにまずはあいつを殺すかー
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...